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「手指消毒剤が免疫系を弱める」という噂、はたして本当?

  • 2020.5.19
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あちこちで耳にする噂を、医師が検証

使いすぎると免疫系に悪影響?

リュー医師によれば、手を洗ったり、アルコールベースの手指消毒剤を頻繁に使ったりすることに問題はないそう。「手指消毒剤や石鹸が私たちの免疫系や、細菌の耐性に影響を及ぼしたりすると考えるべき学的根拠はありません」と言う。

米疾病対策センター(CDC)は、石鹸と水が利用できない場合には、アルコール濃度60%以上の手消毒剤を使用することを勧めている。さらに、「使用により細菌に抗生物質への耐性ができることもない」とも説明。

手を消毒することで間接的に病原体の影響を受けやすくなるとすれば、その原因は「乾燥」とのこと。リュー医師は「洗い方によっては手の皮膚が乾燥し、ひび割れしまうことがあります。そうなると、皮膚に細菌が侵入しやすくなる可能性があります」「ですが、皮脂膜が傷ついていなければ、問題にはなりません」と述べている。

つまり、きちんと保湿することで問題は簡単に解決するということ。

手袋にも要注意

だが、注意すべきことも。それは、「手袋をしていれば手洗いをしたり消毒剤を使ったりしなくてもいい」と思い込んではいけないということ。手袋は単なるバリアであり、手洗いや手指の消毒とは異なるうえ、場合によっては私たちに誤った安心感を与えるものとなる。

リュー医師は、「スーパーマーケットなどで、手袋をした手でいろいろなものに触り、そのまま自分のメガネの位置を直したり、電話をかけたりしている人をよく見かけます」と話す。

手袋をしている時も、顔には触らないようにすること。手袋を外したら、手を洗うこと。そして、手袋を着けていた時に触ったすべてのもの(鍵など)も消毒しておくことが重要となる。

細菌と“親しむ”ことは免疫によい?

繰り返すが、リュー医師によれば、今はどんなに手をきれいにしても、しすぎることはない。細菌が私たちにとっていいものだとする指摘は、特に子供を細菌にさらすことで免疫系が適切に発達し、ぜん息やアレルギーといった健康上の問題が起きにくくなるという「衛生仮説」からきている。これはつまり基本的には、洗いすぎたり消毒しすぎたりすることが、長期的には私たちの健康に悪影響を及ぼす可能性があるという仮説だ。

だが、現在のパンデミック下においてこの考えは当てはまらない。また、これまで私たちが細菌に関して「3秒ルール」や「5秒ルール」(食べ物を床に落としても、○秒以内なら食べてもOKとすること)を取り入れてきたかどうかとも、まったく関係がない。

今問題となっている新型コロナウイルスはほかの病原体とは異なるため、このウイルスで衛生仮説を試してみたりなどしてはいけない、ということなのだ。

必要と思えば何度でも洗うか消毒を

ではつまり、手指消毒剤は必要と思った時に使ってよいということ? 答えはYES。リュー医師は、「肌の手入れもしていれば、消毒や手洗いのことをあまり心配する必要はないと思います」と話す。

手洗いや消毒剤でしっかり手を清潔にしつつ、ハンドクリームなどでケアをし、むやみに物や顔を触らないこと。これが重要であることには間違いなさそう。

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