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ゲームは悪か?受験組小学生の現代ゲーム事情を知ろう

  • 2020.7.31
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現代社会にはゲームがあふれています。家庭で出来る備え付けのタイプ以外にも持ち運べるもの、スマートフォンで出来るものなど様々です。感染症拡大防止の為の自粛期間が長く続き、こういったゲームは軒並み売り上げが好調でもありました。

そんな中、子どもにどの程度ゲームをさせていいのか、禁止した方がいいのではないかと悩む親も多いと思います。特に受験を考えている、控えているという子どもにゲームをさせるとどういう影響があるのでしょうか。実際に受験した子のゲーム事情や関わり方を見ていきましょう。

ゲーム禁止は勉強につながらない

勉強に邪魔になるからとゲームを毛嫌いする方もいますが、ゲームを禁止すると勉強をするようになるのでしょうか?答えはNOです。

大人が休みなく働き続けることが出来ないのと同様に、子どもにも息抜きが必要です。疲れた状態で勉強し続けることは成績アップにつながりません。現代の子どもにとって、ゲームは身近にありすぎて、ゲームがない生活を想像する方が難しいでしょう。無理に禁止をしてもCMで流れたり友達が遊びに持ってきたりするので完全に遮断することは不可能です。

子どもが幼い内は親に言われれば、不満を持ったとしてもゲームを禁止できるでしょう。しかし成長するにつれそれは反発につながる可能性があります。禁止されたけどゲームがやりたい子どもはこう考えます。「ゲームをやってばれない場所、時間はどこだろう」「友達に借りようか」「親が寝ている深夜にやろう」など、親の目を盗んでやることを考え始めます。

仮に完全に禁止にできたとしても、勉強に集中出来ない、もしくは勉強をサボって他の遊びをすることに意識が向かう様になります。これでは本末転倒ですね。

また子どもの興味は多種多様です。勉強だけがダントツに出来ていても、偏った知識ではその後の社会生活に影響を及ぼすかもしれません。学生時代に人気のドラマを見ていなくて友達の会話に入れなかったという経験はありませんか?

その時代に流行している音楽やファッションなども、「興味がないから知らない」のではなく、親から情報を遮断されていた為に知らないのであれば周囲に取り残されてしまうのです。それはゲームも同様で「友達から聞いて知ったゲームをやりたい」と思っても親に反対されれば、学校での居場所を失った気持ちになるかもしれません。

親にとっては「たかがゲームで大げさな」と感じるかもしれませんが、子どもにとっては大問題です。ほどよく様々な情報や娯楽を知っておくことも社会の中で生活する上ではとても重要なことなのです。仮にそういった娯楽を取り除いて勉強させたとしても、子どもが勉強好きになるかどうかは疑問です。ストレスをためて勉強を「やらされている」環境では、その後自ら学びたいという意欲や勉強したいという気持ちを育てることは難しいでしょう。

東大生はゲームをやっていた!?

全国学力調査の結果では、平日にゲーム(パソコンや据え置き、携帯型、スマートフォンなど)を1時間以上遊ぶ人の割合は、小学生で55.1%、中学生で58.4%となっています。この比率は、スマートフォンなどの普及が進むのと比例して年々増加しています。

現役東大生に小学生のときにゲームをやっていたかを調査すると、「全くやっていなかった」は357人中43人で、やっていた中の約44%は「ゲームに関するルールはなかった」としています。ゲームとの関わり方について親と話し合ったという回答は約55%で、その結果一方的に親がルールを押し付けるのではなく子どもが主体的にゲームとの関わりを見出していた様です。

ゲームを行う場所は、全体の約65%がリビングと回答し、「ゲームの話題を通して親睦を深めた」「親の方がゲームにはまってしまった」などの意見もありました。堂々とゲームが出来るからこそ親のいるリビングで行うことができ、さらにコミュニケーションツールとしてゲームを活用する姿が伺えます。ゲーム機の所持についても、93%が据え置き・携帯型を問わず持っていた経験があると回答しています。

エピソードとしては「“逆転裁判”がきっかけで司法の道を目指している」「“信長の野望”で歴史に興味を持った」「“もじぴったん”で語彙力を強化した」「今のレベルで勝てない敵を倒したい時にレベルを上げる、弱点を探すなど対策を自ら考える行為は勉強に応用されている」などがありました。

東大出身タレントの松丸さんも「戦略ゲームで戦術を考え勝利を導く為にアイデアを出したり作戦を立てたりする力は、東大の数学試験に通じるものがあった」と語っています。「ゲームをすると頭が悪くなる」「ゲームが勉強の弊害になる」ということは一概に言えなくなってきていると言えるでしょう。

※東大新聞オンライン 2016年「ゲームに関するアンケート調査」

ゲームを行う上でのルールを決める

ゲームを一切禁止することは直接勉強にはつながらない、さらに心の健康にも影響を及ぼすということは分かりました。しかし際限なくやり過ぎた場合のゲーム依存の可能性や睡眠不足など、弊害があることも事実です。

何を行うにも大切なのは“メリハリ”です。勉強も長時間ダラダラやればいいということはありません。やる際には目的ややるべき量などを決めて集中して行うことで効果が出ますし、ゲームや娯楽についても自制心を働かせられれば時間は問題ではありません。

メリハリをつける為にはどうしたらよいのでしょうか?ゲームを行う上でのルールを決めておくことが大切です。ルールを作る上でどんなことに気を付ければいいでしょうか。

・ルールは親子で話しあって作る

やっていい時間や場所など、ルールを決めておきましょう。最終的に親が言ったルールを適用することは問題ありませんが、それを押し付けるのは厳禁です。あくまでも話し合い、本人が納得したルールを適用しましょう。

自分で守ると約束したルールは、守れるものです。意見が違う場合には「ママはこう思うけどどう思う?」などと聞いてみるのもいいですね。

・父母で共通認識を持っておく

せっかくママとルールを決めても、パパが出てきて「今日は特別にもうちょっとやっていいよ」などと言い、それをママに怒られるなんてことがあれば子どもは混乱します。夫婦で別のことを言わない様にルールは共有しておくことが大切です。

・ルールは、本人はもちろん家族全員が守る

子どもは1時間と決めたのに親はずっとゲームをしている・・・これでは子どもは納得できません。少なくとも子どもの前ではしっかりルールを守りましょう。更に兄弟についても同様です。本人がルールを守っても弟は守らず「お兄ちゃんは受験だから」などと言われてはルールを守りたい気持ちはなくなります。家族全員で共通認識を持ち、ルールを守ることが大切です。

・ルール改正のタイミングを設ける

成長につれやりたいゲームや時間は変わってくる可能性があります。ルールを改正するタイミングについても明文化しておきましょう。例えば学年が上がった、成績が上がった・下がった、夏休みが終わったなど、何かステージが変わる時がいいでしょう。

ルールを守れなかった時の対応についても、必ず最初に定めておきます。何かしらペナルティがあると、子ども自身がゲームとのつきあい方を考え自分でコントロールできる様になります。

高学年になった時、受験シーズン真っ只中になった時などは、子どもの性格に合わせて取り決めます。息抜き、リラックスが出来るからゲームもしたいという子もいますし、「ついやりたくなるから出来ない様にしてほしい」とゲームを親に持ってくる子もいるそうです。

大切なのはセルフコントロールが出来るかどうか。ゲームをしたから受験に失敗するということも、しなかったから合格するということもありません。実際ゲームが壊れるほど遊んで御三家中学に合格したという子もいます。切り替え方、集中がきちんとできるか、ということを見極めてルールを作っていきましょう。

筆者の子どもには本人の希望で入学前にゲームを与えました。1日のプレイ時間を設定し、宿題や勉強が全て終わってからというルールを決めました。当初はゲームをやりたい為に課題をこなしていることに「これでいいのか」と不安に感じることもありました。

しかし学年が上がるにつれ習い事が忙しくなり放課後の時間が短くなると、「帰宅してから早くゲームをやる為にはどうしたらいいか」と考える様になり登校前に課題をこなす様に変わってきました。ゲームが出来る時間は変わらないので、ゆとりが出来た放課後はマンガや本を読んでゆっくり過ごしています。

また、ゲームだけではなく「どうして勉強するのか」ということを定期的に親子で話したり、勉強して得た知識を話すことで学ぶ楽しさを再確認したりしています。そうすることで、ただゲームをやる為に勉強するだけではなく「この勉強が必要だからこれをやりたい」と申し出る様に変わってきました。ゲームで遊びたいことが学ぶ原動力にもなっていると感じるので、今はこれでよいと思っています。今後も話し合いながらルールを考えていくことが重要だと思っています。

ゲームをやらせるかどうかは各家庭の考え方によるものだと思います。勉強の為に禁止するという考えも、間違いではないと思います。当然、そこまでゲームに執着せず他のことに興味を向けている子も多いでしょう。大事なのは禁止する場合に無理やり実行しないということです。禁止したいが子どもが熱望している場合は、どこまでどの様に譲歩出来るかということを一緒に考えお互いが納得する道筋を作っていきたいですね。

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