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お風呂は、毎日入らなくていいんです!【3児ママ小児科医のラクになる育児】

  • 2020.6.29

こんにちは、小児科医の保田典子です。私生活では8歳、6歳、4歳の子育て中です。今回は、お風呂の話です。赤ちゃんの沐浴から幼児の入浴まで、お風呂は育児のなかで大変なもののひとつかもしれません。

「沐浴は毎日させましょう」と指導はありますが、果たして本当にそうなんでしょうか? 海外の育児事情なども織り交ぜてお話ししたいと思います。

生まれてから1カ月間、沐浴しないこともある!

以前、中国出身の方が「赤ちゃんは生まれてから1カ月は入浴(沐浴)しないで拭くだけにする」という習慣を教えてくれました。中国は広いので、中国全土その習慣ではないかもしれませんが、1カ月健診で顔を見せてくれたその赤ちゃんは、湿疹ひとつないとてもきれいな皮膚でした。匂いも臭さなどはまったくなく、「これはこれでアリなんだ」と印象に残った経験があります。


病院のNICUや新生児室でも、以前は出生後すぐ沐浴し、その後毎日沐浴というのがスタンダードでした。しかし今は、出生後すぐの沐浴は体温低下のリスクもあることから、血液などを拭きとるだけで、その後退院までに1~2回沐浴する「ドライケア」を導入する施設が多くなっています。

肌トラブルの原因、大きく分けるとこの4つ

お風呂やシャワーは1日についた汚れや汗を洗い流す作用があります。
肌トラブルの原因は、大きく分けて4つあります。


①汚れ(汗、うんち、食べ物など)
②石けんのすすぎ不足(汚れによる肌荒れと同じ)
③皮脂の取りすぎ(洗いすぎ)
④保湿剤不足(皮膚のバリア機能の低下)

つまり、お風呂に入っても入らなくても、上記の原因が取り除ければいいわけです。

私もよく「沐浴スキップ」してました

私は産後の肥立ちが悪かったのもあり、体がつらい時は沐浴をスキップしていましたし、子どもが大きくなっても体調がつらいときや疲れているときは、冬場のお風呂やシャワーはお休みしたりしています。

ただ、陰部はなんとなく洗わないと自分も気持ち悪い感じがするので、おしりまわりだけはささっと洗ったりで済ませたりしました。

海外では、毎日シャワーはするけど、シャンプーは毎日しないという習慣のところもあります(シャワーすら毎日入らない国も多いですが、子どもでは少なさそうです)。
皮膚トラブルをかんがみて、日々の清潔方法を選択すればいいのではないでしょうか。

子どもが汗びっしょり!そんなときは?

ちなみに、夏場は子どもは特に汗をよくかくので、必要であればシャワーは1日2~3回入って汗を流してあげると、あせも予防になるかもしれません。ただ、皮脂の取りすぎも湿疹の原因になるので、石けん(ボディソープも含めて)は1日1回までが良いでしょう。

お風呂には「別のメリット」もあります

湯船に入るのは、体をきれいにするというメリットの他にもいいことがあります。
温かいお湯に浸かると、血管が開いて体が温まります。水圧によって循環が良くなったり、自律神経を整えてくれる作用もあります。


夜、お風呂で温まった体が入浴後冷えてくると、自然な眠りを誘ってくれるため、入眠にも良い効果があるんですよ。

お風呂の効果を理解して、ストレスのない生活リズムを!

ママの体調が悪かったり疲れていたりするときって、ありますよね。そんなとき、子どもをお風呂に入れるのが大変だったら、無理して毎日入れる必要はないですよ。

これはどの年齢の人にも言えることなので、皮膚トラブルの原因を考えてみて、特に問題なければ、お風呂はスキップしても全然問題ありません。


お風呂はメリットもいっぱいあるので、「あぁ…お風呂に入れなきゃ……」と思わず、入浴できるときにお風呂タイムを楽しめるといいのかなと思います。


著者:医師 医療法人アドベンチスト会東京衛生病院 小児科医師 保田典子 先生

医療法人アドベンチスト会東京衛生病院 小児科医師。株式会社メドイース 代表取締役。2003年筑波大学医学部卒業、国立国際医療センター、大阪市立総合医療センター小児循環器内科勤務を経て、2014年東京女子医科大学大学院博士課程修了後現職。小児科専門医。一般診療、小児循環器診療に加えて、漢方治療や発達相談にも対応している。

ベビーカレンダー編集部

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