1. トップ
  2. ライフスタイル
  3. 糖尿病の予備群がほぼ半減! 健康を呼ぶ「腸内細菌改善の食事」とは

糖尿病の予備群がほぼ半減! 健康を呼ぶ「腸内細菌改善の食事」とは

  • 2020.5.12
  • 8906 views
ヨーグルトを食べる人

体を健康にする食事とは?

体を健康にする食事とは?

食事と腸内細菌が密接な関係にあることはもはや常識。発酵食品などに含まれている乳酸菌といった微生物を摂取することはプロバイオティックスと呼ばれ、体によってよい効果をもたらすと考えられています。また、腸内細菌を育てるオリゴ糖などの食品はプレバイオティクスとして重宝されています。さらに食事と腸内細菌にはさらなる知られていない関係性もあることがわかってきており、微生物そのものを摂取しなくても腸内細菌のバランスが変化するというのも、新しい発見のひとつです。

このたびスウェーデンのルンド大学の研究グループは、1726人の男女を対象に食事パターンが変わると腸内細菌のバランスがどう変化するかを調べました。腸内細菌は糞便から微生物の分析を実施。そのうえで、血糖値への影響にも注目し影響を分析したのです。食事のパターンは2通り。ひとつは糖質と脂肪の多い食事(デザート、高脂肪乳、クリーム、低食物繊維のパン、じゃがいも、加工肉、赤身肉)のパターン、もうひとつは健康志向の食事(フルーツ、ベリー、ナッツ、野菜、豆、ヨーグルト、チーズ、高食物繊維)です。食事内容によって腸内細菌の量の変化、2型糖尿病の予備群のリスクに違いがあるかを分析したのです。

健康志向の食事がもたらす効果とは

健康的な食事を準備する女性

わかったのは、健康志向の食事をよくとっている人では糖尿病予備群がほぼ半減し、腸内細菌のバランスにも特徴が見られたということ。健康志向の食事をよくとっている人は、糖質や脂肪が多い食事ばかり食べている人と比べて、糖尿病の予備群になる人が54%にとどまる結果に。腸内細菌のバランスについてもロセブリア属やラクノスピラ属の細菌が増加。一方でユーバクテリア属の細菌は減っていました。レソブリア属の細菌が多いと、糖尿病の予備群になる人が少なくなることも確認されました。

こうした結果からわかるのは、直接、発酵食品に代表されるようなプロバイオティクス、腸内細菌を増やすプレバイオティクスと呼ばれる食品ではなくても、腸内細菌の改善につながる効果は出てくるということ。健康的な食品を食べることはそれ自体が病気の予防につながると考えられますが、腸内細菌のバランスも好影響を与えてくれる可能性もあるのです。日頃の食事を考えるうえで参考にするとよいかもしれません。

<参考文献>

Linking Dietary patterns, prediabetes, and get microbiota composition
https://nutrition.org/linking-dietary-patterns-prediabetes-and-gut-microbiota-composition/

A Health-Conscious Food Pattern Is Associated with Prediabetes Ad Gut Microbiota in the Malmo Offspring Study
https://academic.oup.com/jn/article/150/4/861/5680303

元記事で読む
の記事をもっとみる