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脳科学で考える! 子どもへの「褒める」と「叱る」のベストな使い分け方

  • 2015.4.24
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【ママからのご相談】

小学5年生の娘がいます。そろそろ反抗期を迎え、生意気になってきているところで、毎日のようにケンカになります。 この間、学校からたくさん宿題が出ているのにのんびりしている娘をみて、つい怒鳴ってしまい、大ゲンカをしました。そのときに、「お母さんはいつも怒ってばかり! ちっとも褒めてくれない! 私だって頑張ってるのに! もうやだ!」と娘に泣かれてしまいました。その言葉が頭から離れません。宿題はすでに終わっていたようで、ついカッとなってしまったことを反省しました。その件で主人からも、「厳しすぎる」「もう少し褒めたら」と言われました。私としては娘が心配で、どうしても厳しくしすぎてしまうところがあるのかもしれないと冷静になって気が付きました……。しかし、褒めようと思っても、どうすればいいのかわかりません。褒めると叱るのうまい使い分けがあれば教えてください。

●A. “褒める”と“叱る”のベストバランスを知りましょう。

ご相談ありがとうございます。勉強嫌い専門プロ家庭教師、佐々木です。

小学校高学年くらいになると、学校の勉強も難しくなり、かつ反抗期が来て、お子さんの勉強がどうなっているのかわからないと訴える親御さんが多くいらっしゃいます。状況がわからないからこそ、イライラしてあれこれ言いたくなってしまいますよね。

そこで今回は、脳科学の観点から、どういうときに叱り、どういうときに褒めるべきかをご紹介したいと思います。

●“叱る”は誤った行動を止める効果

人が何か行動をするときとは、“危険を避ける”あるいは、“快楽を得る”のどちらの目的で動いています。

このうち、より強いのは“危険を避けたい”欲求です。いのちを守るために危険を避けることが必要になります。叱ることは相手の恐怖心をあおり、危機感をもたせることができるため、褒めることの2.5~3倍の効果があると脳科学では言われています。

しかし、叱ることは効果が強いため、トラウマにしてしまうことも。かつ、叱ることには悪い行動をやめさせる効果しかありません。子どもに何かをさせたいときは、叱ってはいけないのです。「勉強しなさい」は効果がないと昨今は言われますが、そういったことも理由の1つかもしれません。

●“褒める”は正しい行動を後押しする効果

一方、褒めると快感物質であるドーパミンが出るため、何か行動してほしいときには褒めることで効果が出ます。何かいい行動をしたときはすかさず褒めてください。ただし、叱るよりも効果が薄いので、同じくらいの効果を得たいのであれば、繰り返し何度も褒める必要があります。

●“褒める”と“叱る”のバランスは取れていますか?

ご相談者さんの場合、バランスを考えたとき、“褒める”と“叱る”が同じくらい、あるいは“叱る”の方が多くなってしまっているのかもしれません。褒めるより叱る方が3倍近い効果があり記憶に残るため、たとえ本人としては同じくらい褒めている感覚だったとしても、お子さんは、「叱られてばっかり」と感じている可能性があります。

バランスを取るためには、“褒める”と“叱る”を3:1程度にすることです。良いことをしたとき、うれしいことがあったときには、小さなことでもどんどん褒める。いけないことをしたときは、ここぞとばかりにびしっと叱る。この2つのバランスを意識してみてください。

娘さんが心配だから、あれこれ言いたくなってしまいますよね。でも、母娘のいい関係は保ちたいもの。うまくバランスを取ってみてくださいね。

【参考文献】

・『週刊ダイヤモンド 第103巻 13号「叱れない上司 叱られたい部下』ダイヤモンド社

●ライター/佐々木恵(プロ家庭教師)

塾講師歴6年、家庭教師歴6年。指導してきた生徒数は100名超。勉強が苦手・嫌いな中学生・高校生の苦手科目を克服する指導に定評がある。特に数学指導では、定期テストの得点を3か月で30点以上引き上げることも。勉強が苦手で自信がなかった学生時代に、当時の恩師から褒められたことで成績が急上昇し、自信をつけた。この経験から、現代の子どもたちに社会で生きていくために必要な自信を培ってもらうことを目標に、その子の性格や特性を分析し、その子に合った勉強法を提案し、個別授業を展開している。2014年4月25日に、電子書籍「うちの子なんとかなりませんか? 勉強嫌いを克服して30点上げる7つの方法 (ごきげんビジネス出版)」を発売。

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