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【女子のばんそうこう】こんな時には、不機嫌でいい。

  • 2020.4.2
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この状況で何を書いたらいいか正直よく分からないのですが、いまとても思っていることは、

「空気を読んで黙る、感情を抑えて耐える」はしない方がいいということです。

これはコロナによる自粛が続くいま現在についてもそうだし、それとは全然関係なく、ふだん私たちが生きてゆく上でもそうだなと思っています。

「全員声出せやー!」という意味ではないです。自分の決めたことを黙々とマイウェイでやるのもまた、素晴らしいことだと思います。
ただ「怒りがあるならちゃんと表に出す」「NOははっきり伝える」ことをこういう時だからこそやった方がよくて、「自分を抑えて無理に周りの空気に合わせる」ことは逆にしない方がいい。
(感染拡大を防ぐためにNG行動を控える等の対策は当然やるべきなので、それとはまた別のお話です)

震災の時もそうでしたが、「非常時だから」という空気が蔓延してくると、「今は誰かを批判したり文句を言ってる時じゃない」とか「キツい物言いはやめて心穏やかにいこう」とかいう「謎の前向き野郎」が登場します。言葉は大変に柔らかくて優しげなんですが、そのふんわりした空気で人々の感情をやんわりと無力化しようとしてくるので地味におっかないです。
いや、そのひと個人がそう振る舞うと決めたのならそれでいいと思うのです。こんな時期に心穏やかな人というのはとても貴重だし、人格者ぽく見えますし。でも今は色んな人が色んな理由で困難やつらさを抱えており、悲しんだり怒ったりする人がたくさん出てくるのは当たり前なんですよ。それを横から肩をトントンしてニッコリ笑って「あまりいいことじゃないよね」と啓蒙してくるひと、何なんですかね。いま悲しんだり怒ったりしないでどうすんだ?と思います。
特に現政府の対応に酷いところがたくさんあるのだから、そう思った人は今こそ「何やってんだ」「いい加減にしろ」と言うタイミングなのですよ。黙って言うこと聞いて耐え忍んでどうする。滅私の忍耐が美徳とされた戦時中かっつうの。

なぜ「女子ばん」でこんなことを言ってるかというと、こういう前向き野郎はセクハラパワハラ性犯罪など、女性が理不尽に嫌な目に遭った時もおんなじように肩をトントンしてくるからです。
「そんなことでいちいち目くじら立ててたら社会で生きていけないよ」「大人の女ならそういうのはほら、受け流さないと」「男は子供だからね、大目に見てあげてよ」「気のせいじゃない?気にしすぎじゃない?」「あなたにも隙があったのでは」「女は愛嬌。キツい女は嫌われるよ」などなど。そういう訳知りでおためごかしのアドバイスのために黙ってしまい、心に傷を負ったままの女性たち、あなた自身を含めて山ほどいるのではないでしょうか。

社会的に立場が弱い、総数が少ない人の声というのは、いまの社会形態に不都合がない人、この社会で得をしやすい人(日本社会のメイン運営者である男性たち)にはほとんど届かない。逆に「そういう声を上げること自体が愚かしい」と無視される。
だからこそ、ここぞという時に「あいつらギャアギャアうるせーな…」くらいの強さで声を発することが必要だと私は思います。そもそも私たちが当たり前に立ってる地面(例えば国民皆保険、女性参政権)は地道にうるさく言い続けた人たちが作り上げていたりするんですよね。

怒ったりNOと言ったりするとこの場の空気を悪くするし、自分自身の印象も悪くなっちゃう。だったら仕方ないから黙っておこう。…こうやり過ごすと、その場その場では「いい人」として通りますが、自分の心には嘘をついたまま。その乖離はいずれ大きなストレスになる。本当に言うべき相手には沈黙する代わりに、真横を見て「私はこんなに我慢してるのにあの人は好き勝手に振る舞っている」「私が耐えてるんだからあなたも耐えるべき」と、ゆがんだ怒りと正義感を誰かにぶつけるようになってしまう。そしてそのうち「そういうのはしょーがないの、我慢しときなさい」って下の世代に言うオババになってしまう…。

こんな時に言うワードじゃないのかもしれないけど、空気は読むな。不機嫌は抑え込むな。でも怒りの矛先を間違えず、あなたに傷をもたらした人に怒ろう。自分のやりたいこととやるべきことを整理しなおそう。そして、まず自分、次に大好きな人を大切にして、図太く生き延びていきましょう。

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