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自宅だからこその没入感。あのSCRAPが手がけるオンライン版リアル脱出ゲーム

  • 2020.6.27
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オンライン上で様々なエンターテイメントが展開されている昨今、にわかに注目を集めているのが、これまで街中で遊ぶものと思われていた「脱出ゲーム」だ。コロナ禍で生まれたエンタメだが、確実にその存在感を増しており、一ジャンルとして確立しそうな勢いだという。脱出ゲームや謎解きブームの先駆け的存在で、多くの人気ゲームを生み出しているSCRAPに話を聞き、オンラインのために作られたという最新作を紹介してもらった。

ここ数年、子供から大人までを夢中にさせている「謎解き」や「脱出ゲーム」。まだやったことがない人でも、たとえば東京メトロで開催されていた「地下謎への招待状」など、街中で行われているイベントを見かけたことがあるのではないだろうか。この東京メトロとのコラボをはじめ、様々な「リアル脱出ゲーム」を世に送り出しているのがSCRAPだ。

©SCRAPHarumari Inc.

「リアル脱出ゲーム」は、2004年に発表された「クリムゾンルーム」というネットの無料ゲームを発端に盛り上がった脱出ゲームのフォーマットを、現実世界に移し替えた遊びである。友人など複数人で参加ができ、チームワークが試されるので、他にはない達成感が得られると、日本だけでなく上海やサンフランシスコなど、世界中で人気を集める体験型エンターテイメントだ。

©SCRAPHarumari Inc.

これまでの脱出ゲームといえば、マンションの一室や廃校、そして東京ドームや六本木ヒルズなどで開催されており、動き回ることが前提だった。それがこのコロナ禍で、家の中でも十分楽しめるような「オンライン」版となっているのである。ゲームは会場にいるスタッフと、Zoomなどビデオ通話サービスを通じてコミュニケーションをとりながら楽しめるもので、遠方の仲間とも一緒に遊べると好評だという。

©SCRAPHarumari Inc.

「会場にいるスタッフとコミュニケーションをとりながら謎解きを進める『リモート公演』は、イベントがなかなか開催されず、エンターテインメントに飢えていた方々に一気に話題になりました。最初からリモート仕様だったのではないか?と思うクオリティの様々な公演で、みなさまには本当に楽しんでいただけましたが、その性質上チケットの枚数をたくさんご用意できず、参加できなかった方も多かったのを心苦しく思っておりました。そして、オンラインで遊ぶことを前提に作られた新作が必要だ、と強く感じて新作の制作をいたしました」(SCRAP担当者)

その、オンラインで遊ぶために作られた完全新作が、6月25日に公開されたばかりの「封鎖された人狼村からの脱出」だ。2〜3名で一緒に参加でき、想定プレイ時間は120分とのことなので、友人や会社の仲間とともにたっぷり遊ぶことができる。気になるストーリーを一部、紹介しよう。

昼は人間の姿で村人にまぎれ、夜は狼となって人を襲う怪物、人狼。
ある朝、村はずれで血まみれの遺体が見つかった。
「この中の誰が人狼なんだ?」

「それぞれの自宅から水晶玉を通じて話し合う」、そして人狼がいるということで「外出を禁止されている」という、今の私たちの状況にも似た内容。SCRAPの加藤隆生代表も、「今しか作れないゲームだっただろう。今作るべきゲームを作ることができた」と語る、自信作だ。

©SCRAPHarumari Inc.

とはいえ、リアルで体験することが前提だったゲームをオンラインに落とし込むことに苦労はなかったのだろうか。この新作を担当したSCRAPのメインディレクター・山本渉さんに話を聞いた。

「会場で起きるリアル脱出ゲームの熱狂や、リアル感を、どうすればそのままオンラインに落とし込めるのか頭を悩ませました。そのリアル感の演出のために、実際の役者さんが登場するドラマ仕立ての動画を観ながら謎を解く、というゲームを制作しました」

そして山本さんは、オンラインだからこそ楽しめる世界観を堪能してほしいと話す。

「今回の舞台は、人狼に襲われた村の村人の1人である、あなたの自宅です。『自宅にいながら世界を救う』という体験ができるのは、オンラインならではです!また、1つのWebサイトを中心に謎を解くのですが、印刷をしたり、何かを書き写したりといったストレスを極力排除しました。チケットを買えば何の準備もなく遊べることも特徴です」

大人も楽しめるエンターテイメントとして存在感を増してきた「リアル脱出ゲーム」。自分の今のシチュエーションにはまるストーリーと、オンラインの特性を生かしたつくりで、より一層没入して楽しめそうだ。普段とは違う楽しみを探している人、刺激が欲しい人は、プレイしてみてはいかがだろう。

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