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投資しても資産が増えない5つのNG行動

  • 2020.9.4

iDeCoやつみたてNISAなど税制優遇を使って資産運用を始める人が増えました。しかし、資産運用をしても必ず増えるとは限りません。経済の状況でマイナスになることもあります。しかし、そんな中でも利益を出している人がいます。
投資で資産を増やせる人と、増えない人には決定的な違いがあります。
今回は、投資で資産が増えない人がやってしまいがちな5つのNG行動について解説します。

NG行動その1 自分のリスク許容度をわかっていない

投資を始めたばかりの人に多いのが、自分はリスクに対してどのくらい対応できるのか(リスク許容度)を知らない事です。
投資におけるリスクとは、資産が減ることだけを意味しているのではありません。今ある資産がどのくらい変化するのかをリスクというのです。資産の変化が少なければリスクは低いと考えますし、変化が大きければリスクが高いと考えます。

例えば、自分の資産が1ヶ月の間に半分になるかもしれない可能性のある商品で運用して、現実に起こったとしてどういう対応をするのか。「投資に回したのは一部の資産だ」、「長期運用する予定なので現在のマイナスは問題ない」と落ち着いた対応ができるのであれば、リスクを取ることはできるでしょう。しかし、半分になってしまって毎日落ち着かず、不安で不安でたまらなくて手放してしまうというのであればリスクは取らない方がいいでしょう。増える可能性も、減る可能性も同じように受け止められるくらいのリスクの商品を選ぶようにしましょう。

資産が大きく変化することを望んでいないのに、選択する金融商品のリスクが高めであれば、資産の値動きが激しくなります。増えたと思ったら減ってしまったり、減ってしまって不安になって売却したりします。これでは、増やそうと思って始めた資産運用も結果的に資産を減らしてしまうことになりかねません。

金融商品は値動きがあり、毎日価格が変わるため自分の資産も増減します。その増減に耐えられないということは、自分のリスク許容度以上のリスクをとっていることになります。自分はどのくらいの値動きならば静観していられるのか理解するようにしましょう。

全国銀行協会のウェブサイト*では、リスク許容度の診断テストを公開しています。こうしたテストでリスク許容度を診断してみるのもいいでしょう。
*:一般社団法人全国銀行協会「あなたのリスク許容度診断テスト」

NG行動その2 短期で結果を得ようとする

投資とは時間をかけて成長する経済や企業にお金を投下することです。例えるなら、タネをまき、芽が出て大きく育って収穫を得るような物。最低でも、5年、10年はしっかりと育ててきたいところです。

時期が早くまだ実がなっていない時や、実が青くてかたい時期では収穫しても美味しくないのと同じで、投資では収穫ができるようになるまで待つ覚悟も必要です。しかし、じっくりと増えるのを待つことができず、短期で結果がでないと選んでいる商品がよくないのではないか、もっと他に増える商品があるのではないと継続することをやめてしまう人もいます。

継続していれば増やすことができたかもしれないのに、すぐに結果を求めて売却を繰り返す…。これではなかなか増えてはいきません。

例えば、日経平均株価の2005年から2019年の最安値の推移を見てみましょう。2005年には約11,000円でしたが、2009年に約7,000円だったことがわかります。しかし、10年後の2019年をみると2万円近くまで上昇しています。

2005年時点でタネをまきはじめても、2009年に慌てて売却してしまっていたら、資産は減っていたでしょう。ですが、最初から長期のスタンスを持って、10年20年と投資するつもりだったなら、じっくりと時間をかけることで資産を増やすことができたはずです。ですから、短期で結果を求めるのではなく、長期でじっくり結果を待つことが重要です。

日経平均最安値の推移

参考:日経平均プロフィル:日経平均年次データより筆者作成

NG行動その3 投資のルールを守れない

長期投資を目指して投資を始めても、結果が出るまで時間がかかることもあります。そのために、途中で長期投資のルールを変えてしまう人がいます。なかなか思うような結果が出ない焦りから、運用商品を売却したり、変更したりします。
しかし、長期投資の複利効果は時間をかければかけるほど大きくなります。長期投資というルールで始めたのであれば、そのルールはしっかりと守るようにしましょう。

短期で運用する方がいいのか、やはり長期投資がいいのかなどどちらがいいのかわからず迷ってしまっているうちに、時間は過ぎていきます。せっかくの長期投資のチャンスを失ってしまうかもしれません。負けない投資のルール、長期投資を守りましょう。

以下は、毎月1万円ずつ、30年間、年利3%でつみたてた場合の運用成果です。運用収益は、はじめは少ないですが、30年後には360万円の元本が222.7万円の利益を生み出しています。

積立金額と運用成果

資料:金融庁「資産運用シミュレーション」より

NG行動その4 目先の出来事や人の意見に流されがち

2020年が始まったとき、誰が今のような新型コロナウイルスの感染の拡大や、人々の生活の大きな変化を予想できたでしょうか。将来に不安を感じて今まで投資してきた資産を売却してしまった人もいるはずです。しかし、投資の基本は長期運用です。いますぐ必要でないお金なら売却せずに継続しておいた方がいいでしょう。

さらに、金融商品を選ぶ時も、営業マンの言いなりになって自分でよく調べずに購入してしまったり、人に勧められたからといって理解できない金融商品を購入してしまったりすることはやめておきましょう。

他にも、絶対値上がりするとか、元本保証という言葉にも注意が必要です。人の意見に流されないためには、自分自身で投資に対する知識をつけることと、投資の方針をしっかりと決めておくことです。

NG行動その5 分散投資をしていない

長期運用と同じくらい重要なことは、自分のお金を複数に分散して投資することです。例えば株式投資しかしていない場合、株価下落は資産の減少に直結します。しかし、株式と値動きの異なる商品や影響を受けにくい商品にも投資をしていれば、株価下落の影響は限定的になります。そこで、資産を個別の株式投資、債券投資信託、外貨預金など分散しておくことでリスクを低減させることができるのです。また、日本だけでなく、先進国、新興国など世界の国々に分散することでリスクを低減することができます。

さらに、時間の分散も有効です。一度にまとまった金額を投資してしまうと、購入した金額よりも増えるか減るかしかありません。しかし、同じ投資金額だとしても、時間を分散して購入することで高値つかみをすることを防ぎ、購入単価を平均化することができます。安いときだけを狙って購入することが難しいので、定期的に自動で積み立てできる仕組みが便利です。

資産を増やしたいなら自分の行動を見直すことも大切

せっかく投資をしても資産が増えないと思っているのであれば、きっとNG行動をとっているはずです。投資は少額からでも時間をかけて資産を築いていくもの。10年後には自分の資産が大きく育っているという希望を持って楽しみに待ちましょう。

執筆者:ファイナンシャルプランナー(CFP) 黒須 かおり

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