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自覚症状ナシ? 流産や早産を引き起こす「子宮頚管無力症」とは

  • 2015.4.30
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【ママからのご相談】

妊娠3か月の主婦です。前回の妊婦健診で子宮頚管無力症と診断され、来月手術をすることになりました。 産婦人科の先生から、「切迫早産の危険があるため、自宅で安静にするように」と言われたのですが、とにかく不安です。子宮頚管無力症について詳しく教えてください。

●A. 子宮頚管無力症とは、陣痛のような痛みがなく子宮頚部が開いてしまう状態で、放置しておくと、胎児が分娩されてしまう恐れがあります。

ご相談ありがとうございます。健康・美容ライターのMAKIです。

妊娠だけでも期待と不安で胸がいっぱいの中、手術となるとさらにご心配になるお気持ち、お察しします。子宮頚管無力症とはどんな状態なのか、原因や対策についてご紹介したいと思います。

●子宮頚管無力症とは?

医療従事者もよく使っている医学書『メルクマニュアル』の一般向けである『メルクマニュアル医学百科 家庭版』によると、子宮頚管無力症とは、痛みが生じることなく子宮頚部が開いてしまう状態をいいます。子宮頚管無力症の状態になると、妊娠16週〜22週に胎児の分娩が起こり、流産や早産のリスクが高まります。

子宮頚管無力症の原因は、はっきりと解明されていない部分もありますが、先天的に子宮頚管の組織がもともと弱い体質であること、事故や手術などの外傷によって子宮頚部の組織が弱くなっていること、前回の妊娠・出産時に子宮頚管が裂傷を受けてしまったことなどが考えられます。

●自覚症状はあるの? 診断基準は?

医学的な定義では無症状とありますが、産婦人科医師によると下腹部の痛みや、多量のおりものが見られることがあるようです。

子宮頚管無力症は原因がはっきりしていないこと、自覚症状に乏しいこともあり、日本産婦人科学会の見解でも診断基準が確定的ではないとされていますが、現段階では妊婦健診において子宮口の開きや子宮頚管の長さを毎回チェックし、子宮頚管無力症が疑われる場合(超音波検査で2cm未満だと危険と見なされる)は産婦人科医師の指示の下、対応策が取られることになります。

●子宮頚管無力症と診断されたら?

子宮頚管無力症の恐れがあると診断された場合、妊娠12週以降のなるべく早い段階で、流産・早産を予防する目的で子宮頸管縫縮術(子宮口の補強)を行います。全身麻酔あるいは腰椎麻酔を行い、膣から器具を挿入する手術で、医療機関にもよりますが2泊3日程度の入院が必要となります。縫合した部分については、出産前に抜糸する場合が多いとされています。

子宮頚管無力症という病名を聞くと、驚くだけでなく自分を責めてしまうママも多いのですが、原因がはっきりしていないことも多く、手術により防げるものですので、母体と赤ちゃんの健康を守る上でも、あまり気にしすぎないようにすることが大切です。

【参考リンク】

・頸管無力症 | メルクマニュアル医学百科 家庭版

●ライター/MAKI(健康・美容ライター)

患者さんと直接対面して接客する機会の多い職場を希望し、調剤薬局やドラッグストアで薬剤師として勤務。大手化粧品会社の勉強会などにも積極的に参加し、美容分野の知識を深める。結婚を機に退職。単なる職場復帰とは違う新しい働き方を模索し、現在は育児のかたわら、資格や経験を活かしてフリーのママライターとして活動中。医療・美容分野だけにこだわらず、様々なジャンルのコラムも執筆する。

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