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勝間和代さんおススメ「絶対に散らからない部屋」をつくるポイント2つ

  • 2020.9.1
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20代、30代の頃は家事を他の人に任せて仕事に邁進していたという勝間和代さん。40代で家事に目覚めてからは、急に幸せになったそうです。仕事より家事を下に見ている人が、見落としていることとは――。新刊『勝間式ネオ・ライフハック100』からご紹介します。

※本稿は勝間和代『勝間式ネオ・ライフハック100』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

モダンなダイニングルーム3Dレンダリングのインテリア
※写真はイメージです(写真=iStock.com/Scovad)
仕事で幸せになるのはタカが知れている

仕事をしていると、どうしても家事を軽視しがちだと思います。その家事が、こんなにも幸せを左右するものだったとは! ということに私が気づいたのは結構遅く、40代に入ってからでした。

私たちの幸せを構成する主な要素は、衣食住をはじめ健康、家族、パートナー、友達、仕事、家事、趣味などで、それらのバランスが取れて、きれいな丸い輪になっているほど、幸福度が上がります。ところが、多くの人が仕事ばかりが出っ張ってしまい、ほかのものを押しやっている状態になっています。特に押しやられているのが家事です。

私も、20代と30代は、家事を押しやっていました。仕事に追われながら子育てもしていたので、家事は同居する母に任せたり、家政婦さんにお願いしたりしていました。自分では最低限の家事だけすればいいことにして、その分できた時間は仕事に費やせばいいと思っていました。

それが40代前半ぐらいから家事に目覚め、部屋中に溢れかえるものを断捨離したり、おいしい食事を効率よく作る方法を考えたりするようになったら、急に幸せになりました。そのとき気づいたのは、仕事で幸せになるというのは、タカが知れている、ということです

昇進や昇給だけでは得られないこと

もちろん、給料が上がったり昇進したりするのは嬉しいことですが、私たちの生活に直接幸せをもたらすか、といったら、それはちょっと違うんですね。

それよりも、いつも部屋がきれいに片付いていて、キッチンに行くとおいしいご飯や飲み物を作ることができ、着るものはちゃんと洗濯された清潔な服で、ベッドのシーツやカバーがパリッとシワが伸びていて気持ちいい、というほうが絶対幸せなのです。

そうした空間と時間は快適そのものでストレスフリーですから、体と心の疲れをリセットできるので、仕事に対するモチベーションが上がることも実感できます。

家事は仕事よりも「下」という認識を改める

以前は、最低限の家事すら面倒くさいと思いながらやって、散らかった家で適当なご飯を食べて、適当な服を着て、適当な寝具にくるまって寝ていました。それで疲れがリセットされるわけでも、パワーがチャージされるわけでもないので、仕事のモチベーションも上がるわけがありません。

パワーチャージされていれば、集中できて1時間で済む仕事が、3~4時間かかってしまう→仕事に長く時間がかかるから、家事をする時間がなくなる→片付いていない→家にいてもパワーチャージできない→それで仕事をしても効率が上がらない、という悪循環を繰り返していました。

ロボット掃除機のルンバが、充電が切れそうになるとチャージステーションに戻って充電するように、私たちも家に戻ったら、気持ちよくて和やかな時間を過ごすことで充電でき、その状態で働くからこそ効率が上がります。つまり、仕事でより成果を上げるためにも、家事の充実は不可欠なのです。

家事をうまく回す仕組みをつくることが大事

かつては、家事を専門にする専業主婦が、衣食住の快適性を守っていました。ところが共働きが一般的になって、独身者も増えた今は、1人1人がちゃんと家事をして、快適な生活のために貢献をしていかなければいけない時代です。ただし、調理器具やロボット掃除機などの最新家電を利用すれば、大した労力をかけずに、確実にできることなのです。

家事は、工夫のしがいがいくらでもあるので、始めるとハマります。私が家事をする中でいろいろなことを試して気づいたことは『勝間式超ロジカル家事』(アチーブメント出版)という本にまとめました。Kindle版もあるので、興味がある方はそちらをご覧になってください。

どんどんおいしいご飯を作れるようになって、片付けも上手になると、家に人を呼ぶ機会が増えます。また、クローゼットはいつも整理されているからオシャレするのが楽しくなります。一度、家事をうまく回す仕組みを作ってしまうと、仕事のやりがいがあろうがなかろうが関係なく、毎日だいたい幸せでいられます。

家事は仕事よりも「下」という認識を改めましょう。家事と仕事は同列か、むしろ家事のほうが上であるという認識を持って生活すると、人生がより楽しくなると思います。

頑張らなくても散らかりようのない仕組みを作る

私は片付け本も出しているので、片付けに関する取材を受けることがあります。そのときに共通して聞かれるのが、一時的にきれいに片付けることはできても、片付いた状態を保つのが難しいがどうしたらよいか、ということです。

勝間和代『勝間式ネオ・ライフハック100』(KADOKAWA)
勝間和代『勝間式ネオ・ライフハック100』(KADOKAWA)

私は2015年の終わりに片付けをして汚部屋を脱出して以降、2020年6月現在、およそ4年半、ずっと片付いた状態を保っています。その理由は単純で、散らかるペースよりも、片付けるペースのほうが速いからです。

逆に、散らかるペースのほうが速いと、気づくと散らかっていて、気合いを入れて片付けなくてはいけなくなります。なんとか片付けたとしても、片付けるのは大変で面倒くさい、というイメージが色濃く残るため、すぐまた片付けなくなります。それで、気づくと散らかっている、という状態を繰り返すのです。

これは、ダイエットのリバウンドに非常によく似ています。ダイエットは、1週間とか1カ月とか、集中的に頑張ってすることが多いですよね。でも、頑張って無理した分、あとで食欲が暴走してカロリー摂取が過剰になりがちで、その結果リバウンドしてしまいます。

一時的に頑張って片付けをしても、片付いた状態を保てないのも同じ仕組みです。要は、頑張らなくても散らからない仕組みを作らないといけないわけです。その、頑張らなくても散らからない仕組みとは、整理整頓する必要がないほど、ものを減らすことと、使ったらすぐ片付ける、ということがポイントです。

最低限のものしか置かず、リアルタイムで片付ける

うちは、食器の数をすごく少なくしています。普段、使っているのはお皿2~3枚で、多くて4枚。この数枚を出し入れするのに、もし棚の中に何十枚もお皿があったら、ほかのお皿をよけたり、一度取り出したりして、手間がかかります。当たって欠けたり、落として割ったりする確率も上がるでしょう。それも、全体数を少なくすることで防げます。

調理器具も普段よく使う、最低限のものしかありません。包丁は同じ大きさの穴あき包丁が3本あるだけで、それで肉、野菜、果物、チーズもなんでも切っています。

洗剤やトイレットペーパーなどの買い置きするような日用品は、使用中のものの残量が半分以下になったら買うようにしています。それ以上のペースで買い足すと、在庫が増えすぎて管理しにくくなるのでおすすめしません。

食器や調理器具は、使ったらすぐ洗うのを基本にしています。あとでまとめて洗うことにすると、何倍も労力がかかって、洗い物に対するハードルが上がってしまいます。

私はウォーターオーブンを愛用していますが、肉や魚を焼いて、庫内の油ハネや臭いが気になるときは、使用後すぐに庫内を掃除する自動機能をオンにします。それをすぐすると汚れが溜まらず、あとで軽く拭き取るだけで済みます。すぐにしないで放置するから、どんどん汚れが溜まってしまうのです。

同じように、私は新聞もリアルタイムで片付けています。読んだらすぐ新聞置きに持っていくか、鳥を飼っているのでカゴの掃除に使います。そして、新聞置きの半分のラインを超えたら、そのままマンションのゴミステーションの新聞置き場に持っていきます。だいたい、10日に一度のペースでそうしています。それ以上溜めると紐で縛ったり、重い思いをして運んだりしなくてはいけないなど、やはり手間がかかるのです。

30cm四方以上のものを買うときは慎重に

こうして、ものの数を減らして、使ったらすぐに片付けるようにすると、散らかりようがありません。すると、片付いている状態を維持できて、気合いを入れて片付ける必要がなくなるので、すごく楽なことに気づくと思います。ものを探すのも簡単ですし、床に散在したものにつまずかずに済みます。

そういう状態を保つこと=頑張らなくても片付いた家を保つ仕組みです。

新しいものを買うときに、想像してほしいことがあります。それは、これを買ったら、ダンボールや緩衝材を片付けるのはどのくらい面倒くさいか? ということです。ちょっと想像するだけで衝動買いを防げて、やたらに買わなくなると思います。

特に、30cm四方以上のものは片付けが大変になるので、購入の際は慎重になってください。そういうことを繰り返すうちに、家がもので溢れかえることはなくなりますし、お金の無駄遣いも減っていきます。

写真=iStock.com

勝間 和代(かつま・かずよ)
経済評論家
1968年東京生まれ。中央大学ビジネススクール客員教授。慶應義塾大学商学部卒業、早稲田大学大学院ファイナンス研究科MBA。当時最年少の19歳で会計士補の資格を取得、大学在学中から監査法人に勤務。アーサー・アンダーセン、マッキンゼー、JPモルガンを経て独立。現在、株式会社監査と分析取締役、国土交通省社会資本整備審議会委員、中央大学ビジネススクール客員教授として活躍中。

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