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【スローなニュース】散歩中に「クマ探し」を楽しむオランダの子どもたち

  • 2020.4.28
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現代社会は、何事にもスピードと効率を求められます。無駄を排除し、必要最小限のコストと努力で速やかに成果を出さなくてはいけません。けれど、無駄にはきっと、種類がありますよね。本当に省いていった方がいい無駄と、省いてしまうと心が痩せ細ってしまう無駄があるとイエモネは考えています。

そんな愛すべき無駄にじっくりゆっくり向き合いたいと考え、イエモネは「スローなニュース」をピックアップしていこうと決めました。

今回は、コロナ危機の間も子どもたちを楽しませようとするオランダ社会のお話です。

元気でも、なるべく家にいよう

子どもの外出も、近所の散歩程度に

欧州のオランダでは、日本から2週間遅れの3月16日から保育園や義務教育の休校が始まりました。この記事の執筆時(2020年4月22日)では5月上旬までの休校が確定しています。

学校に加え、レストラン(持ち帰りはOK)や美容サービスに関する施設が一時閉鎖を言い渡されていますが、厳格な外出規制は行わない、「インテリジェント・ロックダウン」と呼ばれるゆるやかな規制が敷かれています。

「ゆるやか」とは言っても、スポーツや娯楽に関する施設もすべて閉鎖されています。さらになるべく家に居ることが推奨されているため、子どもたちの外出は家の近所の散歩くらいになってしまいました。

クマのぬいぐるみを探すムーブメント

「berenjacht」のハッシュタグとクマ

「berenjacht」のハッシュタグとクマ
(c)Naoko Kurata

そんな近所を歩くだけの散歩を、退屈なものから少しでも楽しいものに変えようと、オランダの各地でとあるアクションがはじまりました。それは「berenjacht」と呼ばれるもので、日本語に直訳すると「クマ狩り」、英語にするなら「テディベア・ハンティング」になります。住宅街の窓辺にクマのぬいぐるみを置いて、散歩中の子どもたちに見つけてもらうという、なんとも可愛らしいムーブメントです。

中には、こんな小さなシロクマも

中には、こんな小さなシロクマも
(c)Naoko Kurata

地域によっては「クマ狩り」のフェイスブックの地域グループができ、地図アプリでクマのありかを確認できる街もあるほど、人々は力を注いでいます。

街中のクマを全て見つけたらもらえる賞状や、メダルを作って提供する企業もでてきました。ちなみにこのメダルを作っている会社は、普段はスポーツイベントなどで配布されるメダルを製造しているそう。今はすべてのスポーツイベントが中止されているので、生産ラインが休眠していたのです。そんなときにこうやって作れるメダルができて、メダルをもらえる子どももメダルの会社もお互いに喜ばしいことですね(一枚約175円/送料込み)。

ヒントは、イギリスの児童書から

集合住宅のエントランスに飾られたクマ

集合住宅のエントランスに飾られたクマ
(c)Naoko Kurata

この「クマ狩り」は、5人の子どもとその犬がクマを狩るために出かけるイギリスの児童書「We're Going on a Bear Hunt」(日本語版「きょうはみんなでクマがりだ」)にヒントを得ているのだそう。英語で書かれた本なので、この「クマ狩り」ムーブメントはイギリスやオーストラリアでも同様に広がっているそうです。童話を元にしたアクションって可愛らしいですね。

コロナ危機の下で育つ子どもたちにとっても、毎日が楽しいものであってほしい。そういった人々の切実な願いを感じます。ぜひこのクマのぬいぐるみたちが、子どもたちのなぐさめになってほしいとイエモネも願っています。

[A photo by Shutterstock.com]

[Op berenjacht door eigen wijk: voor jong en oud]

[We gaan op berenjacht]
[Berenjacht in Nederland!]

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