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夫ラブの義母がアポなし訪問、部屋にイチャモン…義両親との関係に悩む女性たち

  • 2020.8.29
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義両親との関係に悩む女性は多い
義両親との関係に悩む女性は多い

私の運営している「恋人・夫婦仲相談所」では毎年、夏になると、義理の両親との関係についてのお悩み相談が増えます。例年、7~8月は、お盆や夏休みにあわせて実家に帰省する人が多いため、いつにも増して悩みが多くなるためのようです。そんな、義両親との関係に悩む女性たちの声を紹介します。

毎週末、アポなし訪問

「毎週末、本当に悩まされています」と語り始めたのは、結婚2年目の陽香さん(仮名、32歳)。夫の実家は、自転車で15分程度のご近所です。

「もともとは、夫の実家を2世帯住宅にして同居という話もあったのですが、義父の持っているアパートにちょうど空き室があったので、同居を回避し、そこに住むことができたんです。

一人っ子の夫は義母に溺愛されていて、結婚式の花束贈呈のとき、義母の姿は本当に最悪でした。夫に抱き付いて、『まあくん、嫌なことがあったら、すぐおうちに戻ってきなさいね』と大声で泣き叫び、会場がざわついたくらいです」

そんな陽香さんの悩みは“まあくんラブ”のしゅうとめさんが毎週末、アポなしで訪問してくること。

「わが家は共働きなので、掃除は週末しかできないのです。だから、土曜の朝が1週間の汚れがたまっていて一番汚い。でも、義母がやってくるのはたいてい土曜の朝。最悪のタイミングで、アポなしで来るんです。

で、毎回、『こんなところで暮らしていたら、まあくんが病気になっちゃうわよ』と、収納から勝手にフローリングワイパーを持ち出して、リビングの掃除を始めるんです。それがあんまりムカつくので、今年のお正月にロボット掃除機を買って、平日夜に床を掃除できるようにしました。

そしたら、土曜の朝でも床がきれいですから、今度は『トイレが汚れている』とか言いだして…。『土曜の朝は掃除タイムなのに、あんたが毎週来るから掃除ができないのよ!』って言いたいのをぐっとこらえています。さすがに緊急事態宣言中はステイホームでしたが、6月以降、また週末アポなし訪問が復活です」

さらに、陽香さんは夫についてもこう話しました。

「夫にも『こちらにも都合があるのだから、あらかじめ、訪問の可否を確認してから来るように言ってほしい』と話したんですが、『伝えておくよ』とは言うものの、実家には何も言っていない様子です。あと半年これが続いても、何の対策も取ってくれないのなら、夫への対応も考えなくてはと思っています」

実家は物、物、物…のごみ屋敷

一方、愛実さん(仮名、29歳)の場合は義母だけでなく、夫の母親に対する考え方が理解できず、最悪の結果を招いたパターンです。

「もともと、結婚前に一度も夫の実家に行ったことがなかったんです。夫の両親へのごあいさつや両家の顔合わせもホテルで済ませ、一度も夫の実家に行かないまま結婚しました。

気になったのは、彼の実家が全くお金を負担しなかったこと。何回かの会食のときもそうですし、結婚式の費用も彼の実家は出費ゼロ。私たちの貯金と、うちの両親のお金で式を挙げました。独身時代、1人暮らしをしていた彼は実家に仕送りをしていたのですが、結婚後もそれは変わらず、実家に毎月10万円の仕送りをしています。うちの家計には痛いですが、彼の実家が経済的に苦しいなら仕方がないと諦めていました」

結局、愛実さんが初めて、夫の実家を訪れたのは結婚後初めてのお正月。最寄り駅から歩いて15分の住宅地の中にある古びた一軒家が彼の実家です。到着すると、小さな門から玄関ドアの間に段ボール箱がいくつも積み重なっているのが目に付きました。どれも薄黒く、長い間雨ざらしになっていた様子です。粗大ごみ回収に出し忘れたのかな?と思いながら、夫の後に続いて玄関に入り、愛実さんは絶句しました。

「まず、玄関から驚きました。たくさんの靴が靴箱からあふれて、床に積み重なっていたんです。それだけでもざっと20足以上。やっとの思いで自分の脱いだ靴を置き、家の中に入ると、とにかく家の中は物、物、物…廊下の端もさまざまな段ボールやスーパーのレジ袋が山積みでした。

リビングのソファの上も、サイドテーブルの上も、床の上も、洋服やバッグ、雑誌、置物などが満載。マッサージチェアに、ランニングマシンに、ウオーターサーバーなど、通販番組でよく見る品々です。その他にも、空き箱や空き瓶などが山のように段ボールに入っています。とにかく病的に家の中が物だらけ。まさに、テレビで見るごみ屋敷の風景でした。

私たちを迎えた義母が『私は買い物が趣味で、通販番組やネットオークションが大好きなの。買いたいものが毎日増えて大変だわ』と言ってのけたので、あぜんとしました」

実家の光景と義母の言葉にショックを受けたまま家に帰った愛実さんは夫と、「なぜ、実家があんな様子だと教えてくれなかったの!」とけんかになったそう。しかし、夫は実家の様子を「別に隠してはいない」と反論。さらに、「自分の母親は悪くない。物を大切にするのはいいことだ」「自分の息子が仕送りした金で買い物をしているだけで、誰にも迷惑をかけていない」と主張し、「物がたくさんあるのはいいことじゃないか。何もない家の方がいいのか?」と開き直ったそうです。

「夫の話を聞いて、『義母や夫との価値観の違いは埋められない』と思いました。あのごみ屋敷の状態を肯定できるってことは、母親の買い物のために実家へ高額な仕送りをすることもやめないだろうし、彼も将来、ごみ屋敷をつくる可能性があると思って、もう無理と思いました」

結局、愛実さんは夫と別れることにしました。直接、義母からの被害を受けたわけではありませんが、義母の考え方が夫に強く影響していることを受け入れられなかったのが大きな原因です。

最後は「夫と妻の関係」がカギ

結婚は、恋人同士のお付き合いとは違います。相手の家や親戚とも関係を結ぶことになるからです。「親族の付き合いは面倒だから」と、結婚式は2人だけで挙げたとしても、その後、相手方の両親や実家の両親に何かあれば、連絡が来ることは避けられません。

中には「お前は長男だから、こっちに戻ってきて墓を守れ」という、最近、あまり耳にしないようなせりふが出てくるケースもあります。パートナーの実家を選ぶことはできません。たとえ、どんな両親であっても、どんなに相性の悪い相手であっても、付き合いを避けることは困難なのです。

ただし、その都度、親身に対応を考えてくれるパートナーならば、乗り越えることができます。夫が(妻が)盾になる、あるいは潤滑剤になることができるかが肝です。つまり、義父母がどうであれ、最終的には、夫と妻の関係がぶれなければ、離婚には至らないということなのです。

「恋人・夫婦仲相談所」所長 三松真由美

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