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発酵文化が育まれる秋田で味噌醤油の醸造元が営むカフェ

  • 2020.6.22
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秋田県湯沢市にある「ヤマモ味噌醤油醸造元」は、150年以上続く老舗醸造元。和と洋が融合したモダンなカフェで味噌や醤油を生かしたスイーツやランチを味わえるほか、杉樽が並ぶ醸造蔵の見学ができます。モダンなパッケージの醤油や味噌は、お取り寄せもおすすめですよ。

発酵文化が育まれる秋田で味噌醤油の醸造元が営むカフェ
発酵文化が育まれる秋田で味噌醤油の醸造元が営むカフェ
重厚な建屋に広がるアートなカフェ空間
発酵文化が育まれる秋田で味噌醤油の醸造元が営むカフェ
シャンデリアはイタリアのデザイナー、ジノ・サルファッティのもの

秋田県南部の横手盆地に位置する湯沢市は、日本有数の米どころ。古くから米麹を使った発酵食づくりの文化が育まれ、味噌や醤油、日本酒の醸造元が今も多いエリアです。

JR下湯沢駅から徒歩で15分ほどの岩崎地区に、「ヤマモ味噌醤油醸造元」はあります。古い町家や蔵が残る街並みのなかで、重厚な蔵造りの建物がひときわ目をひきます。

発酵文化が育まれる秋田で味噌醤油の醸造元が営むカフェ
仕込み水である皆瀬川の伏流水が流れる回遊式庭園を眺めるカフェ

中へ入ると純和風のイメージは一転。1930年代の英国アンティーク家具を設えた空間に、シャンデリアが輝くカフェスペースが広がります。ガラス越しには清流が流れる日本庭園を眺められ、和と洋が美しく交錯しています。

7代目として醸造元を代表する髙橋泰さんは、伝統を守りつつも、アートやカフェといった醸造とは異なるコンテンツを組み合わせた新しいスタイルを発信。昔ながらの「醸造元」のイメージを覆すアーティスティックな感覚を、カフェの空間やメニュー、味噌・醤油の商品パッケージに取り入れています。

蔵付き酵母を生かしたカフェメニュー
発酵文化が育まれる秋田で味噌醤油の醸造元が営むカフェ
「YAMAMO SOY GELATO」(660円)。蔵付き酵母は「Viamver(ヴィアンヴァー)」と名付けられ、特許出願中

カフェのメニューには、「ヤマモ味噌醤油醸造元」の味噌と醤油を使っているだけではなく、蔵で近年新たに発見された酵母も生かされています。この蔵付き酵母は、業界外の菌や製法を取り入れ、10年間試験醸造した製品から発見された貴重なもの。メニューに取り入れることで日本酒のような吟醸香や旨みが加わり、より複雑な味わいを生み出しています。

人気メニュー、4種類のナッツとプラリネが練り込まれたジェラートのソースにも、この酵母の発酵液が使われています。とろりとかかった味噌と醤油のソースをひと口含めば、華やかな香りがふわり。甘さとしょっぱさ、そして香ばしさと酵母の旨みが折り重なった、奥行きのある味わいです。

発酵文化が育まれる秋田で味噌醤油の醸造元が営むカフェ
コースで提供される「FERMENTED RAMB GRILLE」

しっかり食べたいときは、予約制のランチコースがおすすめ。フレンチを思わせる本格的なメニューが用意されています。

酵母で発酵させたラム肉をオイルに漬け、低温調理した「FERMENTED RAMB GRILLE」は、コース(2420円)メニューのひとつ。仕上げに表面を炙り焼きにすることで、香ばしさをプラス。ベリーソースの酸味が、発酵によって増したラム肉の旨みをさらに引き立てます。

コースのほか、単品で味噌醤油の仕込用天日塩をベースにしたフォーといったメニューも用意されています。酵母がスープに使われた滋味深い味わいのメニューです。

麹を見守る蔵人の営みを知る、ファクトリーツアー
発酵文化が育まれる秋田で味噌醤油の醸造元が営むカフェ
もろみ蔵の杉樽は入り口よりも大きく、職人が蔵内部で組み立てたことがわかる

「ヤマモ味噌醤油醸造元」では、予約制のファクトリーツアーを実施しています。

案内とともに屋号が描かれたのれんをくぐれば、そこは蔵内部の大空間。薄暗く、かすかに醤油や味噌の香りが漂う、日常とはかけ離れた場所です。

味噌や醤油の仕込みは麹菌の成長にあわせて行なわれるので、見学できる作業内容は日によってさまざま。人の背丈よりも大きな杉樽が並ぶ圧巻のもろみ蔵や、昔ながらの蔵人たちの作業の様子など、普段は目にすることはない醸造蔵を見て回ることができます。

見学のあとは試食とおみやげ選び
発酵文化が育まれる秋田で味噌醤油の醸造元が営むカフェ
8種類の味噌と醤油が並ぶ試食のセット

見学ツアーのあとには、試食用の味噌と醤油が用意されています。「味噌と醤油だけ食べても、しょっぱくて味なんてわからないのでは…」と感じるかもしれません。ですが、麹をたっぷりと使ったこし味噌「YUKIDOKE」の甘みや、熟成を重ねたたまり醤油「TAMARI」の深い旨みなど、ひとさじずつ舐めてみると、その個性豊かな味わいに驚くはずです。

発酵文化が育まれる秋田で味噌醤油の醸造元が営むカフェ
醤油は300mlの少量ボトルからラインナップされ、持ち帰りが楽

味噌と醤油のおいしさに感動したら、おみやげとして買うことができます。グッドデザイン賞を受賞したボトルは、シンプルで洗練されたパッケージ。自分用にはもちろん、プレゼントにも喜ばれそう。

発酵文化が育まれる秋田で味噌醤油の醸造元が営むカフェ
「CANVAS TOTE BAG(L)」(2640円)、「YAMAMO REVERSIBLE MAEKAKE」(5060円)、「YAMAMO PACKING TAPE」(770円)などがラインナップ

ほかに、トートバッグやリバーシブルの前掛けなどのグッズもあります。屋号が描かれた古くて新しいデザインは、日常使いにぴったり。オンラインショップでも販売しているので、要チェックです。

発酵文化が育まれる秋田で味噌醤油の醸造元が営むカフェ
周辺には米どころらしい田園風景が広がる

古い蔵が残り、田んぼと自然が広がる岩崎地区は、のんびりと散策するのにぴったりの場所。近隣には、蔵を利用したカフェ「momotose」もあります。「ヤマモ味噌醤油醸造元」を訪れた後は、こちらにも足を延ばしてみては。

伝統的な味噌醤油づくりとモダンなカフェをあわせて楽しめる「ヤマモ味噌醤油醸造元」。秋田県湯沢市を訪れた際にはぜひ立ち寄ってみてくださいね。

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