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「男性を立てるべき」「夫は褒めて育てる」は、女性を苦しめる考え?

  • 2020.5.20

「男性はプライドが高い。それに実はナイーブで傷つきやすい。だから、プライドを傷つけないように男性を立ててあげよう」

「夫が家事をしないのを怒ったりしても険悪になるだけ。ちょっとした家事をしてくれたら褒めよう。褒めて育てるのが賢い妻です」

こんな風に、彼氏や夫の操縦方法をアドバイスしてくる人っていますよね。

でも、本当にそんなことをして意味があるのでしょうか?

なぜ、「女の方が強い」「女性は賢い」と言われるのか?

「女性が強くなってきた」とか、「女性の方が男性より賢いし大人。男性は子どもみたいなもの」という言説、よく耳にしますよね。

なぜこういった言葉を耳にするのでしょうか? 本当の女性の方が男性より権力を持っていて、強くて賢いから? そうではないでしょう。

たとえば、「男性の方が女性より強い」「男性の方が女性より賢い。女性は子どもみたいなもの」なんて言葉はほぼ聞きませんよね。なぜか、それは実際問題、男性の方が圧倒的に権力を持った立場にあるため、わざわざ言う必要がないからです。

日本は男女の賃金格差が激しく(OECD諸国の中では最低レベルの格差で、正社員でも女性は男性の7割の賃金しか得ていない)、管理職、政治家に占める男女比率が圧倒的に男性に偏っている国です。つまり、女性が経済、政治、社会的地位といった部分で圧倒的に男性より低い地位にいる、弱い立場にいる、というのは事実としてあります。そういう事実があるからこそ、「いや、でも、女性も強くなってきたよね。格差はましになってきているよね」と、取り繕う必要があるのです。

「男性の方が女性より賢い。女性は子どもみたいなもの」なんて言う人がいたら、その人は叩かれるでしょう。それにも関わらず、「女性の方が男性より賢いし大人。男性は子どもみたいなもの」という言葉がなぜ世間的に受け入れられているのかというと、それは事実でも、弱いものいじめでもないからです。女性よりパワーを持っている男性を言葉の上だけで格下扱いしても、実際の男女間のパワーバランスはびくともしません。

「女の方が賢いから、男を立てるべき」「夫は褒めて育てる」の本当の意味

「女性の方が実は賢いし、大人だし、男性はプライドが傷つきやすい生き物なのだから、男性を立てるべし」とか、「夫は子ども(またはペットみたいなものなのだから)褒めて育てるべし」とかいう言説はなぜよく聞かれるのでしょうか?

それは、「女性の方が下手にでて、男性の機嫌をとった方がうまく家庭や世の中は回る」と考えている人が多いからでしょう。実際、そういったアドバイスを受けて、家庭内で夫のプライドを立てたり、下手に出て褒めたりすることで、男性は機嫌よく生活できるかもしれません。

でも、女性は? その女性自身が、下の立場でいることに対して、心地よく感じている場合、何の問題もないでしょう。専業主婦家庭の場合、「家庭は夫にとっては休息の場所、妻にとっては職場」と割り切って、夫を家庭内でちやほやすることで、家庭内の平和が保たれる場合もあるかもしれません。

ですが、共働きなのに、妻が家庭内で「男を立てる・褒めて育てる」をすると、どうなるでしょうか? 妻は外でも働き、家でも無償で家事労働をしつつ、キャバ嬢のように夫の機嫌をとることになるのです。想像するだけで、しんどい生き方ですよね。

さいごに

今回は、「男を立てる・褒めて育てる」式のアドバイスの危険性について解説してきました。

男性を「立ててもらわないとプライドが傷つく人」「子どもやペットと同じでお世話してあげる必要がある人」と考えるのは、まともな男性に対しても失礼なことです。

お互いに尊敬し尊重しあえる関係を築いていきたいなら、相手を見くびったり見上げたりすることなく、対等な目線を忘れないでおく必要があるのではないでしょうか。

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