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式年遷宮を迎える「上賀茂神社」と雅の祭り「葵祭」

  • 2015.4.28
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京都最古の神社のひとつ「上賀茂神社」は今年、第42回目の式年遷宮を迎えます。記念すべき年に厳かなる本殿を参拝し、5月に行われる雅の祭り「葵祭」を見学してみましょう。

古代豪族「賀茂氏」によって創建された古き社

京都の北、賀茂川の上流に鎮座する上賀茂神社は、正しくは「賀茂別雷神社(かもわけいかづちじんじゃ)」といい、京都最古の歴史を誇る神社のひとつです。神代の昔、神社の北北西にある神山(こうやま)に祭神・賀茂別雷大神(かもわけいかづちのおおかみ)が降臨し、678(天武7)年、古代豪族・賀茂氏によって現在の社殿のもとが造営されたと伝えられています。あらゆる災難を除く厄除けや、平安京の鬼門(北東)守護神として崇められたことから方除けのご利益でも信仰を集めています。

奈良時代から脈々と続く「式年遷宮」の習わし

そんな歴史ある上賀茂神社では、今年10月に奈良時代から続く伝統行事「式年遷宮」が執り行われます。式年遷宮とは、祭神に新しく清浄な社殿へ定期的に移ってもらう儀式で、今回で42回目を迎えます。江戸時代までは社殿を造り替えていましたが、現在は社殿の多くが国宝、重要文化財に指定されているため、修復を行うことで遷宮としています。昨年6月に修理前の本殿から権殿に祭神を移し、今年10月に権殿から修理を終えた本殿に祭神を戻す「正遷宮(しょうせんぐう)」が行われます。脈々と続く伝統神事を今秋に控え、神社では様々な準備が進められています。

〇上賀茂神社 第42回式年遷宮

平成27年10月中旬(詳細は未定)

疾走する馬に五穀豊穣を願う「賀茂競馬会」

京都三大祭のひとつ「葵祭」は毎年5月に行われる賀茂社(上賀茂神社・下鴨神社の総称)の祭礼で、正しくは「賀茂祭」と呼ばれ、祭りに関わる人びとや牛車にご神紋の双葉葵を飾ることから通称「葵祭」と呼ばれています。その歴史は古く、6世紀に風水害で国内が凶作に見舞われた際、占いによって賀茂の神様の祟りであることが分かったことから、葵を飾り、馬に鈴を付けて走らせて五穀豊穣を願ったことに始まります。

現在は、5月15日に京都御所から賀茂社へと練り歩く雅な行列(路頭の儀)に加え、その前儀として上賀茂神社、下鴨神社では様々な神事が行われます。

そのひとつが上賀茂神社で毎年5月5日に執り行われる「賀茂競馬会(かもくらべうまえ)」です。 平安時代、宮中の女房が「菖蒲(しょうぶ)の根合わせ」という根の長さを競う遊びを行った際、賀茂の神様に勝利を祈願し、見事に勝ったお礼として競馬を奉納したことが起こりとされる伝統神事です。

馬の乗尻(のりじり:騎手)は、赤い装束の左方(さかた)と、黒い装束の右方(うかた)とに分かれ、2頭の馬が1馬身ほどの差を付けてスタートします。全力で馬を走らせて、2頭の差が大きくなるか小さくなるかによって勝敗が決まります。観客は歓声とともに、目の前で繰り広げられる迫力満点の真剣勝負を楽しみます。

〇 賀茂競馬会

[日時] 5月5日 競馬開始14:00~ 雨天決行

[料金] 見学自由、有料席500円(芝生席)、1000円(テント席・パンフレット付き)

深紫のカキツバタが彩る花名所「大田神社」

上賀茂神社から東へ約10分歩いたところに、上賀茂神社の境外摂社「大田神社」があります。

境内の「大田の沢」にはカキツバタの野生群落があり国の天然記念物にも指定されています。平安時代の歌人・藤原俊成の歌にも詠まれていて、当時からすでに有名であったことがわかります。毎年5月上旬から中旬の開花シーズンには深紫の花の姿をひと目見ようと大勢の参拝者でにぎわいます。

神山(こうやま)や 大田の沢の かきつばた ふかきたのみは 色にみゆらむ - 藤原俊成 -

〇大田神社(おおたじんじゃ)

[所] 京都市北区上賀茂本山340

[TEL] 075-781-0011

[時間] 9:00~17:00

[料金] カキツバタ育成協力金300円

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