【たび好きの本棚】どのページをめくってもかわいい、旅行イラストエッセイ3冊

旅は最中も楽しいけど、つぎの旅のことを考えたり、振り返ったりしているときもワクワクするもの。連載「たび好きの本棚」では、家での時間も楽しくなるようなじっくり読みたい旅にまつわる本をご紹介します。 第1回目の今回は、キュートなイラストがメインの気軽に読める旅エッセイをご紹介。イラストレーターならではの視点で切り取られた世界をのぞきながら、寝る前や休日の午後をのんびり過ごしてみませんか。

週末ジャパンツアー

暮らしから旅までさまざまなジャンルで活躍している杉浦さやかさん。こちらは、ほのぼのとしたイラストと写真で、国内の旅を記録した1冊です。宮城・鳴子の温泉とこけしまつり、四国でうどんめぐりや日曜市、蒸して蒸されて九州3県の湯めぐりなど、お買い物の記録や食事の記録にも旅のワクワクが感じられます。
特にこけしをめぐる東北への旅は、絵付け体験から町の片隅まで、杉浦さんの好き！が伝わってきて、こけしの奥深さに引き込まれますよ。

旅とデザート、ときどきおやつ

平澤まりこさんが、旅先でめぐりあったおいしいデザートを横書きエッセイと2ページのイラストで紹介した本。デザートに出会った瞬間が描かれた文章の軽やかさと、その国の紙モノをコラージュしたイラストが異国の空気をはらんで、読み手の小腹をつつきます。
「おやつやデザートって、あってもなくてもいいものです。でもあってもなくてもいいのなら、あったほうがいい。（あとがきより）」という言葉どおり、おいしい甘いものに出会う幸せを思い出させてくれますよ。

大人女子よくばり週末旅手帖

旅の合間にスケッチブックにさらりと描いたような風景のイラストがすてきな本。著者のなかださんが学生時代に建築を学んでいたこともあり、明治～昭和ごろのノスタルジックな建物の緻密な描写、建物で見るべきポイントをわかりやすく案内してくれているのがうれしいところです。
電車旅のページでは、地のものをたっぷり詰め込んだ駅弁にレトロな駅舎など、知らなければ見逃してしまいそうな素敵なところが愛情たっぷりに紹介されています。読み終えた後は、つぎに訪れたい旅先が決まっているはずですよ。