1. トップ
  2. 偉大な女王もひとりの恋する乙女だった!

偉大な女王もひとりの恋する乙女だった!

  • 2020.6.28

今年94歳を迎え、イギリス史上最長在位・最高齢の君主となった女王エリザベス2世。激動の時代を生きた彼女の半生をプレイバック。

undefined
25ans Wedding

ネットフリックスで人気のドラマシリーズ『ザ・クラウン』は、若くして即位したエリザベス女王の闘いの半生を描いたもの。その闘いは、女王になる以前から続いていたのだとか。

夫となるフィリップ殿下とは遠戚関係にあったものの、1947年の結婚に至るまでの道のりは、平坦ではなかったそう。

undefined
25ans Wedding

エリザベスが初めてフィリップ殿下と出会ったのは、両親とともにダートマスの海軍兵学校を訪れた13歳のとき。その際、彼女をエスコートした18歳の青年将校こそ、映画スターにも劣らぬハンサムボーイと言われた、ギリシャ王子フィリップだったのだとか。ふたりはすぐに手紙をやりとりするようになり、エリザベスはベッド脇に彼の写真を飾っていたそう。

undefined
25ans Wedding

ふたりはともにヴィクトリア女王の玄孫に当たる関係。ところが、エリザベスが何不自由ない家庭で育ったのに 対し、フィリップはほぼ無一文で、両親からも長らく顧みられていない状態。

フィリップの家系は元々デンマーク出身で、叔父のギリシャ国王コンスタンティノス1世がクーデターによって退位するまではギリシャを支配。その後は一家でギリシャを脱出、二度と戻ることはなかったのだとか。後に、フィリップの母親は精神を病み、父親は彼女を置いてフランスで愛人と生活。フィリップ自身は、寄宿学校で育ったそう。

undefined
25ans Wedding

海軍将校としてのフィリップは、地中海や極東で勇敢に活躍。手紙や時折のデートを通して、エリザベスと愛を育み、1946年に求婚。彼女はイエスと即答したものの、そこで、ふたりの前に障害がたちはだかったのとか。

エリザベスの父、ジョージ6世は、まだ20歳にもならない娘の婚約は時期尚早と反対。フィリップに対する不満の声も多数あったそう。誰もが彼を「ブロンドヘアのギリシャのアポロ」「バイキング」「映画スターなみのハンサム」などと褒め称えた一方で、「粗野」「傲慢」「文無し」などの非難も。中でももっとも問題になったのは、彼が「非常にドイツ寄り」だったこと。

undefined
25ans Wedding

フィリップはシュレースヴィヒ=ホルシュタイン=ゾンダーブルク=グリュックスブルク家出身。若い頃はイギリスの親戚に面倒を見てもらっていたものの、彼の4人の姉たちは皆ドイツの王族と結婚。義兄弟のうちの3人がナチスに関わっていたそうで、エリザベスの母親はフィリップを婿に迎えることを快く思わず、内輪では「あのフン族(ドイツ人の蔑称)」と呼んでいたそう。

undefined
25ans Wedding

それでも、エリザベスの気持ちは変わらず、両親も遂に折れた様子。そして1947年1月、王と女王は娘の婚約を発表。フィリップはイギリス国民となり、姓を「マウントバッテン」に変更。結婚直前にエディンバラ公の称号を得ることに 。

undefined
25ans Wedding

もっとも、国民はこの結婚を憂慮。ある新聞によると、読者の40%が結婚に反対と答えたのだとか。

でも、魅力的なカップルのロマンスは次第に国民のハートをつかみ、結婚式の日取りも決まって、あとはお金の問題だけに。当時、イギリスではまだ食糧の配給が行われており、ガソリンや煙草、紙の輸入が制限されていたのだとか。

undefined
25ans Wedding

そのため、結婚式はとても簡素なものに。政府はエリザベスに衣服配給券を200枚渡すだけにとどめるなど、このロイヤルウエディングにつけられた名前は「緊縮婚」。

それでも、美しいアイボリーのシルクドレスには何千個ものパールがあしらわれ、4mほどの星の模様のトレーンもつけられたそう 。一説によると、このドレスは、1482年のボッティチェリの絵にインスパイアされたものだったのだとか。

undefined
25ans Wedding

緊縮要請を忠実に守ったのは、フィリップ。常に服装にかまわず、節約を好んだ彼は、海軍の制服にくたびれた靴下で結婚式に臨んだそう。

ところが、セレモニーに向かう途中、あるハプニングが。花嫁エリザベスのダイアモンドティアラの一部がボキっと折れてしまったのだそう! 花嫁の母(クイーンマザー)は周囲をなだめ、すぐにお抱えの宝石職人に修理を依頼。クイーンマザーの「すぐに直りますよ」との言葉は本当で、その後まったく問題なく、エリザベスはティアラをまとって式場のウェストミンスター寺院へ。そしてバッキンガム宮殿のウエディング・ブレックファストに向かった花嫁と花婿は、見るからに幸せに満ちていたそうです。

Photo/getty 翻訳/mayuko akimoto From GOOD HOUSEKEEPING

元記事で読む
の記事をもっとみる