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トップモデルのジョアン・スモールズ、黒人は「トレンド」じゃない

  • 2020.6.15
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ヴィクトリアズ・シークレットやシャネル、トム・フォードなどのモデルを務めてきたジョアン・スモールズが、Black Lives Matter(ブラック・ライヴズ・マター)支持を表明するファッション業界へ苦言を呈した。(フロントロウ編集部)

システム的な黒人差別へ抗議するBLM

プエルトリコ人の母と、セント・トーマス島出身の父のもとに生まれたモデルのジョアン・スモールズは、2011年に初めてラテン系としてエスティ ローダーの顔となり、2015年には米Forbesによる最も稼ぐモデルの第6位にランクインした。過去にも、肌の色が原因で仕事を断られたことがあると明かしているジョアンは、現在世界中で大きなムーブメントとなっているBlack Lives Matter(ブラック・ライヴズ・マター)を受けて、ファッション業界へ意見した。

黒人の命にも価値があるという意味のBlack Lives Matterは、数多くの非武装の黒人が白人警官に殺されていることに抗議をすることから始まった。しかしもちろん、命に関してだけでなく、アメリカでは社会の制度や構造のなかに組み込まれている黒人差別そのものの早急な改善が求められている。

多くの企業がBlack Lives Matterへの支持を表明しており、その中には、多くのファッションブランドや雑誌も含まれている。しかしジョアンは、支持だけを表明して行動しない企業に不信感をあらわにした。「私達はトレンドじゃない」というキャプションとともに公開した動画で、彼女はこう話す。

「(ファッションの)エージェントや雑誌、ブランドがインスタグラムアカウントで黒い投稿をしているのを見かけます。でも、それの本当の意味は何?ファッション業界はそれについて、実際にはどんなことをしていくの?これはただのトレンド?」

ファッション業界の「口だけ」に抗議

ジョアンが厳しい言葉を、自身がキャリアを積み重ねたファッション業界へ投げかけるのは、過去の経験から。「この業界は私達のステレオタイプを作ることが大好きです。私自身、この髪の毛が問題であり、コントロールしなくてはいけないと何回言われたことか。同僚は彼ら自身でいるだけで成功を認めてもらえたのに、私は(自分が起用されてきた)キャンペーンや雑誌を見せないと認めてもらえませんでした」と、ラテン系であり、黒人の血も引く自身が受けた差別を話し、過去に様々な問題が起こるたびに、ファッション業界は口でだけ謝罪してきたと指摘する。

「あなたたちはいつも、無神経さや鈍感さ、そして“より良くしていきます”という、批判を最小限に抑えるためだけの謝罪で私達をがっかりさせてきました」
画像: ファッション業界の「口だけ」に抗議

ファッション業界は差別的な構造を自覚すべき

モデルとして10年以上のキャリアを持つジョアンはファッション業界に向けて、「あなたたちは獣を育てている。人種差別と不平等という獣を」と断言する。そして彼女は、Black Lives Matterを支援する団体へ自身の給料の50%を寄付することを発表し、ファッション業界全体へ求めるのは、その構造的な人種差別を認めることだと語った。

「私のアイデンティティを無視しておいて、(体裁を整えるために)黒人の女の子である私を形ばかりの採用をする業界からの承認はいりません。私が必要とするのは、この業界に上から下まである構造的な(人種差別の)問題への自覚です」
画像: ファッション業界は差別的な構造を自覚すべき

Black Lives Matterはファッション業界へも影響しており、米Vogueの編集長として有名なアナ・ウィンターは、これまで黒人の編集者やフォトグラファーなどの活躍の場を広げてこなかったことや、過去の出版物に不適切なものがあったとして、社内メールで社員に向けて、全責任は自分にあると謝罪し、今後は企業全体で改善のために行動していくとしている。(フロントロウ編集部)

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