1. トップ
  2. ライフスタイル
  3. 楽しく続けよう! “エシカル消費”のための11のヒント

楽しく続けよう! “エシカル消費”のための11のヒント

  • 2020.4.3
  • 4244 views

社会や環境などを意識した“エシカル”な暮らし。買い物をする際、どのような行動を取れば“エシカル消費”となるのでしょうか? エシカルファッションプランナーの鎌田安里紗さん、一般社団法人エシカル協会代表理事・末吉里花さんにお聞きしました!

エシカル消費を始める11のヒント

1、一番よく買うものから変えてみる。

「自分の暮らしを振り返り、好きなもの、どの分野にお金をかけているか優先順位の高いものを考えてみる。そこからエシカルな買い物に置き換えていくと生活とエシカルがリンクしやすく、楽しく続けられます」(鎌田さん)

2、ジュエリーなど末永く大切にしたいものに注目する。

「高価な宝石は、採掘現場での労働搾取や環境破壊が問題に。大切な思い出と直結し、長年愛用するジュエリーだから、働き手のことも考慮したものを。子供、孫に引き継いでいけば、世代を超えてその想いも伝えていけます」(末吉さん)

3、エシカルに作られたものを置いてほしいと店員さんにアピールする。

「大手スーパー『イオン』にフェアトレード商品が増えたのは、一人の主婦の声から。店頭の用紙やホームページなどから一人一人が“こんな商品が欲しい”と声を上げていけば、店や企業も変わっていくもの」(末吉さん)

4、リペアに力を入れている店で買う。

「買った商品が壊れたら、修理(リペア)を受け付けてくれる店を選ぶ。作ったものに対して誇りがあり、モノの一生に責任を持とうと考えている店や作り手なら、リペアにも力を入れているはず」(鎌田さん)

5、贈り物をエシカルにしてみる。

「プレゼントは、エシカルなストーリーがあるものの中から選ぶ。渡すときは必ず品物の背景や選んだ想いも一言添えて。受け取った側が知らなかった場合、新たにエシカルの輪が広がることに」(末吉さん)

6、適正価格、適正量について考える。

「人、環境など様々なことに配慮して商品を作ればコストはかさむもの。価格と商品の背景を考慮し、自分にとっての適正価格を考えてみる。必要以上の量を買っていないか、買う前に一瞬考える習慣をつけるのも大事」(鎌田さん)

7、メーカーの考え方、ブランドのコンセプトを調べてみる。

「商品の作り手や売る側が、生産背景について誇りを持って語れるかどうかは大事な基準。メーカーやブランドのHPに書かれているポリシーやコンセプトを調べてみたり、気になるお店で直接店員に質問してみても」(鎌田さん)

8、地元のお店で買う。

「地産地消もエシカル消費の一環。食事は地元の店、できるだけ地元で作られた食材を買ってみる。環境や健康を考えたら有機栽培のものを優先したいけど、選択肢がなければこだわりすぎず、できる範囲で最良の選択を」(末吉さん)

9、お気に入りの品やお店情報は拡散する。

「エシカルなものを取り入れて体験した楽しさ、心地よさ、お店の情報などを、身近な人には口頭で、さらにSNSやブログなどで拡散する。ポジティブな想いが伝わった相手の、新たなアクションにつながる可能性も」(末吉さん)

10、買い物の失敗をポジティブに変換。

「使ってみないと、本当に自分に必要なものの基準はわからないもの。もし買い物に失敗してしまったら、愛用してくれる人を探して譲ります。今はネット環境が整っているので、マッチングもしやすいです」(鎌田さん)

11、エシカルなキーワードもチェックしてみる。

「エシカル消費に含まれるのは、食品ロスへの配慮、被災地への応援商品を買うなど多岐にわたり、間口が広くてわかりにくいので、エシカル消費かどうかを見極める、一つの目印となるキーワードを覚えておくのも手」(末吉さん)

【キーワード】
認証マーク
製品の生産過程で、国や国際団体が設定した基準を満たしているかを、認証審査機関が定期的に審査し、認証された製品につけられるマーク。有機JASマークなど。

フードマイル
食料品が生産者から消費者に到達するまでの輸送距離から、消費されるエネルギー(石油)の量、環境面や社会、経済的なコスト負担を問題にし、地産地消を選ぼうとする考え。

フェアトレード
開発途上国の生産者の労働環境や生活水準が保証されていることが認められ、適正な環境的基準をクリアした製品には、国際フェアトレード認証ラベルがつけられる。

アニマルウェルフェア
動物に配慮した商品を選ぶ消費行動。家畜にとって快適な飼育管理をしている業者の精肉や、動物実験をしていない化粧品、ビーガンレザーやエコファーを買うことなど。

鎌田安里紗さん エシカルファッションプランナー。慶應義塾大学総合政策学部非常勤講師。暮らしの小さな実験室「Little Life Lab」主宰。ものづくりの現場を訪ねるツアーを企画・コーディネートするなど、多岐に活躍。

末吉里花さん 一般社団法人エシカル協会代表理事。日本全国の自治体や企業、教育機関などでエシカル消費の普及を目指し講演を重ねている。著書に『はじめてのエシカル』(山川出版社)など。

※『anan』2020年4月8日号より。イラスト・石山さやか 取材、文・板倉ミキコ

(by anan編集部)

元記事で読む
の記事をもっとみる