「疲れてるのに眠れない…涙」　そんなツラ〜イ夜をなんとかする意外な方法って？

「どんなに疲れていても、身体が熱かったり気持ちがソワソワ落ち着かないと、うまく眠りにつけません。」そう語るのは、太極拳を日本に広めた第一人者を祖父に持つ、楊名時太極拳師範・楊玲奈さん。

「就寝前は八段錦のゆったりとした動きで心と身体の緊張をほぐし、心配事もスイッチオフ。緊張が緩むと自然と深く柔らかい呼吸になり、心身ともにリラックスできます。」

呼吸を意識してゆっくりと動かすことによって、単純な動きで疲れが溜まりにくい巡りのいい身体が作れるんだとか！

健康だけじゃなく美容にも影響を与える睡眠は、美しいオンナづくりに必要不可欠。さっそく、カンタンにできる太極拳でぐっすり眠れる準備を整えましょ♡

A. 大地からの気を丹田に集めるイメージで呼吸する

太極拳の稽古の前に行なう「立禅（りつぜん）」は、その名の通り立って行なう禅。ゆっくり足を肩幅に開いて姿勢を整えたら大地からの気を丹田（おヘソの下のあたり）に集めるイメージで、深く、長く、ゆっくりと鼻から呼吸をする。目は閉じるか半眼にして。

B. イライラや不安を鎮め、脾臓や胃腸の動きを整える

中国に伝わる養生法「八段錦」から、まずは「調理脾胃須単挙（ティアオリピウェイシュダンジュイ）」

1・2 最初のAの姿勢から両手をゆっくり肩の高さまで上げる

3手のひらを返して下ろす。 4左手を上に、右手を下に運んでいく。

5左手を頭上まで押し上げ、手のひらを上に。6円を描くように左手を下ろす。右も同様に。

C. 尾てい骨を軸に頭を揺り動かし、心の不安を取り去る

深い呼吸と回転運動で、副交感神経の働きを促進する「揺頭擺尾去心火（ヤオトウバイウェイチュイシンフォ）」。

1 Aから両足を大きく開き、腰を落とし両手をももに。 2顔を右に向け、右から上体を回す。

3息を吸いながら右足の土踏まずを見るように首を回し、吐きながら戻す。 4息を吸いながら上体を左から右膝の上まで回したら、顔を正面にして1の姿勢に。反対も同様に。

近ごろ運動不足や生活習慣の乱れで不眠にお悩みの方、ぜひ試してみてください♡

楊名時太極拳師範：楊玲奈さん

日本に太極拳を広めた祖父・楊名時、母・楊慧のもと、幼い頃から太極拳に親しんで育つ。太極拳の楽しさを広めるため、自身のクラスやメディアを通じて活動中。reina-yo.com

Illustration:Saito Yoshiko

Text:ar/Otsuka Ayako