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わが子に練習させよう! いじめっ子を一言で撃退できるフレーズ3つ

  • 2015.4.15
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【ママからのご相談】

40代、小学3年生の男の子のママです。食物アレルギーとアトピー性皮膚炎をもつ息子は、ここまでの成長過程で食べられるものも限られ運動する機会がほかの男の子たちと比べて少なかったため、体が小さく運動が苦手です。 3年生くらいになると男の子たちの間では、そういう子に対して、「どんくさい」「ウザい」「チビ」「消えろ!」といった言葉で攻撃する子が出てくるようで、うちの子も、しばしばその手の“いじめ”を受けているようです。私には、他人(ひと)を何一つ傷つけていないうちの子が、他人(ひと)から言葉や腕力で傷つけられることが、腹立たしくて仕方ありません。いじめという卑劣な行為を遮断するための、息子が簡単に覚えられる短い一言はないものでしょうか。

●A. 「オレがお前に何をした?」の一言が強力な武器になります。

ご相談ありがとうございます。エッセイストでソーシャルヘルス・コラムニストの鈴木かつよしです。

お相談者さまがおっしゃるように、友だちに対して「ウザい」とか「消えろ!」とか言うことは、けっして許すことのできない卑劣な“いじめ”行為です。そんな卑劣な行為に対してとっておきの言葉が一つあります。

「オレがお前に何をした?」という短い一言です。

長すぎると、かむ怖れがあるのでこのくらい短いフレーズをとにかく強く、大きな声で、いじめてきた相手に対して投げ返すことです。それにつづけるフレーズは次の項でご紹介いたしましょう。

以下、都内でメンタルクリニックを開業する精神神経科医師にもお話をうかがいながら、“いじめを遮断するための短い一言”について考えて行きたいと思います。

●児童書に学ぶ、いじめを遮断する短い一言「いやだ!」と「やめろ!」

2013年7月に発売されて以来、本来の対象である小学生はもちろん大人にも読まれつづけている『こころのふしぎ なぜ? どうして?』という児童向け心理学書のベストセラーがあります。その中の、『いじめられたら、どうしたらいいの?』という章では、『いじめっ子は、心がものすごく弱い』ので、『その弱点をつくように、こちらは心の強さで戦いましょう』とあり、具体的な方法として、『はっきり、きっぱりと、いやなことは「いや!」「やめろ!」と言う。これは、心の強さがないとできないことです』と、書いてあります。

言葉の内容そのものよりも、意思表示できる強さを持っているところを見せつける

・「オレがお前に何をした?」

・「いやだ!」

・「やめろ!」

この3つの短い言葉を強く、毅然とした態度で、大きな声で言い返すだけで、かなりの高確率でいじめは遮断することができます。それは、どうしてでしょうか?

『いじめ行為をする卑劣な人間というのは、実は5~6歳の子どもであれ50~60歳の年配者であれ、“黙り込んでしまうおとなしい相手”を周到に選別してからいじめ行為に及んでいます。

たとえば、藤子・F・不二雄氏のSF漫画「ドラえもん」の登場人物であるジャイアンは、のび太のことはいじめても、出木杉(できすぎ)くんをいじめることはけっしてありません。それは何故かと言うと、出木杉くんをいじめたりすれば、「僕がきみに何をしたというんだい?」と毅然とした態度で言い返され、逆にクラスのみんなから白い目で見られ赤っ恥をかくことが目に見えて明らかだからです。

つまり、いじめられた時に言い返す言葉というのは、実は言葉の意味や内容そのものよりも、「いやだ!」という意思表示がはっきりとできる“こころの強さ”を持っているのだぞというところを見せつける意味があるのです』(50代女性/精神神経科医師)

●身体的なハンディキャップよりも対人面で毅然とできない点をつけ込まれている

『こうして考えてくると、ご相談者さまの息子さんが卑怯者たちにつけ込まれてしまうのは、実は食物アレルギーがあるとかアトピー性皮膚炎があるとか運動が苦手だとかいうことよりも、“気を強く持って毅然とした態度で対人関係を構築できていない”点をつけ狙われているのだと考えることができます。これは、大人になってからでも続くとても大事な点ですので、今のうちに息子さんに根気よく説明してやってください。

くり返しますが、「オレがお前に何をした?」「いやだ!」「やめろ!」という3つの短い言葉を、力強く、大きな声で、毅然とした態度で言い返すだけで、おおかたのいじめ行為は遮断することができます』(50代女性/前出・精神神経科医師)

それでもあまり効果がないような、集団による組織的で悪質ないじめ行為となると、これは事の重大さがまた違ってきます。小さないじめも犯罪ですが、組織的な集団いじめはむしろ行政や司法を巻き込んで闘う必要のある「凶悪犯罪」です。ご相談者さまが今の段階で息子さんにいじめられる傾向があり、今すぐにできる対策を打とうと考えられたことは、息子さんが将来凶悪犯罪に巻き込まれるのを未然に予防するための大きな第一歩であったとも言うことができます。

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最後に付け加えますと、最初は泣きながらでもいいので「やめろ!」と強く言うだけでも、心の弱い卑怯者は、ひるみます。

「ウチの子にとっては“オレがお前に何をした?”ぐらいだって長過ぎて言いにくいかも……」と思われる場合は、この「やめろ!」だけでも力強く言い返せるように、何度も練習してみてください。必ず効果が見られるはずです。

【参考文献】

・『こころのふしぎ なぜ?どうして?』大野正人・著

●ライター/鈴木かつよし(エッセイスト)

慶大在学中の1982年に雑誌『朝日ジャーナル』に書き下ろした、エッセイ『卒業』でデビュー。政府系政策銀行勤務、医療福祉大学職員、健康食品販売会社経営を経て、2011年頃よりエッセイ執筆を活動の中心に据える。WHO憲章によれば、「健康」は単に病気が存在しないことではなく、完全な肉体的・精神的・社会的福祉の状態であると定義されています。そういった「真に健康な」状態をいかにして保ちながら働き、生活していくかを自身の人生経験を踏まえながらお話ししてまいります。2014年1月『親父へ』で、「つたえたい心の手紙」エッセイ賞受賞。

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