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「ありがとう」や「ごめんね」が言える子どもに育てるのが大切なワケ

  • 2015.4.21
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【ママからのご相談】

4歳と2歳の子どもがいます。今、あいさつをはじめ、いろいろなことを教え込んでいます。 人として最低限道徳的なことと非道徳的なことを分別できる大人になってほしいと思っています。“三つ子の魂百まで”というように、今の時期の子どもに必ず教えておいた方がよいことがあったら、参考にしたいので教えてください。よろしくお願いします。

●A. まずは、ママご自身が大切にしたいことを最優先で……。

はじめまして。こんにちは。藤じゅんです。

お子さんはこれからの人格形成に、いろいろなことを吸収する時期だと思います。各ご家庭でいろいろなことをお子さんに教えてあげていることでしょうね……。

ここで大切にしたいことは、ママ自身がお子さんに対してどんな大人に成長して欲しいかということかもしれませんね。でも、お子さんに対して自分の夢や将来の職業を推し量ったりすることは避けたいものです。

●社会における価値観は多種多様

各ご家庭、各ママたちの価値観や思いは、その数だけ存在すると思います。その価値観が正しいとか正しくないとかいう表現をお子さんに押し付けることは、あまり良くないことではないでしょうか……。

この時期の子どもはママの言ったことを反抗しながらも忠実に記憶します。

子どもがよく口にするフレーズの中に、

「だって、ママがダメって言ってたもん!」「それは、ママは気持ち悪いって言ってた……」などがありますよね。

ただし、否定的な場合は特に気をつけたいものです。命の大切さや暴力など、道徳的に周知されている“いけないこと”はきちんと教えるべきですが、そうでない場合は、お子さんがもう少し大きくなり、自分自身と違う価値観の人間と遭遇したとき、その人を真向から否定したり、批判したりするのではなく、「そう感じる人もいるよね……」「そうすることは、きっと何か理由があるんだ……」と思えるような大人になるよう導いてあげてほしいと思います。

●その中でやはり大切なのは、「ありがとう」「ごめんね」

ところで、ご相談者さまは日常生活の中で、「ありがとう」「ごめんね」という言葉をどれくらいの頻度で声に出して口にされているでしょうか?

もちろん、むやみやたらに口に出すことは言葉の伝わり方や本来の意味合いが軽くなってしまいますが、必要なときには、たとえ子どもに対してでも、きちんと伝えなければならない言葉のようです。

児童精神科医の佐々木正美先生と、不登校や引きこもりの子どもたちに2,000人以上も手を差し伸べている伊藤幸弘氏の対談からも、“親から子どもに感謝の意をこめて、「ありがとう」と言うことの大切さ”が親子関係にとっていかに重要なのかを知ることできます。

とあるお寺では、心に残る言葉として以下の文が記されています。

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『ありがとう普段なにげなく使っている、お礼の言葉。これも語源は「有難し」という仏教語である。出典は『法句経(ほっくきょう)』の、「ひとの生をうくるはかたく、死すべきものの、生命あるもありがたし」である、と言われている。 人が生きていくのは苦しみであるし、いずれ死すべきものであるが、その中で縁あって生命があることはなかなかない素晴らしいことであるという生まれた生命の驚きを教える教説である。 だから、「有り難し」とは、その仏説を聞き、人の生命の尊貴(そんき)さへ目覚めた、大いなる感動を表す言葉でもある。 それがいつしか感謝の意に、転用されるようになったのである。 先人のこのような宗教的心情を想う時、日本語の中でも、特にすぐれた美しい言葉であると思う』

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「ありがとう」なんとステキな響きのある言葉でしょう。

大切にしたい人の存在や、家族がしてくれたことに感謝することから始める。つまり、感謝の気持ちをバネに何かを始めればいいのです。ありがとうの気持ちがあれば、自然とやりたいことをやれる幸せを感じられます。人にやさしく接することができ、人生を大切に生きることができます。

さらに、親自身がお子さんに対して、自分の失敗や間違いを認め、「ごめんね……」と謝ることは決して恥ずかしいことではありません。子どもにしてみれば、「自分の身近な師匠としてのママも失敗したり間違ったりするんだ」と、ホッとできるかもしれません……。

ぜひ、この2つの言葉、大人になってからも躊躇なく口にできるよう、お子さんに伝えてあげてください……。

ご相談者さまのご参考になるとうれしく思います。

●ライター/藤じゅん(カウンセラー)

二男二女(双子)の母。海外で出産した下3人は年子で双子。バリバリのキャリアウーマンに目指すはずだったが、結婚・出産・夫のニューヨーク転勤に伴い子育て中心の海外生活(6年間)を経て帰国。仕事から離れ、子育てを充実させようと奮闘する中で、ママ達のストレスを目の当たりにし、末子である双子の卒園を機にカウンセラーの資格を取得。以降、「ママの心の健康が大切」「ママが楽しければ子どもは幸せ」「夫婦は家族の原点」「夫との会話のススメ」「子どもが不登校になったら……」「子どもが反抗期の時は……」等、ママとなった女性の心のケア、結婚前の女性の相談に力を入れている。しかしながら、近頃は男性からの相談を通して「男性側の視点」も大切にし、どんなに小さい問題点も疎かにせず、専門分野外の「対人関係の悩み」に老若男女問わず、幅広く対応している。療法や定義に捕らわれず、日常生活の中から悩みを緩和させ、元気に明るく生きていけるようなアドバイスできる「家庭的で、身近なカウンセラー」を目標に日々精進中。

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