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新感覚の暗闇スパ!?「アイソレーションタンク」の基礎知識

  • 2020.3.5
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「アイソレーションタンク」という言葉を聞いて、ピンとくる人はそう多くはないはず。フロートタンク、フロートスパとも呼ばれる「感覚を遮断してくれる装置」およびリラックス法で、塩水で満たされた専用タンクに身体を浮かべることで、不安感や気持ちの落ち込みをやわらげてくれたりするのだそう。

興味はあるけど、ちょっと話を聞いただけじゃ想像がつかない! という人のために、アイソレーションタンクのセッションを提供する「Oxford Floatation Centre」創業者、ハンナ・アイアーソンさんによるくわしい解説をコスモポリタン イギリス版からご紹介。さらに、取材を担当したコスモライターによるフローティング体験レポートもお届け!

アイソレーションタンクとは?

アイソレーションタンクとは、外界と完全に遮断された暗闇状態のタンクのこと。サイズはさまざまで、約500キログラムのエプソムソルトを溶いた塩水に身体を浮かべることができるのだとか。

アイアーソンさんによれば、水温が常に人間の体温に近い、約34度に設定されていることも重要なポイント。この塩水のおかげで、死海と同じように身体をラクに浮かせることが可能に。

「タンクに入るとそこは真っ暗闇。光からも、心を乱すような音からも遮断されます。温水、塩の量、暗闇、無音という4つの要素がバランスのとれた状態になると、身体が重力を感じなくなり、重力から解放された脳は『ほかのあるもの』に意識を集中させるようになるのです」

この時点に達すると精神がスイッチオフの状態になり、心拍数が低下、呼吸がより深くなって関節と筋肉もゆるむのだとか。「首の緊張がほぐれて頭痛が消えたという人もいますよ」とアイアーソンさん。

「セッション」ではどんなことをするの?

「シャワーを浴びてから耳栓をしてタンクに入り、扉を閉めて外界から遮断された状態で自分自身と向き合います」とアイアーソンさん。

翼を広げた鷲のようなポジションをとって浮かぶ人もいれば、頭の下で手を組んだ状態で浮かんでいる人も。また、フロート・ハロという首をサポートする浮き輪を使用することも可能。

「通常、セッションは10分ほど音楽を聞きながらリラックスすることからはじまり、次に音楽が消えて無音状態になり、完全に音や光のない遮断された世界でフローティングを体験。最後の5分になるとリラクゼーション音楽がふたたび流れて、眠ってしまっている場合はそこで目覚めてもらいます」

タンク内では何を着るの?

おすすめなのは、何も身につけずに裸で浮かぶこと。これは、ビキニの肩紐がくいこんで気になってしまう、というような心配をせずに水と一体になれるからだそう。アイソレーションタンクで浮かぶことを「母親の子宮の中に戻ったよう」という人もいるのだとか。

健康上のメリットは?

アイアーソンさんによれば、Oxford Floatation Centreにはオープン以来、慢性的な痛みの緩和や、不安やうつ状態の軽減、背中の痛みや姿勢の改善などを目指して多くのクライアントが通っているんだそう。

アイソレーションタンクのセッションを身体の可動性向上を目指して使う場合もあるほか、アメリカではPTSD(心的外傷後ストレス障害)の治療にも用いられることも。また、アイソレーションタンクは深い瞑想状態にたどり着くことを可能にするのだとか。メンタルケアや安眠にプラスの効果をもたらすという研究結果もいくつかあるけれど、いずれも小規模なもので、大規模な調査研究はこれまで行われていないとのこと。

自宅で再現することは可能?

残念ながら答えはノー。アイソレーションタンクに必要な水温を維持することや大量のエプソムソルトを用意することが難しいほか、家庭のお風呂では完全な暗闇を作りだすことができないというのが理由。

「一般的なバスタブは、身体を伸ばして腕もひろげた状態で、どこにも触れずに浮かぶことができるサイズではないですしね。それに、当センターの各タンク内の温水には600ポンド(約85,000円)分のエプソムソルトを溶かしてあるんですよ」

実際に体験してみた!

コスモポリタン イギリス版のライターがロンドンにあるフィットネススタジオ「3 Tribes」で、アイソレーションタンクを実際に体験! 60分間におよぶセッションついて以下のようにレポートしています。

「私は不安症と診断されているんだけど、『1時間もの間外界からシャットアウトされ、オフライン環境で深くリラックスした状態になる』というのを聞いてとても期待していました。けれど悲しいかな、実際のフローティングは(私個人の意見ですが)思っていたほどすばらしいものではありませんでした。スタジオ内はメンテナンスも行き届いていて、とても落ち着いた雰囲気。ところが、(入水前に)どんな切り傷にもワセリンを塗っておくことという指示どおりにしたのに、塩水に入るやいなや、湿疹がヒリヒリと刺すように痛みはじめて大変なことになってしまったんです」
「スタジオに着くと、フロントのスタッフがセッションの流れ――タンクに入る前にシャワーを浴びて、耳栓をし、なにも身に着けないリラックスした状態で水に浮かぶ――を説明してくれました。癒しの明かりがつき、音楽が流れるタンクの中は数分もすると明かりが消え、音楽が止まり、私はひとりっきりに。最初はちょっととまどったけど、深呼吸すると落ち着きました。けれどもその後すぐに、肌がヒリヒリしてかゆくなり、タンクから出たくてたまらない状態に」
「おまけに塩水が目に入ってしまい、備え付けの真水のスプレーを使おうとしましたがうまくいかず。さらに、塩のついた手で目をこすってしまって症状は一層ひどくなり、どうしよう、どうしようと思っているうちに文字通り火がついたような痛みにおそわれ、もうどうすることもできなくなって入水から20分ほどでタンクを飛び出してシャワーに直行」
「けれど、そこでやめないのがワタシ。ワセリン(今度はよりたっぷりと、ジャーナリズムの名の下に、自分のすべてをタンクに捧げる覚悟で!)を湿疹の部分に塗りこんで、もう一度トライ。けれど結局、また火がついたように湿疹が痛みはじめてすぐにセッションを中断。下半身が湿疹だらけの身には、リラックスどころか過酷な体験になってしまったというわけです。ただし、肌の状態が悪くなかったら、アイソレーションタンクを試すのも悪くないというのが私の結論です」

高濃度の塩水に浮かぶアイソレーションタンク。堪能できるかどうかは肌の状態次第のようだけど、その深いリラックス状態を一度は体験してみたい!

※この翻訳は、抄訳です。

Translation:西山佑(Office Miyazaki Inc.)

COSMOPOLITAN UK

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