1. トップ
  2. ダイエット
  3. その慢性的な腰痛、仕事によるストレスが原因かも⁉

その慢性的な腰痛、仕事によるストレスが原因かも⁉

  • 2020.4.8
  • 1876 views

長時間パソコンに向かっていると、スタンディングディスクを使っても、歩きながら会議をしても、腰痛からは逃げられない。でも、慢性的な腰痛の原因は姿勢以外にあるのかも。職場における心理的・社会的な負担は、身体的な負担と同じくらい有害である可能性を新たな研究結果が示している。

筋骨格障害専門誌『BMC Musculoskeletal Disorders』によると、ドイツの心理学者チームは計1万9千人の個人を対象とした18本の論文をレビューした。これらの論文はどれも、職場における心理社会的な問題(仕事量が多すぎる、同僚や上司からの支援がない、日々のタスクが手に負えないなど)と慢性的な腰痛の関係に焦点を当てたもの。

メタ分析の結果、職場における心理社会的な問題を抱えている人は腰痛を訴える確率が高いことが判明。この論文の共著者で独ドレスデン工科大学心理学部のガブリエル・ブルック博士によると、腰痛は生産性、医療費、欠勤率に影響を与える可能性がある。

「慢性的な腰痛は最もよくある疼痛性障害で、医療制度の大きな負担となっています」とブルック博士。「多くの場合、腰痛の原因は劣悪な職場環境にありますが、世間では姿勢の悪さや座りっぱなしの生活が原因とされています。でも、今回の研究で私たちは、仕事量や権限の有無、同僚や上司からの支援の有無が慢性的腰痛の発症に大きな影響を与えることを証明することができました」

ブルック博士の話では、こういった要因をひとつつぶすだけでも効果大。例えば仕事量が多すぎることによる影響は、仕事のやり方を自分で決める権限をもらったり、同僚や上司からの支援や励ましを得ることで減る可能性がある

慢性的な腰痛を引き起こす身体的な問題は、職場環境を人間工学的な観点から改善すれば解決するかもしれない。でも、ブルック博士が言うように、従業員にいま以上の権限を与え、定期的なフィードバックや正当な評価を行い、休憩時間をフレキシブルにするなどの方針がなければ、人間工学的に職場を改善しても無駄足になりかねない。

それにしても、こういった心理社会的なプレッシャーがとりわけ腰に悪影響を与えるのはなぜ? これにはいくつかの仮説があるけれど、最も広く知られているのは、ストレスを感じると体は“脅威”に対する反応でコルチゾールとアドレナリンを分泌し、これが血圧を上げると共に、脊椎周辺の筋肉を緊張させるという説。そこに座りがちな生活と運動不足が加われば、筋肉量が低下して、緊張が痛みに変わる。

腰痛は定期的なストレッチや運動で改善するかもしれないけれど、ブルック博士が言うように、職場におけるストレス要因に対処しないと問題は部分的にしか解決しない。仕事のストレスを減らすために自分にできることはないか客観的に考えてみることが、腰痛の長期的な予防につながる。

※この記事は当初、アメリカ版『Bicycling』に掲載されました。※この記事は、ランナーズワールドから翻訳されました。Text: Elizabeth Millard Translation: Ai Igamoto

元記事で読む
の記事をもっとみる