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学校再開は新たなストレス!子どもの「黄色信号」を的確にキャッチする方法

  • 2020.6.5
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会話から、子どもの変化を見抜くには?
会話から、子どもの変化を見抜くには?

47都道府県に発令されていた緊急事態宣言が解除されました。すでに、一部の学校では授業を再開したほか、在宅勤務から通常業務に戻りつつある企業もあります。これまで、親子ともに在宅が続いたことでお互いにストレスがたまり、あつれきが生じていたこともあったでしょう。毎日、これまでになく長い時間、顔を突き合わせていた鬱憤(うっぷん)が一気に解消されて喜んでいる人も多いと思います。

環境変化の陰に新たなストレス

返答力の8話法
返答力の8話法

しかし、手放しで喜ぶのは禁物です。学校再開は、子どもにとって大きな環境変化、それも、これまでにない長い在宅状態が明けた直後です。在宅明けの解放感の陰に、環境変化による新しいストレスの種が隠れている可能性があります。その黄色信号を見逃しがちな危険な時期なのです。

学校再開で、親子の対話に取れる時間は再び短くなります。このように申し上げると、「親はまだ在宅勤務の日もあるので、以前に比べれば対話の時間を取れているので心配ない」という答えが返ってきます。問題は対話の時間の変化なのです。あつれきが生ずるほど顔を突き合わせていた時間が一気に短くなり、親子それぞれが持つ解放感が黄色信号を見えづらくさせてしまうことが問題です。

対話に取れる時間が一気に短くなっても、黄色信号を見落とさない方法があります。それも、誰でも簡単にすぐにできる方法があれば、試してみたいと思わないでしょうか。その方法とは「返答力の8話法」です。

対話時間が急に、格段に短くなる局面では「相手の話の真意を誤解してしまう」「誤解する以前に理解できていない」「理解できていないどころか聞こうとしていない」という状況に陥りやすくなります。そのような状況に陥らないために「返答力の8話法」を駆使します。

返答力の8話法とは、次の通りです。例えば、子どもが「学校で○○なことがあった」という話をしたら、「そう」「それはよかったね」と相づちを打つだけでもなく、「それじゃだめじゃない。こうしなきゃ」といきなり助言するのでもありません。「学校で○○なことがあったんだ」と相手の話を反復するだけの話法です。

忙しいのに、ただ反復などしていられないと思うかもしれませんが、実は、この反復話法は単に相づちを打つよりも、もちろんいきなり助言するよりも格段に、「お父さんは自分の話を聞いてくれている」「お母さんは自分を理解してくれている」という実感を与えるパワーを持っています。反復することでさらに、無用な理解不足や誤解を未然に防ぐことができます。

詳細話法は相手の話に、自分が持っている情報があればそれを付け加えて返答する方法で、要約話法は、相手の話を自分なりに要約して返答する方法です。詳細に話したり、要約して話したりすることで、子どもからみれば、「よく分かってくれている」「深く理解してくれている」という実感が高まります。「分かってる。分かっている」と何度も言うよりも、詳細話法や要約話法を一度使うだけで、「理解してくれている」という実感を高めるパワーがあります。

例示話法や経験話法、示唆話法は例や経験、「仮に○○ならば、△△ということですか」というように示唆を繰り出し、話の内容を確かめる方法です。親が挙げた例や経験、示唆に対して、子どもが「そうそう」と言えば、その範囲の内容で間違っていないということが確認でき、共通認識を持っているということが分かります。子どもが「そうじゃなくて…」と言い始めたり、いぶかしげな表情をしたりしていれば、そこが誤解の分岐点なので少し掘り下げて聞く必要がある場面です。

コミュニケーション能力を高めるための演習をしていると、相手の話に対して飛躍した内容で返答したり、いきなり反対のことを言って返答したりするケースが、とても多く見られます。せっかく対話の時間が持てても、飛躍話法や反対話法を繰り出してしまって、誤解や無理解が生じてしまうのです。飛躍話法や反対話法は、それ以外の返答力の話法を繰り出してから使うことをおすすめします。

返答力の8話法は、相手の話が自分の考え方と異なっていると思えば思うほど、「反復」「詳細」「要約」といった話法を丁寧に繰り出して、理解を深めたり、相違点を明確にしたりすることに役立ちます。相手の考え方を自分の考え方に自然に誘導したいときには、表下段の話法になるにつれて誘導幅は大きくなりますが、強引度が高まって誘導できるかどうかのリスクは高まります。

学校再開の今のタイミングでこそ、活用してみてください。

モチベーションファクター代表取締役 山口博

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