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郊外エリアへの移住って、実際どうなの?湘南エリア、地域に根ざした不動産屋さんに聞いてみました

  • 2020.7.4

都心から離れ、郊外に移住する人が増えてきているって聞くけど、実際のところどうなんだろう。

そんな疑問がふとわきました。

こうした流れは、新型コロナウイルスの影響でテレワークの推進が一気に進み、通勤時間を考える必要がなくなった人が増加していることと深いつながりがあるのだと思います。

でも、実際に移住をする人は本当に増えているのか。そんな郊外エリアのお部屋探しの現状教えてもらうべく、湘南エリアに拠点を構え、不動産管理業を営むユーミーClassの下山太郎さんにお話を伺ってみました。

真剣に移住を検討している人が増えている

ーコロナの以前、以後で、お客様の層、求めるニーズに変化はあったのでしょうか

コロナ以後、ありがたいことにお問合せが急増しまして。前年の2倍以上のご連絡をいただきました。これは前例がないことなので、私たちも本当に驚いています。

このエリア(主にJR東海道本線の藤沢~平塚のあたり)は、普段は3,4月に一旦お部屋探しのピークが落ち着き、その後梅雨の終わりから夏にかけてまたゆるやかに加速していく傾向があります。でも今回は5.6月頃にはすでにたくさんのお問合せをいただきました。

主に20代~30代の方で、一人暮らしの方からご連絡をいただくことが多く、とりわけJRの線路をまたいで、あえて「海側」に限定して探される方が多かったことも印象的です。

海まで歩いて徒歩10分。鵠沼海岸駅近くのワンルームタイプのお部屋。ロフト付きなので、想像以上に広く使える間取りが魅力。

会社がリモートワークを積極的に推進していることもあり、週に数回だけ都心に通えば良くなったので、都心との程よい距離感を維持できる湘南エリアは、魅力的なのかもしれませんね。身軽な単身者の方のほうが、そのあたりのフットワークは軽いのでしょう。

また、これまではお問合せをいただき、お部屋の空き状況や初期費用の総額を尋ねてそのままご連絡がとれなくなってしまう方も正直多かったんです。でも今回ばかりは、現地までいらっしゃって、周辺環境を実際に見たり、気になるお部屋を何件も内覧をされたりするなど、具体的かつ真剣に移住を検討されている方が多かったこともこれまでにはなかったことでした。

都心と同じ賃料で、より広い部屋に

ーどんなタイプの間取りが人気なのでしょう

一人暮らしの方は、ワンルーム、しかもリビングが広めのお部屋を選択される方が多かったです。都心の価格と同じくらいか、より安い家賃で広い部屋に住めるというのは、都心から来られる方からの人気のポイントの一つです。

こちらのお部屋は1LDKの間取りですが、賃料は都内のワンルームとほぼ変わりがありません。場所を変えるだけで、これほど違いがあるのかと驚きました。

また、子育て世帯のファミリーや、これからお子様が生まれる予定のご夫婦などは、1LDKや2LDKを希望して移り住んで来られます。都心ではコロナ禍であまり公園などで遊ばせられなかったと聞きますから、ファミリーの方の移住も少しずつ増えてきている印象です。

大きな遊具や、動物のふれあい広場などもある、平塚市総合公園。

湘南エリアには大きな公園や、山、海がありますので、ソーシャルディスタンスをあまり過度に気にすることなく、のびのびと過ごせます。子育て世帯の方にも安心して暮らすことができる街ですね。

湘南エリアにはサーフィンを楽しむ方が多いため、屋外にシャワーが完備された物件が多いのも特徴。

家賃の相場は、ワンルーム・築古・海側のお部屋で、約5,5万円。茅ケ崎・藤沢などの、より都心へのアクセスが良い海側エリアは、6万~7万円くらいでしょうか。1LDKでも築古であれば6万円~8.5万円程度で借りられる物件も多くあります。

やはりニーズやブランド力があるので、海側のエリアのほうが家賃は高いですね。山側のエリアで探せば、もう少し選択肢が増えますよ。

ライフスタイルを充実させたい、フリーランスの移住が加速している

ー仕事の息抜きに海で散歩をすることのできる湘南エリアは本当に魅力的だなぁと感じます。

毎朝海辺をランニングしたり、サーフィンをしたりしてから1日が始まり、シャワーを浴びて仕事を始める……。ここには、そんな生活をしている人が多くいます。

また海沿いのカフェは年中やっているので、そこで珈琲を飲むことが日課になっている、なんて人も。

茅ケ崎の海沿いに「サザンビーチカフェ」という人気のカフェレストランがあるのですが、朝からそこでパソコンを広げて仕事前のメールチェックをしている、なんて姿もよく見かけますね。

海沿いの「サザンビーチカフェ」。ここには自粛期間中も多くの人が、ソーシャルディスタンスを保ちながら、思い思いの時間を過ごしていらっしゃったとか。

地元に住む常連さんが多いので挨拶しあう様子もよく見ます。

また、最近ではコワーキングスペースも増えてきていますね。東京の有名ITベンチャー企業に勤めていた方が独立し、このあたりに移住をしてきているんですよ。そうした人たちが、集まる場をつくることが多くなってきているので、これからもさらに増えていくのではないでしょうか。

こうした場所では横のつながりができやすいので、すぐに街や人となじめるようになるはず。息抜きや気分転換できる場所は、海だけでなくたくさんあるんですよ。

さらに、これは肌感覚ですがフリーランスでパソコンひとつあれば仕事がどこでもできるような方々が湘南に流れてきていると感じます。今年の秋頃には、当社が管理するマンション「たかすなヴィレッジ」の空き地にもコワーキングスペースを開設する予定です。

リノベーションされたファミリー向けマンションの敷地内には、カフェやイベントスペースなど、暮らしに寄り添う施設が充実しています。

仕事も、ライフスタイルも充実させたい、というニーズを持った方々に様々な仕掛けでサポートが出来たらよいなぁと考えています。

人も、街も、ギスギスしていない

ーコロナ禍ならではの、湘南エリアの魅力ってどんなことがいえるでしょう

2つあります。一つはやっぱり「自然環境が豊かなこと」

季節関係なく、自然と向き合うことができます。山も海もあり、どこに行っても空がとても広い。朝日や夕日もとっても素敵ですよ。

またランニングやサイクリング、サーフィン、スケートボードなど、季節を問わずに海沿いで愉しめるスポーツもたくさんあるので、オンオフの切り替えを上手にされている方が多いですね。

2つ目は「住んでいる人たちの気さくな人柄・コミュニティ」でしょうか。

このあたりは都心からの移住者も多いので、よそ者が来てもすぐになじめる環境が整っていると感じます。特に海側に住んでいる方は、コミュニケーションをとるのが好きな方が多いですね。サーフィンや、夜の飲み屋などでの交流を通じて、きっとあっという間に街になじんでしまう方も多いでしょう。

街中でも、店員さんと談笑するこうした光景をよく見ます。

湘南エリアはおおらかな人柄の方が多いんですよね。それは豊かな自然とのんびりした雰囲気がそうさせているのかもしれません。

今年の4,5月もこのあたりはそこまでストレスを抱えるような緊迫感はなかったんです。人口密度が高いエリアではないので、買い物はささっと済ませてすぐに家に帰ったり、人がいないような場所で過ごしたり、庭で家族だけでバーベキューをしたり。

意外とみんな上手に過ごしている人が多かったような気がします。

また、サーフィン仲間やよく行くカフェなど、どこかコミュニティに属していれば、話す人がいなくて寂しい、ということもありません。もし一人だったとしても、山や海などの自然に触れれば、気を紛らわせることができるのが、湘南の魅力でしょうね。

*

これまでも海沿いの暮らしに憧れを持っていた方は多いと思います。けれども、都心への通勤時間などを考えると、どうしても前に進めなかった方も多いはず。

自分が本当にしたい暮らしを改めて考えた時に、それがもし湘南の魅力と合致したのなら。一度休みの日にその空気を実際に感じてみるのもいいかもしれません。

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