不倫関係・・・やめる？続ける？離婚して再婚する？どうすればいい？【ひとみしょうのお悩み解決】

“【お便り募集】文筆家ひとみしょう お悩み解決” に送っていただいたお悩みの中からひとつピックアップしてひとみしょうさんがお答えしていきます。

「景子さん27歳」のお悩み

ひとみさんはじめまして。
私は結婚して6年目で子供が2人いる主婦です。
この6年間、そして私の人生で男の人と遊ぶという経験は旦那くらいとしか思い出がなく、それくらい何気ない普通の家族として生活してきました。
しかし、最近バイト先で出会った男性に声をかけられて仲良くなりました。
連絡先も最初は断っていたのですが、既婚者同士相談事などしてるうちに軽いノリで教えてしまいました。
それから食事に誘われて一度だけ行きました。話も合いますし、凄く楽しくて、この歳になって遊ぶということを覚えてしまった瞬間でした。
その後も何度か食事に出かけたりし、お互いの生活事情や夫婦仲についても話してるうちに気付けば彼を気になってる私がいました。身体の関係も何度かしてしまいました。
彼は今は奥さんが子供をつれて家を出てってしまったみたいです。しかし子供の為に離婚はしたくないのだそうです。
連絡先を交換した時から毎日欠かさず連絡してくれてる彼、返さなくても大丈夫な連絡ですらしっかり返してくれます。
遊びに行ったり食事に行く時も全て支払いしてくれます。彼は私の事をどう思ってるのでしょうか？
私はこんな彼に遊ばれててもいいと思っているのですが、彼には幸せになってほしいので、この関係をやめたい気持ちもあります。また、もっと一緒に遊びたい気持ちもあり、どうしていいか分かりません……。
どうしたらいいでしょうか。

〜ひとみしょうのお悩み解決コラム〜

彼は景子さんのことが大好きで大好きでしかたなく、願わくは、景子さんと再婚したいと思っています。
男が、不倫しているさなかに奥さんと別居するというのは、その男が不倫相手に夢中になっている証左なのです。

なので、彼の気持ちを第一に考えるのなら、景子さんも今の旦那さんと離婚して、不倫相手の彼と再婚するというのが、彼にとって一番いいことです。彼はそれこそを望んでいるのだから。

でもきっと、「わたしはどうすればいいのでしょうか」と質問しているということは、景子さんは今の旦那さんと離婚したくないのでしょうし、今のまま旦那さんにバレない程度に（家庭を傷つけない程度に）彼と不倫を楽しみたいと思っているのだろうと推測します。

となれば、話は変わってきますね

となれば、相談メールには「私はこんな彼に遊ばれててもいいと思っているのですが」とありますが、実態は「景子さんが彼のことをもてあそんでいる」ということになりますね。

つまり、景子さんと再婚したい彼と、再婚とかではなく今のままの不倫関係を楽しみたい景子さん、という構図。女子のほうがうわてな構図。女子のほうがキラキラして余裕があって、男のほうはなんだか必死な構図。

こういうのを世間では「女子が男をもてあそぶ」というのです。あまり、というか、ほぼ遊んでこなかった景子さんは、もしかしたらご存知ないかもしれませんが、世間では「女子のほうがうわて」な不倫を「男をもてあそぶ系の不倫」というのです。

結果として「彼のことをもてあそぶ系」の不倫に「なっちゃった」

さらにいえば、相談メールに「彼には幸せになってほしいので、この関係をやめたい気持ちもあります」とありますが、繰り返しになりますが、彼にとっての幸せとは、景子さんと一緒になることです。
だから、「この関係をやめる」のは、彼にとって幸せではなく、ただの不幸でしかないのです。

つまり、相談メールをどこからどう読んでも、彼は景子さんと再婚したくて必死で、片や景子さんは、再婚のことなど考えておらず、ただ彼には幸せになってもらいたいと願っている（なんの悪気もなく純粋にそう願っている）という、とてもチグハグなことになっているのです。

さらにいえば、この不倫関係の、どこをどう切り取っても、彼が幸せになる要素はゼロという絶望的な状況になってしまっているのです。
むろん、景子さんにはなんの悪気もないでしょう。でも「知らないがゆえに」、結果として、「彼のことをもてあそぶ系」の不倫に「なっちゃった」ということです。

さて、どうしましょ？

別れなさい

彼にとってもっともいい選択肢を言うなら、これ以上彼が景子さんにあれこれ期待しなくてすむよう、今すぐ彼と別れなさいというのが答えです。
もちろん、景子さんも離婚して、彼と一緒になる覚悟があるのなら、話は別ですよ。その場合は、早く彼に「わたしも離婚するから」と言うことです。

でもきっと景子さんは離婚するつもりはないですよね？
であれば、彼がこれ以上傷つかなくてすむよう、さっさと不倫関係を清算することです。
1日が経つごとに、彼は「景子には離婚しておれと一緒になる気持ちはないのかなあ。あってほしいなあ」という期待が膨らむから。

もし別れることができないのなら、彼に言葉で「わたしは離婚するつもりがないから、あなたと再婚できない。それでもいいのなら不倫を続けよう。それではイヤなのなら別れよう」と言うことです。

ここだけの話をしましょうか

ここだけの話、男の世界には「女を100％信用してはいけない」という言い方があります。
なにも、女性のことを疑ってかかりなさいとか、女性を「真心ある人」として見てはいけないというようないやらしい話ではないのです。
男は、たとえば景子さんのような女性に出会うと本気になってしまうのです。「すべて」を捨てて景子さんと一緒になりたいと思ってしまうのです。
でも、景子さんは「すべて」を捨てようなんて思っていないでしょ？

すべてを捨ててでも一緒になりたいと思う――男はこの時点で、女性のことを100％信用しています。
が、結果的に、一緒になれなかった――このときの男の失望はきっと、女性には理解できないでしょう。それくらい「男的に」深い深い失望、絶望、この世の終わりなのです。
つまり、女性によってたくさん失望し、絶望してきた男がこの世に残した言葉、それが「女を100％信用してはいけない」という言葉なのです。

ともあれ、景子さんが離婚して彼と再婚したいのか、それともこのまま離婚することなく遊びとして不倫を楽しみたいと思っているのか、まずはそれを彼に伝えることです。
ところで、景子さんは「いい女」だと想像するのですが、当たっていますか？（ひとみしょう／作家・コラムニスト）