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今改めて知りたいフェミニズムの本質。【エマ・ワトソンを紐解くキーワードvol.2】

  • 2020.4.15
エマは、「HeForShe」キャンペーン発足のスピーチを書き上げるのに6カ月近くかかったという。Photo_ UN Photo/Crystal Pictures/AFLO
Emma Watson during UN Women's HeForShe Campaign Special Eventエマは、「HeForShe」キャンペーン発足のスピーチを書き上げるのに6カ月近くかかったという。Photo: UN Photo/Crystal Pictures/AFLO

若くして地位と名声を手に入れたエマ・ワトソンは、それを善き世の中になるため、そして女性たちをエンパワーする活動に費やしている。2014年には、女性の地位向上を目指す国連組織「UN ウィメン」の親善大使に任命。女性の権利を男性にも知ってもらう「HeForShe」キャンペーンを発足し、親善大使としてスピーチを行った。そこで彼女はいかに世間から「フェミニスト」という言葉が煙たがられているかを語った。

「フェミニストとして活動することを決断した私にとって、この決断はあまり難しくない話だと思っていました。ところがリサーチを行ってみたところ、『フェミニズム』は世の中で歓迎されていない言葉になっていました」

「たとえ、みなさんがフェミニストという言葉が嫌いでも、大切なのは言葉そのものではなく、その背景にある考えや思いです。私が手にしている権利をすべての女性が持っているわけではありません。実際に統計的にごくわずかな女性しか正当な権利を享受していないのです」

エマはあくまでも「フェミニズム」という言葉ではなく、その概念を理解することが大事であることを主張し、世界から賞嘆を集めた。この考えは2015年から何度も議論されているハリウッドの男女間のギャラ格差問題をはじめとする、女性の権利に関わるすべての問題に当てはまる。勇気を出して問題を提起した人が女性の場合、「フェミニスト」という言葉で嫌悪されがちだが、その真意は男性の立場をおびやかす存在になりたいわけではないということ。

例えば同じ仕事をしているのであれば、あくまでも男性と同額のギャラをもらえる権利が与えられるべきだ、ということを何より言いたいのだ。人はつい言葉のイメージやうわべのニュアンスに惑わされがちだが、その言葉の背後にある本質をしっかりと読み取ることを忘れてはだめ。私たちに求められていることを、エマは強さと優しさを持って発信し続けているのだ。

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Text: Rieko Shibazaki

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