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専門家が伝授!体を痛めない座り方のコツ

  • 2020.6.14

従来のオフィスでの仕事では、自然と足を床につけて、背中をまっすぐに伸ばすようになっていたもの。ところが、コロナウィルスの影響によって自宅での仕事が増えた今、ソファやベッドの上で仕事をし、腰やその他の部分を痛めることが問題に。

もっとも、背骨と首を専門とするニュージャージー州の整形外科医、ラウール・シャー医師によると、背中を伸ばして足を床につけることは、必ずしも筋肉を支えることにはならないのだとか。「姿勢についての難しさは、かなり個人差があるということです―誰もが同じではないんです」とシャー医師。「ただ、座っていることから来る痛みの多くは、筋肉の疲労と炎症に関わっています」。

姿勢を正すことは問題の半分を解決しただけ―使っているイスが体に良くない影響を与えているかもしれないし、適度に体を動かしているかどうかも疲労に関わってきます、とシャー医師。というわけで、どんなイスを選べばいいか、なぜ運動をしないと体が痛くなるのか、そして、良い姿勢は体のコリや疲労をどうやって回避してくれるのか、詳しく教えてもらいました。

座るときの正しい姿勢って?

これに関するシャー医師の究極のアドバイスは、立っているときの姿勢に関わるもの。歩いているときは、頭も背中も前傾していないのが普通。そのため、机の前やラップトップの前で前屈みになっていると、「転倒しないように」、背中の筋肉に余計な負荷がかかるのです、とシャー医師。

だから、シャー医師の主なアドバイスが、常に骨盤の上に頭を乗せるようにする、というのも肯けるはず。「骨盤の中心に頭を置くことで、筋肉を疲れさせないようにしましょう」とシャー医師。「私たちはコンピューター画面に集中するために前傾してしまうものですが、これがすでに何時間もイスに座って過労状態の背中を痛めることになるのです」。

他にも、使用しているイスにかかわらず実践できる、正しい座り方のコツは、以下のとおり。

●骨盤に対して、太ももとひざを直角にするどこかで聞いたことがある、床に足をぴったりつけろ、というアドバイスは、こうした姿勢に近づけるためのものでしょう、とシャー医師。これが不快な場合は、脚の位置を調整するべきだそうだけど、ひざは自分の真正面に来るべきなのだとか。オフィスチェアはこの角度を保つために調整ができるけど、家具によってはこれができないことも。

●肩を後ろに回す骨盤の上に頭を置くのと同じ理由で、背骨を支えるためには高い位置で肩を保つべきです、とシャー医師。肩が前のめりになっていると、ただ頭を後ろに反らすだけでは姿勢は治らないそう。肩を緊張させてはいけないけれど、肩があばら骨より前に出ることなく、同じ位置に来るようにしてみて。

●脇をしめる頭が骨盤の前ではなく、上に来れば、自然とそうなるのがわかるはず。ラップトップを使っている最中はこの姿勢を保つのが難しいかもしれないけれど、ひじを伸ばした状態を続けると、前腕が痛むことも。

●20分毎に体を動かすシャー医師によると、これが休憩のタイミング。筋肉を動かしてあげると血行が促され、長い目で見て疲れにくくなるのだとか。立ち上がって脚や腕を伸ばしたら、元の姿勢に戻って。

自宅ではどこに座るべき?

では、オフィスチェアやデスクがない自宅での仕事ではどこに座るべき?「あなたが自宅で長時間座っていることが多い場所へ行きましょう。考えてみてください。ゴロゴロするのではなく、基本的に座って過ごすことの多い、自宅での場所はどこですか?通常、それはディナーテーブルです」。

もしソファやベッドにいることが多いなら、できるだけ以下のシャー医師の指示に従ってみて。まず、ベッドでは脚を組まず、端に座ること。ソファではクッションに沈み込まず、背中をひじかけにつけて真っ直ぐ座ること。また、こうした環境では筋肉の疲労が起こりやすいので、できるだけ頻繁に体を動かすことが重要です、とシャー医師。

運動はなぜ姿勢にかかわるの?

たとえオフィスや自宅で正しい姿勢で座っていても、一日中まるで運動をしなかったり、活発に動いたりしないと、筋肉がたびたび痛む可能性は高いそう。一日に9時間もパソコンの前に座るようなストレス(たとえ感じていなくても、これは体にとっては大変なストレスになっているそう)に立ち向かうためには、筋肉を鍛えることが不可欠なのだとか。

「大まかな指標としては、20〜30分の軽い運動か持続的な動作をし、最大心拍数の60〜70%になるように体を動かすことです」とシャー医師。「これによって、座っている状態に耐える筋肉を鍛えることができます」。

通勤がなくなった多くの人々にとっては、朝のウォーキングもなくなったはず。姿勢を正してもなお体が痛いという人は、なんとかこの時間を取り戻すようにしてみて。姿勢を変えることで急激な成果を期待するべきではないけれど、日々の生活にこうした動きを組み込むことで、ほとんどの人々の症状は6週間以内に軽減します、とシャー医師。もし、2カ月以上姿勢を正し、座り方を調整し、せっせとストレッチや運動をしても改善が見られない場合は、専門家に見てもらうこと。「背中や腰の痛みが手足にまで及んでいるとしたら、チェックしてもらった方がよさそうです。それは姿勢の問題ではない可能性があります」。

翻訳/mayuko akimoto Photo Getty Images From GOOD HOUSEKEEPING

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