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ロンドンで絶賛の舞台『VIOLET』が日本上陸! 演出は大抜擢の藤田俊太郎

  • 2020.4.8
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同じ作品を、同じ演出家の同じ演出プランで、イギリスと日本それぞれの俳優やスタッフとともに、それぞれの国で上演する。そんなふたつの国が手を組み立ち上げられた企画により、昨年、演劇の本場・ロンドンで制作・上演されたミュージカル『VIOLET』。現地の演劇賞に6部門ノミネートされるなど高い評価を受けた舞台が、ついに日本に上陸する。このチャレンジングな企画を担う演出家として抜擢されたのが藤田俊太郎さん。人種も文化も宗教観も違う国での現地スタッフとの創作活動は容易なものではなく、「計り知れない涙の量と、互いの価値観をぶつけ合う議論があった」そう。

好評を博したロンドン公演を経て、待望の日本版が上演。

「ロンドンでは何度も打ちのめされました。自分の知らない感性とも出合いましたし、僕の希望が叶わなかったこともありました。それでも、ロンドンでの経験は自分にとって財産でしかないし、総じていい作品になったと思います」

今作は、幼い頃に負った顔の傷により人目を避けて生きてきた主人公・ヴァイオレットが、傷を癒すといわれる男に会うために長距離バスに乗って旅に出る物語。

「バスを世界や人生のメタファーとして、自分で次の一歩を踏み出していく物語です。違う人種や価値観を持った人たちが同じバスに乗って旅をするというのは、まさにこのカンパニーも、この作品も同じ。違う人間同士が集まれば、どうしたってわからない感性や価値観は出てくるし、そのなかには受け入れ難いことも出てくる。それでも、相手を理解しようと努力することはできるし、その可能性を探っていくことが演劇なんじゃないかと思うんです」

ロンドン公演の成功を踏まえつつ、現在、日本版の稽古が進行中。

「いま現場では、毎日テキレジ(上演台本の細かな修正)がおこなわれています。キャリアや年齢は関係なく俳優たち全員が、同じ土壌で自分の価値観を持ってディスカッションに参加し、この戯曲の神髄に近づくために意見をぶつけ合っています。ロンドンとはまた違う、日本版キャストならではの舞台をお届けできるんじゃないかと思っています」

ふじた・しゅんたろう 1980年4月24日生まれ。秋田県出身。東京藝術大学を経てニナガワ・スタジオに入った後、蜷川幸雄の演出助手に。近作に祝祭音楽劇『天保十二年のシェイクスピア』など。

ミュージカル『VIOLET』 1964年、アメリカ南部の片田舎に暮らすヴァイオレット(唯月・優河/Wキャスト)は、幼い時に受けた顔の大きな傷を治したいと、長距離バスの旅に出た。そこで彼女はさまざまな人々の多様な価値観に触れ…。4月7日(火)~26日(日) 池袋・東京芸術劇場 プレイハウス 音楽/ジニーン・テソーリ 脚本・歌詞/ブライアン・クロウリー 原作/ドリス・ベッツ『The Ugliest Pilgrim』 出演/唯月ふうか・優河(Wキャスト)、成河、吉原光夫ほか 全席指定1万2000円ほか(税込み) 梅田芸術劇場 TEL:0570・077・039

ロンドン公演は、客席が対面式、回り舞台でバスの旅の臨場感を演出。日本公演では舞台上に仮設客席を組み4方向から囲むスタイル。2019年のロンドン公演より。Photo by Scott Rylander

※『anan』2020年4月8日号より。写真・中島慶子 インタビュー、文・望月リサ

(by anan編集部)

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