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【とうもろこしの栄養】甘みたっぷりに茹で上げる方法や調理のポイント

  • 2020.8.15
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とうもろこしはバーベキューや焼き肉では欠かせない食材です。夏の海辺や山のキャンプでもよく食べられます。ポップコーンは映画館やスポーツ観戦での定番メニューです。夏が旬な食材ですが、今は缶詰などで一年中食べることもできます。

それでも、夏に食べるとうもろこしはひときわおいしく感じます。もっともっと、とうもろこしがおいしくいただけるように、とうもろこしをマルチな面から調べてみましょう。




■とうもろこしの栄養と効能
みなさんはとうもろこしが好きですか?とうもろこしは世界各国で食べられています。それも主食として食べている国がたくさんあります。それだけ栄養価が高くエネルギー源になっています。

栄養価が高いとうもろこしは、摂取することで体にさまざまな恩恵があります。とうもろこしに入っている養分で、体が元気になる効能を紹介します。

・とうもろこしの栄養




とうもろこしは野菜ですが、穀物にもなります。穀物だけにエネルギー源になる炭水化物を多く含んでいます。さらに、ビタミンも豊富でビタミンB1、B2、ビタミンEなどが含まれています。

そのほかにも、リノール酸や食物繊維、ミネラルではマグネシウムとカルシウムも入っています。とうもろこしにはバランスよく栄養素が含まれています。

また、とうもろこしに含まれる炭水化物は糖質が主成分です。よく見かけるとうもろこしの可食部は約150g前後あり、1本で約20.7gの糖質を含んでいます。茶碗1杯のご飯が150gで、糖質55.2gほどですから、とうもろこしの糖質は半分程度になりやや低めです。

・穀物の中では低カロリー
生の状態のとうもろこしのカロリーは、100g当たりで92kcalです。茹でた状態でも99kcalになります。お米(精白米)100gのカロリーは356kcal、小麦(薄力粉)100gは368kcalで、とうもろこしのカロリーはかなり低い値になっています。

・生と缶詰の栄養の違い




最近はスーパーでもコーンの缶詰を見かけることがありますよね。缶詰に加工されていると、栄養価が失われているような気になりませんか?結論から言えば缶詰のとうもろこしも、生のとうもろこしもほとんど変わりません。

収穫したとうもろこしは時間の経過で急速に栄養価は低減していき、1日経過すると栄養は半減するそうです。しかし、缶詰の加工技術は進歩して、鮮度が保たれたままとうもろこしはパックされています。

・とうもろこしの効能
とうもろこしの効能のうち、特に際立っているのはトウモロコシに含まれるカリウムです。カリウムは体内のナトリウムを抑制して、尿として対外へ排泄する作用を促進し、血圧を下げる効果があります。

とうもろこしには食物繊維も多く、食物繊維は腸内環境を整え、排便をスムーズにして、体内の老廃物を排出させる効果があります。

■栄養豊富なとうもろこし



前章でも説明しましたが、とうもろこしには炭水化物(糖質)、ビタミン類、そのほかにも、リノール酸や食物繊維、マグネシウムとカルシウムも含まれています。とうもろこしはエネルギーだけでなく栄養素も豊富に入っています。

・世界三大穀物の一つ
世界各国で主食として食されているとうもろこしは、米、小麦と並んで世界三大穀物と言われています。

東アジアを中心に栽培されている米や、主にヨーロッパや北アメリカで栽培されている小麦に対して、とうもろこしは南アメリカ大陸やアメリカ南部、さらにアフリカの一地域で栽培されています。栽培される多くのとうもろこしは粉に加工されて主食として食べられています。

・野菜と穀物の違い?




みなさんは野菜と穀物の区別がつきますか?穀物は「澱粉質を主体とする植物の種子」と定義されています。穀物には主穀と呼ばれる米、麦、とうもろこし以外にも、キビ、アワ、ヒエなどの雑穀もあります。

いっぽうで野菜は「食用の草本植物の総称」と定義されています。ただし、野菜の区分は野菜に関係する各機関で見解が少し異なります。どちらにしても、食用の草木植物であればとうもろこしもその範疇に含まれ、とうもろこしは野菜でもあります。日本ではとうもろこしはほとんどの場合、野菜とされています。

・とうもろこしの産地と旬
世界を見渡せば、とうもろこしの約4割はアメリカで生産されています。次は中国、ブラジルの順で栽培されています。

日本でもとうもろこしは各地で栽培されています。生産量で見ると北海道が全体の約4割を占めています。続いて千葉、茨城が続きます。2017年の生産量は、北海道9万4,300t、(40.7%)、2位は千葉県で1万7,000t(7.34%)、3位が茨城県で1万5,300t(6.6%)の実績がありました。

・とうもろこしはいつ頃から日本に?




とうもろこしは、中南米のメキシコからグアテマラの地域で、紀元前から栽培されていました。その後アメリカ全土に広まりました。

ヨーロッパへはコロンブスが持ち帰り広まったようです。とうもろこしが日本に入ってきたのは16世紀頃にポルトガル人が長崎に伝えたそうです。日本人も江戸時代にはとうもろこしを食べていたようです。

とうもろこしは漢字で「玉蜀黍」と書きます。とうもろこしは「とうきび」ともいわれるように、唐(外国)から来た「もろこし=きび」が名前の由来だそうです。もろこしは「唐黍」と表記されていて、唐から来た唐黍で「唐唐黍」となるところでしたが、唐の字の重複を避けて、「玉蜀黍」に落ち着いたようです。「玉」は、とうもろこしのもう一つの呼び名「玉黍(たまきび)」から採用したようです。

・とうもろこしの種類




日本のとうもろこしの種類ですが、粒の色から3種類に区分されています。黄粒種(ゴールデンコーン)と呼ばれる、とうもろこしの全ての粒が濃い黄色です。小粒ながら粒の皮は柔らかく甘みもあるとうもろこしです。

白粒種(シルバーコーン)は、黄粒種に比べ白いとうもろこしです。粒全体が白っぽく柔らかいとうもろこしが実る品種です。

バイカラー種(バイカラーコーン)は、一代雑種の種類で、黄色と白の粒が3対1の割合で実ります。大変甘味が強いとうもろこしです。

・糖質制限ダイエット中でも食べられる?
とうもろこし100gに、糖質の量は約13.8gといわれています。この値が高いか低いかを考えると、比較する食品によって印象が変わるでしょう。

じゃがいもの糖質は100g中16.3g、さつまいもの糖質は同量中に30.3gですから、それらに比べると多くはありません。いっぽうで、緑黄野菜などと比べてみると、きゅうり100gに1.9g、キャベツ100gは3.4g、トマトは3.7gです。

とうもろこしは緑黄野菜に比べると糖質は高く、本気でダイエットに取り組むならやはり控えた方が良いようです。

・『炭水化物』なので食べすぎ注意




炭水化物の主な構成成分が糖質です。糖質はエネルギー源になりますが、摂り過ぎた糖質は中性脂肪に変わり、内臓脂肪になって体内に貯蔵されます。その結果、肥満の原因となります。とうもろこしも食べ過ぎると脂肪に変化し蓄積します。食べ過ぎは注意しましょう。

■とうもろこしの栄養を逃さない食べ方
栄養価の高いとうもろこしです。せっかく食べるのなら、できる限りその栄養価がフルに摂取できる食べ方で食べたいものですね。

実りかけのとうもろこしは生で食べることもできます。また、とうもろこしは焼いて食べても、茹でて温めても、ほかの野菜と一緒に調理してもおいしくいただけます。いろいろな食べ方があります。

・おいしいとうもろこしの茹で方




とうもろこしといえば、茹でて食べることが多いようです。しかし、とうもろこしの茹で方は奥が深いのです。おいしくなる茹で方を詳しく紹介しましょう。

とうもろこしの茹で方は二通りあります。お湯が沸いてからとうもろこしを入れて茹でるか、水の状態でとうもろこしを入れて茹でるかです。どちらがよいのか?微妙な違いがあります。

沸騰させたお湯にとうもろこしを入れて3分~5分茹でると、シャキシャキした食感の茹であがりになります。




水の状態でとうもろこしを入れて、沸騰させた後に3分~5分茹で続けると、ふっくら、ジューシーなとうもろこしになります。

どちらも、塩は加えずに茹でて、茹であがった後で3%の塩水に4分~5分ほど浸けると、甘みが増し、とうもろこしの粒は張りのある状態になります。

最近は、とうもろこしを電子レンジで加熱する調理法が広まっています。レンジで蒸す場合は5分間程度蒸しましょう。電子レンジの場合はとうもろこしが均一に加熱されない事が多いので、蒸している途中に何度か上下を入れ替えましょう。

・買ったらすぐに調理




とうもろこしを食べる前にとりわけ注意することは、できる限り早く調理することです。とうもろこしは鮮度落ちがとても早く、収穫後24時間経過すると糖分がでんぷんに変化して、おいしさが半減するそうです。

・根元から実を取る

かぶりついてとうもろこしを食べるのに苦戦した経験はありませんか?とうもろこしの粒は簡単に取れにくいものです。ところが、とうもろこしの粒を手軽く取る方法があります。

割り箸をとうもろこしの実の根元から差し込んで、割り箸を上の方向に持ち上げると簡単に取れます。

上記の方法で1列か2列取れると、残っているとうもろこしを指を使って1列ずつ横に倒すように押さえると根元から取れていくようです。おすすめの割りばしは、差し込みやすいように先が斜めになっているタイプです。

■栄養たっぷりのとうもろこしの選び方




とうもろこしは鮮度が落ちるのが早いだけに、できる限り新鮮なとうもろこしを選びましょう。触ってみて、乾いているとうもろこしよりも、みずみずしさが感じられるとうもろこしを選びましょう。とにかく、とうもろこしは新鮮が一番です。

・皮付きのもの
皮付きのとうもろこしの場合、皮の色は緑が濃く、とうもろこしの先のひげはできるだけ多く、色が濃いものが完熟しています。皮の先まで実がぎっしりとつまっているかも確認しておきましょう。

・ふさふさのヒゲ
とうもろこしのひげの本数は粒の数だそうで、1本1本のひげが粒についています。ひげの数が多いほど、中の粒が多いことになります。

とうもろこしのひげは濃い茶色になっている物が先までびっしりと粒が詰まっています。薄い緑色のひげのとうもろこしは粒が小さく熟していないことが多いようです。

・粒の大きさと並び方




とうもろこしは実った粒を食べます。大きな粒がびっしりと揃って並んでいるものがおすすめです。不並びの粒は成長もバラバラで未熟な粒が残っています。とうもろこしは新鮮さが大切で、手に持った時に重みが感じられるものは水分を含んでいて新鮮なとうもろこしです。

・粒の硬さ
とうもろこしの粒の並びや大きさと並んで、とうもろこしの粒の硬さも大事です。指で粒を押してみて弾力が感じられるものがおすすめで、粒が硬すぎるのは良くありません。粒にしっかりと弾力があり、硬すぎないとうもろこしはおいしい味が期待できそうです。

■とうもろこしの栄養をキープする保存方法




スーパーの店頭で山積みされた安売りのとうもろこしを見ると、まとめて購入することがありませんか?一度に食べるには量が多すぎて、残りを保存することになります。同じ保存するにしても、栄養が保たれる方法を選びましょう。そんなとうもろこしの保存方法を紹介します。

・生の状態を保存する場合
すぐに調理できないときは、皮がついたままラップをぴったり巻いて包み、冷蔵庫で保存しましょう。チルド室が完備した冷蔵庫では、チルド室の保存がおすすめになります。

とうもろこしは鮮度キープがおすすめの野菜ですから、できるだけ新鮮さが保たれる保存方法を選びましょう。

・調理済みのとうもろこしの保存方法




加熱調理したとうもろこしを冷凍保存する場合は、とうもろこしのみずみずしさを逃がさないように、熱いうちにラップにぴったりと包んで冷凍用のジッパー付きの袋に入れて保存します。または、タッパーに入れて保存することもできます。それでも、できるだけ2日~4日で消費しましょう。

・冷凍保存もできる
とうもろこしは下処理なしでそのまま冷凍庫へ入れることも可能です。とうもろこしの鮮度を保つために、できるだけ皮つきのまま保存しましょう。

冷凍方法については、とうもろこしのひげを切って外側も綺麗にして、ラップで包み、さらに冷凍用のジッパー付きの保存袋に入れて冷凍庫で保管しましょう。1ヵ月程度の保存が可能になります。

冷凍したとうもろこしの解凍方法は、ラップを巻いたまま耐熱皿にのせて、とうもろこし1本であれば6分〜8分加熱すると茹でたとうもろこしに戻ります。冷凍とうもろこしを料理に使う場合は、ラップのまま電子レンジで1分~3分程度加熱してラップを外し切って使うことも、粒だけ取って使うこともできます。

■とうもろこしの栄養で夏バテ予防
栄養が豊富なとうもろこしの料理メニュー、どんな料理を思い出しますか?和食、洋食、中華料理に使えます。そんな中から人気のメニューを紹介します。夏バテ防止対策だけでなく、流行性の病気予防のエネルギー補充になるメニューもありそうです。

・とうもろこしを使ったメイン『炊き込みご飯』




とうもろこしがメインのメニューといえば、とうもろこしのシャキッとした食感が楽しめる炊き込みご飯が定番です。


米 2合
とうもろこし 1本
塩 小さじ1(適量)
酒 少々
顆粒(昆布)だし 少々


  1. とうもろこしの粒だけを取ります。芯は2~3等分して残しておきます。
  2. お米2合をよく研いで水気を切り、2合の目盛りまで水を入れて、浸水させるために1時間ほど置いておきます。
  3. お米が十分に浸水したら、塩を小さじ1杯入れます。塩は個人の好みで増減できます。塩をよく溶かします。
  4. 酒と顆粒だしも加えて混ぜます。
  5. とうもろこしの粒を米の上にまんべんなく広げます。とうもろこしの芯も入れます。
  6. 炊飯器に炊き込みご飯のコースがあれば選びます。なければ通常の白米コースでも大丈夫です。スイッチを入れて炊きあがるのを待ちます。
  7. 炊き上がったらふたを開けてとうもろこしの芯を取り出して、とうもろこしの粒とご飯をよく混ぜて食べましょう。



・とうもろこしが活きる『おすすめのサラダ』




とうもろこしといえばやはりサラダです。とうもろこしを加えるとサラダの味も食べ応えも増し良いアクセントになります。


茹でたとうもろこし 1本
レタス 3枚
きゅうり 1本
(ミニ)トマト 3個相当


  1. サラダのレタスは食べやすい大きさに手でちぎるのがおすすめです。
  2. きゅうりは千切りでも薄切りでも大丈夫です。
  3. ミニトマトは4等分、トマトはサイコロ切りにしましょう。
  4. とうもろこしの粒を芯から取り、ばらしましょう。
  5. レタス、きゅうり、トマトにとうもろこしをおいしく混ぜて器に盛り付けて完成です。



・とうもろこしの定番『さっぱりコーンスープ』




とうもろこしの定番料理はコーンスープでしょう。とうもろこしの口当たりの良い甘さが絶品です。寒い時は体の芯から温まります。


とうもろこし 1本
水 300cc
牛乳 150cc
コンソメ 大さじ1
塩・胡椒 適量


  1. とうもろこしの粒を全部取って、ミキサーに1分ほどかけます。滑らかな味を望むならもう少しかけましょう。粒を取ったとうもろこしの芯も残しておきましょう。
  2. 鍋に水300ccと、とうもろこし、とうもろこしの芯を入れて火にかけます。
  3. とうもろこしが柔らかくなったら火を止めて取り出し、とうもろこしの芯を取り除きます。
  4. コンソメと牛乳を加えて火にかけ煮込みます。
  5. 仕上げに塩、胡椒で味を調整してできあがりです。





■おいしくて栄養たっぷりの『とうもろこし』を食べよう!




お米を主食としている日本人には、とうもろこしが主食と考えにくいのですが、世界では多くの人々がとうもろこしを主食として食べています。

それだけ、とうもろこしは栄養価も高くエネルギーも摂取できる穀物です。料理の種類も多く夏の必須食材として楽しみましょう。最近はコーン缶も出回って一年中おいしいとうもろこしが手に入ります。とうもろこしをおいしくいただきましょう。

(AYA)

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