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「プロフィール」に実績を書くのは、自慢ではなく“証明”だ!

  • 2020.6.20
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自分の「プロフィール」を意識しよう
自分の「プロフィール」を意識しよう

皆さまは「プロフィール」をどの程度意識していますか。プロフィールには、書き方があります。書き方次第で信用が大きく変わってくるのです。書き方を工夫することで、自分自身がどのような人かを伝えることができます。プロフィールは、単なる自己紹介ではありません。上手な書き方を覚えておきましょう。

今回は、作家で京都光華女子大学キャリア形成学科客員教授の和田裕美さんに、おすすめのプロフィールの書き方について伺います。和田さんは、日本ブリタニカ在籍中に世界2位の営業成績を収めた営業のカリスマとしても知られており、近著に「人の心を動かす話し方」(廣済堂出版)があります。

「プロフィール効果」を最大限利用する

仕事にハッタリはつきものです。ハッタリとは、自分がデキる人に思われたいと、実際よりも大きく見せるためにうそをつくことです。コミュニケーションの手段と考えれば、やむを得ないものと考えられますが、「プロフィール効果」のメカニズムを理解しておいた方がいいでしょう。

「ある分野において絶対的な実績があるという人の言葉を、人は特に無防備に信じてしまいます。つまり、安易に『動かされる』のです。皆さんは、私が世界2位ではなく、本も出していなかったら、素直に私の言葉を受け入れてくれましたか。『何の実績がなくても、和田さんは和田さんだ!』と言ってくれる人がもしいるとしたら、それは個人的な好意であって、直接会って話したことのある人ではないかと思うのです」(和田さん)

「面と向かって自慢する人は、やっぱり多くの人から、鼻につくと思われてしまいます。これは特に、空気を読んで生きている日本人に顕著な傾向です。自分のことをひけらかすことなく、『いえいえ、私なんて』と謙虚に振る舞うことが美徳となっているからです。それでも『権威のパワー』は偉大です。何か自慢できることがあるのなら、ぜひ使いたい。この矛盾を解決する方法がプロフィール効果なのです」

そして、和田さんはプロフィールの重要性を主張します。プロフィールに実績を書くのは「自慢」ではなく「証明」なのだと。

「私のような、ビジネス書を書いて人々に専門的な内容を伝えている人間は、直接会っているときは絶対に自分の自慢などしません。しかし、プロフィールだけは実績をそのまま、堂々と書いています。プロフィールに書くことは自慢ではなく、『自分の証明』になるからです」

「特に、学歴は影響力が大きいです。面と向かって『東大を出ているんです』と、聞かれてもいないのに言う人はあまりいませんが、プロフィールに書いている人は多いものです。たとえ、本人はさほどそれを誇示したいと思っていなくても、周囲が『書いた方が大きな価値をつけられるから』と書くことをすすめるでしょう」

著名人でも学歴詐称は後を絶たない

著名人や政治家の学歴詐称の話題が、テレビやSNSをにぎわすことがあります。ばれたらすべてを失いそうな危険なことをしてしまうのも、学歴の威力が大きいからです。

「結局は中身の人間性で勝負することになるので、学歴だけでは人の心を動かすことなどできないのですが、それでも安心、信用してもらえるという材料にはなります。あるとき、私の名刺を見た友人の経営者から、『和田さん、あなたは大学の客員教授なんだから、それを名刺に入れた方がいいよ。大学教授という権威に世の中は弱いんだよ』と言われました」

「そのとき、名刺に入れていた肩書は『営業コンサルタント・作家』だけだったのです。今では『客員教授』と記載しています。ちなみに、私は京都光華女子大学出身です。皆さん、名前も知らないのではないでしょうか。ただ、母校の客員教授に任命いただいてからは、堂々と書いています。大学名よりも『教授』という肩書が人の信用を得られるからです」

もし、あなたが自慢できることがあれば、遠慮せずに名刺やプロフィールに書いた方がいいと、和田さんは解説します。学歴や肩書だけでなく、甲子園出場や絵画コンクール入賞でも構わないのです。どんなにすごい実績があっても、伝わらなければ宝の持ち腐れ。遠慮なくいきましょう。皆さんのプロフィールは、ちゃんと伝わっていますか。

コラムニスト、著述家、明治大学サービス創新研究所研究員 尾藤克之

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