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〈Ace Hotel〉が京都にやってきた!世界中の旅人の好奇心と感性を刺激するホテルが、アジアに初進出。

  • 2020.7.9

2018年春、彼らが日本に上陸することが発表されたとき、 驚いたのはその場所だった。東京ではなく、京都。 ここに日本のみならずアジア初となる〈Ace Hotel〉をつくる。 そう彼らが決めた理由は、ごくシンプル。「京都は“カルチャーキャピタル”だったから」。今回はオープンしたばかりの〈エースホテル〉をご紹介します。

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地元のミュージシャンやアーティストを中心に、「泊まりたい」はもとより、 「過ごしたい」“場所”として、熱烈なファンを生み出してきた〈Ace Hotel〉。その秘密は、誰にでも開かれたパブリックスペースの“空気感”だ。
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1.5階のDJブース。鈍い輝きを放つ銅製のブースは、富山の〈能作〉に特注。イベントが多く開催されるスペースとなる。

誰だってウェルカム。〈エースホテル〉らしさを最も象徴する場所といえば、まるでそう出迎えられているように開かれたパブリックスペースだろう。宿泊客でなくとも、ロビーでPCを開いて仕事をしたっていいし、コーヒーだけを買いにふらっと立ち寄ったっていい。週末の夜、ラウンジに音を聞きに訪れる人がいても構わない。誰もが"マイフェイバリット〞な場所で、思い思いの時間を過ごす。〈エースホテル〉ではおなじみの光景だ。

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“ストリートフード”の人気メニュー、タコスを独創的にアレンジしたメニューを楽しめる〈PIOPIKO〉。天井が高い空間で居心地抜群。
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エントランスに入ってすぐ目を奪われる、色鮮やかな布を重ねたアートワーク。「しょうぶ学園」の生徒によるもの。

だが、ときに排他的といわれる京都において、その精神は相反するのでは?なんて邪推したのも一瞬。〈エースホテル 京都〉もほかの都市同様、パブリックスペースの開放感は抜群。むしろ特筆すべきは、その〝大箱感〞だ。

1階のロビーフロアにはコーヒーショップ〈StumptownCoffee Roasters〉、1・5〜2階にはタコラウンジの〈PIOPIKO〉、そして3階にはテラス席のあるイタリアンアメリカン〈Mr.Maurice's Italian〉。ロビーを含め、ざっと席数だけを合計しても300席を優に超える。つまり、どこに身を置くかで、毎回違う驚きと発見があるということだ。歴史はまだ始まったばかり。まずは、自分だけの"マイフェイバリット〞な場所を見つけに行こう。

ここでしか体験できない東と西が出会う場所。

クリエイターの作品があふれる独創的なデザインも魅力のひとつ。宿泊ゲストだけが楽しめる客室の中をのぞいてみると…。そこには思わず“くすり”と笑みがこぼれる仕掛けがいっぱい!

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市松模様の襖で仕切られたベッドルームとリビング。旧京都中央電話局の窓枠をそのまま使用している部屋もある。
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フィンガー5、ビージーズと各部屋ごとのユニークなレコードセレクション。

〈エースホテル京都〉は、旧京都中央電話局を再開発した〈新風館〉の中にあるという成り立ちもユニーク。建築デザイン監修は隈研吾氏、内装デザインはロサンゼルスやシカゴの〈エースホテル〉を手掛けたコミュ―ン・デザインが担当。「EastMeetsWest」というデザインコンセプト通り、日本の意匠と西洋のテイストがバランスよく調和されている。

全部で213室の客室は中庭を取り囲むように配され、旧館の窓枠をそのまま引き継いだ「エーススイート」(写真)など、建物が重ねてきた歴史を随所に感じさせる部分も。また、部屋によっては〈エースホテル〉に欠かせない音楽の要素として、レコードプレーヤーやギターが設置されている点も注目だ。

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シンプルながらも全体はカジュアルな雰囲気にまとめられている。

〈ミナペルホネン〉のカーテン、染色工芸家・柚木沙弥郎氏のアートワークなど、各部屋ごとの個性を作り出す、選りすぐりのアイテムが並ぶ。それらをひとり占めして、じっくり眺めて過ごせるのは、宿泊ゲストだけの特権だ。うれしいのは、少し背伸びをすれば宿泊できるプライスゾーン。客室はすべて30m²以上を保ちながら、ミニマムで1室3万円台からステイできる。感性を磨く京都旅と思えば、投資するだけの価値はきっとある。

自宅に戻ったあとも余韻を残す旅の思い出。

世界中のクリエイターが触発されるのは、客室の隅々にまで貫かれた“エースらしさ”の数々。目に入るもの、触るもの、そのすべてをひも解いてみたら、そこには人による“手仕事”があった。

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ソープディッシュのほっこりしたイラス トは、「しょうぶ学園」の生徒によるもの。
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バスルームのアメニティは〈uka〉のプロダクツ。完全オリジナルだ。
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各部屋のミニバー横のスナ ック。定番の味からご当地フレーバーまでそろう多彩 なセレクト。

始まりは、1999年。シアトルの北側に隣接し、再開発によって生まれ変わったベルタウンという街で〈エースホテル〉は産声を上げた。以来、ロサンゼルス、ニューヨーク、ロンドンなど世界に全ホテルを展開。宿泊や飲食だけでなく、デザイン・音楽イベントまで、文字通り人々の〝ライフスタイル〟に密接した新しいホテルとして、世界中にファンを増やしてきた。現在までの約20年間に、それこそインテリアからデザインまで、〝エース風〟なホテルは数多く誕生してきたけれど、やはり本物は別格。それもそのはず。各地の〈エースホテル〉ごとに、〝カルチュラルエンジニア〟と呼ばれるブランディング専任の担当者が常駐。〝その土地らしさをもつエースらしさ〟を追求し、イベントや情報発信を行っている。その結果、館内の隅々にまで、独自の世界観が貫かれることとなり、ゲストは日常を忘れてどっぷり浸ることができるのだ。

〈エースホテル京都〉も然り。ホテルロゴを筆頭に部屋番号を示すサインほか、館内で使用されるフォントはすべて柚木沙弥郎氏によるもの。こなれたカジュアルな雰囲気の中に、どこか素朴な愛らしさが漂う。ちりばめられた〝手仕事〟を、発見する喜びもここに。

〈Ace Hotel Kyoto(エースホテル京都)〉

地下鉄「烏丸御池」駅直結。
京都府京都市中京区姉小路通東洞院西入車屋町245-2
075-229-9000
「スタンダードキング」1泊1室30,000円〜(税サ別)
全213室

(Hanako特別編集『Hanako TRIP 今、泊まりたいのはライフスタイルホテル。』/photo:Yoshiko Watanabe text&edit:Yoshie Chokki)

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