1. トップ
  2. スキンケア
  3. ニキビや湿疹など〝マスクの肌荒れ〟を解決!皮膚科医が教えるマスクが手放せない日々の肌トラブル対策法

ニキビや湿疹など〝マスクの肌荒れ〟を解決!皮膚科医が教えるマスクが手放せない日々の肌トラブル対策法

  • 2020.4.25
  • 24958 views

新型コロナウイルス対策により、私たちの生活に欠かせなくなったマスク。少しの外出でも手放せないけれど、「普段よりニキビができやすい」「湿疹のようなブツブツが口周りに…」など、肌トラブルに悩んでいる人も多いはず。そんな〝マスクによる肌荒れ〟を解決すべく、皮膚科医の慶田朋子先生に予防テクやトラブルの解決方法を教えてもらいました!

教えてくださったのは
銀座ケイスキンクリニック院長 慶田朋子先生

メスを使わずに肌質や見た目を高める美容クリニックの院長。丁寧なカウンセリングや、ひとりひとりに合わせたオーダーメードの治療プログラムが人気。スキンケアや美容法の誤りに切り込む『女医が教える、やってはいけない美容法33』(小学館)も好評発売中。

〝マスクの肌荒れ〟は「擦れ」と「蒸れ」が2大原因!
肌のバリア状態が悪化してニキビや湿疹が発生

「表情や口の動きにより肌とマスクが擦れると、物理的刺激で角層のバリア状態が悪化します。また、マスク内の蒸れも刺激のひとつとなり、肌トラブルを引き起こす要因に」

あご周りのニキビや肌の赤み、小さいブツブツなどの湿疹が増えたなら、その原因はマスクにあるかも!?

■ニキビ:「擦れ」で角層が厚くなり、アクネ菌が増殖しやすくなる!

「マスクの擦れにより角層が厚くなると、毛穴の入り口が詰まって皮脂が溜まり、白ニキビが発生。アクネ菌は好脂性・嫌気性菌なので、ここで正しくケアをしないと、白ニキビの炎症が進み、赤ニキビや黄ニキビ、もっとひどいとクレーター状のニキビ痕になります」

■ブツブツなどの湿疹:「擦れ」で炎症が起こり、「蒸れ」で悪化

「ニキビと同様に、マスクの擦れにより角層がダメージを受けることで、角層のバリアが低下します。すると、通常は刺激にならない物質が表皮に入り込んで炎症が生じ、赤みや痒み、小さなブツブツが発生する湿疹ができます。さらにマスクによる蒸れで湿疹が悪化。こちらも正しいケアをしないと、治りにくく、慢性化してしまいます」

〝マスクの肌荒れ〟解消にはバリア状態の改善がカギ!
状態を良くするためのポイントはこちら
  • 与え過ぎない、シンプルで丁寧な保湿
  • マスクによる「擦れ」を極力少なく!
  • 食事や睡眠の見直しなどインナーケアで健やかに

「肌のゆらぎには、外側からも内側からもダブルでケアするのが近道です。まずは丁寧な保湿で肌本来のバリア機能を高めましょう。刺激の原因となるマスクの「擦れ」や「蒸れ」も、工夫次第で抑えることができます。それと同時に日々の生活を見直してトラブル改善を目指しましょう」

マスクで肌が荒れたときのスキンケア方法をチェック

皮膚科医直伝!〝マスクの肌荒れ〟が気になるときのスキンケアをチェック

■洗顔はとにかく優しく!泡で洗う感覚を大切に

「トラブルを抱えた肌は敏感になっています。特にニキビができているときは、いつも以上に優しいスキンケアを心がけてください。洗顔では、手で泡を動かして汚れを浮かすイメージで。洗顔ブラシなど、摩擦を起こすものは御法度です」

■ニキビ肌にはたっぷり保湿がマスト!ハンドプレスでうるおいチャージして

敏感肌・ニキビ用のスキンケアラインで優しく水分補給

「〝ニキビ=脂っぽいから保湿は控えめに〟は間違い。皮膚科を受診するのが一番ですが、難しい場合は敏感肌用やニキビ用の優しい成分のアイテムでたっぷり保湿をしましょう。抗炎症作用をもつ成分配合タイプもオススメです。ただしニキビ用化粧品の中でも殺菌目的のものはNG。アクネ菌は本来善玉菌。強力に殺菌すると、肌の菌バランスが崩れ、肌荒れするので避けてください。また化粧水をつける際は、ハンドプレスで。コットンで擦る行為も刺激のひとつになります」

■湿疹には〝保湿クリームのみ〟の引き算スキンケアが◎

「肌トラブルがあると、美容液などあれこれ使いたくなってしまいますが、それは肌にとっての刺激になることがあります。湿疹がある場合は、洗顔のあとに保湿クリームのみのシンプルケアで充分。クリームは水分量が少ないものがオススメです」

こんな保湿成分が入っているクリームをセレクトして
  • セラミド
  • ヒアルロン酸
  • アミノ酸
  • 多糖類
  • グリセリンなど多価アルコール類
  • ヘパリン類似物質

保湿クリームは、上記の保湿成分を含むものを目安に。ぜひ手持ちアイテムのパッケージをチェックしてみて!なお、表示されている名称は分子構造の細かな違いで様々な表現になり分かりにくい場合もあります。複数あるときは、より低刺激で優しい処方のものを選びましょう。

敏感肌用ラインや消炎作用のあるものもGOOD!

「新しい化粧品は刺激になる可能性があるので、肌荒れしているときは避けた方が無難。ただし、肌に優しい敏感肌用アイテムに頼るのはアリ。また、炎症が特に気になる場合は、トラネキサム酸やグリチルリチン酸2Kなど、消炎作用のある成分を含むものもよいでしょう」

■毛穴のつまりが大敵!ニキビには角層ケアをプラスして

週2~3回、ピーリングクリームや酵素洗顔でスペシャルケアを

「ニキビの原因は毛穴の入り口が狭くなって皮脂や汚れが溜まること。角層を優しく溶かしてくれる家庭用ピーリングや酵素洗顔を取り入れるのも効果的です。ただしやりすぎはNG。週に2〜3回を目処に。いつもの肌状態よりも乾燥しやすくなるので、丁寧な保湿も忘れずに!」

■クレンジングはオイルで素早く!で負担を最小限に

「クレンジングはオイルタイプがオススメ。不器用でも短時間でメイクと乳化し、こすり過ぎることなくオフができます。なじませる時間は30~40秒で、洗い過ぎに注意を。また、洗い残しもトラブルの原因になるので、たっぷりのぬるま湯で十分にすすいでください」

拭き取りタイプやオフに時間がかかるものは避けて

「拭き取りタイプや落とすまでに時間がかかるクレンジング剤は、摩擦が生まれ肌に刺激を与えてしまうので避けるのがベター。クレンジングのコツは優しく、素早く! 肌への負担を最小限に抑えてあげましょう」

日焼け止め+粉おしろいでクレンジング不要にするのもアリ!

「肌への負担をとことん減らすなら、ファンデーションなどオフが必要になるアイテムは避けて、クレンジングをなくしてみましょう。日焼け止めを薄く塗り、石鹸で落とせる粉おしろいのみでベースメイクを完結させてみて。」

今日から実践!「擦れ」と「蒸れ」を抑えるマスクの使い方

■マスクと肌の間に柔らかい不織布を挟んで摩擦軽減

「不織布をマスクサイズにカットし、肌との間に挟むだけ。やわらかな肌当たりの不織布のおかげで、摩擦が軽減されます。汚れなどが気になる場合は、3時間毎に交換を。1日に2回交換すれば充分です」

■1時間に1回はマスクを外して蒸れスッキリ

「定期的にマスクを外して蒸れを逃すと、炎症の悪化が抑えられます。外すときは周囲に人がいないか確認を。またマスク表面にウイルスが付着していることもあるので、ヒモを持って外しましょう。個室に限り、マスクを外すのも効果的です」

マスクの肌荒れを解消するインナーケアをチェック

インナーケアで肌トラブルが起こりにくい体質を目指して

■おうち時間が増える今こそ!バランスのとれた食事で健やかな肌作り

「偏った食事は、肌トラブルを起きやすくなるだけでなく、肌荒れした際に治りにくくなります。おうち時間が増えて、食事の時間をしっかりとれる今、まずは1日3食、ビタミン・ミネラル・食物繊維・タンパク質・糖質・脂質をバランスよく食べることを心がけましょう。」

バリア成分を作る〝脂質〟は意識的に取り入れて

「バリア成分を作る〝細胞間脂質(セラミドなど)〟の原料となるのは良質な脂質です!」

太るから…と、脂質を避け過ぎるのはNG。脂質を含むお肉や乳製品などをバランスよく取り入れて、肌のバリア機能を高めましょう!

■最高の美容法! 時間と質を両立した睡眠で肌が復活

1日7時間以上、24時までにはベッドへ

「ゆらいだ肌を回復させるには、睡眠も欠かせません。基本的には、睡眠時間は7時間以上。そして24時までに就寝を心がけましょう」

おうち時間が長いからといって夜更かしやダラダラ寝はNG。早めの時間からぐっすり寝ることで肌パワーが向上!

■便秘解消は美肌への近道!〝食〟で腸内環境を整えて

「便秘になると、血中に腐敗産物(インドール酢酸など)が巡り、角層の水分量が低下。水分量低下→バリア障害→肌荒れの発生や悪化を招きます。それを防ぐためにも、わかめやこんにゃくなどの腸内環境を整える水溶性食物繊維や、角層の水分量を高めるヨーグルトなどの発酵食品を積極的に食べましょう」

■ケア効果を最大限に高めるためにストレスコントロールを

「ストレスは栄養の吸収、睡眠の質、代謝を悪化させます。美肌を目指し、キープするためにもストレスを溜め込まない工夫を」

新型コロナの影響でストレスが溜まる毎日ですが、そのままでは悪循環を引き起こす可能性が。家の中でできるストレス発散を見つけてみて!

軽い運動でストレス発散!体の巡りも良くなり一石二鳥

例えば、簡単な宅トレ!外出を控えなければいけない期間も自宅でできる運動習慣を身につければ、ストレスの発散ができます。睡眠の質も自然と向上し、汗をかくことで体の循環も促されていいことづくめ!ぜひ今日からチャレンジを。

症状がひどい時は皮膚科の受診を!

外出自粛中ではあるものの、自己ケアで治らないひどい症状に悩んでいる場合は、クリニックで相談を。ニキビには皮膚科処方の抗生剤、湿疹には塗り薬による治療が必要です。

シンプルで優しくがポイント!内&外のケアで〝マスクの肌荒れ〟にさよならを

肌荒れが気になるからといって、あれこれするのは残念ながら逆効果!丁寧かつ低刺激なスキンケアで肌をいたわりつつ、規則正しい生活で心と体を健康に。マスクが手放せない時期がまだ続くからこそ、一度自分のケアを見直して美肌を目指しましょう!

取材・文/石黒千晶

元記事で読む
の記事をもっとみる