ディオール、POLA etc.から続々登場！「線維芽細胞にアプローチ」がアツい！【VOCE秋のスキンケア新聞】

◆解説してくれたのはこの２人

（左）美容ライター 楢﨑裕美さん
美容界のレジェンドや各社の研究者への取材が多く、また撮影現場で読者のニーズを直接聞くことも。両者の架け橋的存在を目指す。

（右）美容ジャーナリスト 吉田昌佐美さん
各社の名だたる研究者やベテランPRも一目置く美容界きっての名物ジャーナリスト。独自の目線で切り取る愛あるコスメ評が人気。

強豪ブランドから新知見、続々 今年は深層が熱い！ 真皮の線維芽細胞が主役

３Ｄ可視化や遺伝子研究で超ハイテク化！

「今季、圧倒的にトピックスが多かったのが、真皮にあり、コラーゲンやエラスチンを生み出す線維芽細胞」と吉田さん。その起爆剤となったひとつが、肌内を３Ｄで可視化する技術であり、今まで未知の領域だった肌内部の細部まで観察ができるようになったことで、新事実が次々と明らかに。

「資生堂はＡＩを活用した３Ｄ解析により、今まで単独で点在していると思われていた線維芽細胞が、実はネットワークを形成して、密にコミュニケーションをとっていたことを確認」（吉田）

◆歴史的大発見から誕生したたるみケア

エリクシール シュペリエル デザインタイム セラム 40ml ￥4500（編集部調べ）
線維芽細胞ネットワークを解明した大作でありながらリーズナブル。正面はもちろん、斜め45度からみてもたるみのない印象へ。

「コスメデコルテは３Ｄで観察することで、加齢した肌は弾力の要となるエラスチンの立体構造が崩れていることを突き止めた」（吉田）。これにより、新次元の画期的アプローチが誕生。

また、後天的な要因によって変化する遺伝子の発現に着目するエピジェネティクスの観点から、線維芽細胞の変化に注目するブランドも。「ポーラは後天的に線維芽細胞の遺伝子スイッチをオンに切り替えるＲＮＡを、がらくたのＤＮＡと呼ばれている領域から特定。老化して機能が低下していた細胞を蘇らせる、というだけにエイジングを感じる全世代の希望の星！」（楢﨑）

「エスティ ローダーは38年に及ぶＤＮＡ研究から、肌のサーカディアンリズムと深く関わり、肌の修復のキーとなるマイクロＲＮＡに注目。この発現を増やすことで線維芽細胞の増殖能力が高まることがわかり、その研究成果をセラムに搭載。肌の修復のスピードアップを図ります」（吉田）

◆後天的な老け要因を覆し、美肌覚醒

エスティ ローダー アドバンス ナイト リペア SMR コンプレックス 50ml ￥13500（9／18発売）
夜間の肌修復機能やオートファジー機能に着目したテクノロジーは引き継ぎつつ、複数の老化経路に関わる因子に積極アプローチ。

「ディオールは独自のローズの茎に備わった修復力を解明。線維芽細胞の増殖を促し、ダメージ部分へ誘導して真皮構造を立て直し、フェイスラインが変わるほどのリフトアップを叶えるというから注目。マスク着用で人と直接話す機会も減って表情を動かさなくなり、ブルーライトを浴び続ける生活となった今は、まさにもっと老けるか、挽回できるかの瀬戸際。いずれも味方となるはず」（吉田）

◆深層も表面もパワフルにリペア！

ディオール プレステージ マイクロユイル ド ローズ 30ml ￥28000（9／25発売）／パルファン・クリスチャン・ディオール
新たにグランヴィルローズの茎の有用成分も配合。グリーンケミストリーな抽出法により肌に必須な22の微量栄養素の濃度アップ。

◆AIを活用し、PC上に皮膚を３Dで再現！

VOCE8月号より引用 提供／資生堂

資生堂は外部機関との共同研究により、『デジタル３Dスキン™』技術を開発。今まで困難だった超微細な構造の解析が叶い、PC上で皮膚の構造の分離などが操れるように！

線維芽細胞ケアをフルで体感できる最新ライン

今季、待望の新ライン登場やフルラインリニューアルが続々。中でも目立つのは線維芽細胞ケアであり、人気の２大ブランドからも！

◆コスメデコルテ

（左から）
リフトディメンション エンハンスト クリーム 50g ￥10000、リフトディメンション セラム 50ml ￥12000、リフトディメンション リプレニッシュファーム ローション 200ml ￥7000、リフトディメンション プランプ ファームエマルジョン 200ml ￥7000（すべて9／16発売）／コスメデコルテ
抗酸化力が高く、エラスチンやコラーゲンの立体構造を立て直し、美形状化する効果が認められたポリフェノールを美容液に初配合。化粧水などのベーシックケアでその効果を後押し。

◆POLA

（左から）
B.A クリーム 30g ￥32000、B.A ミルク 80ml ￥20000（ともに10／2発売）、B.A ローション 120ml ￥20000（9／11発売）／ポーラ
線維芽細胞を活性の高いエイジレスな状態へどんどん導き、周囲にある血管内皮細胞や脂肪細胞の機能まで好転させるRNAを特定。奥深くに全方位から働きかけることでハリが漲る肌に。

撮影／伊藤泰寛 取材・文／楢﨑裕美 構成／佐野桐子