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JUNYA WATANABEからデボラ・ハリーへ贈るラブレター。【2020-21AW パリコレ速報】

  • 2020.3.3
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ジュンヤ ワタナベ(JUNYA WATANABE)のショー会場には、ブロンディの名曲「Heart of Glass」や「Call Me」が爆音で鳴り響いていた。 昨年10月、70年代に活躍したNYのパンクバンド、ブロンディの紅一点、デボラ・ハリーによる回顧録『Face It』が出版された。ちょうど、コレクションチームが製作を始めたであろう頃である。歌い乱れた後のようなウェービーなブロンドヘア、マイクでこすれたようなレッドリップのモデルの登場は、デボラ・ハリーの若かりし頃を想起させた。

今季コレクションの公式テーマは、「SEXY BY JUNYA WATANABE」だ。「セクシー」というワードはここ最近のトレンドに浮上しているが、渡辺が解釈する「セクシー」はむやみに肌を露出する、見せる色気とは大いに異なる。

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レザー、ボンテージ、チュールドレス、スリップドレス、アニマルプリントなどデボラ・ハリーのアイコニックな要素が、渡辺の得意とする脱構築デザインと斬新な作り込みによって、光が当てられている。裂かれたチュールドレスはブレザーの上から重ねられ、レザージャケットは解体されショルダーストラップやベルトによって吊り下がっている。ハーネスはバストの輪郭を描くように形が作られ、ボンテージアイテムとして機能している。肌を見せるどころか、タイツやインナーを重ねることでそれを回避しようとしているのだ。

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今や定番となっているコラボ相手、フットウェア・メーカーのトリッカーズ(TRICKER'S)とは、ウィンクル・ピッカーズを製作。イギリスの高級紳士靴とパンクの異色の融合は、とびきりのスパイスとなってスタイリングを支えていた。足首にはレザーベルトやチェーンが巻かれ、さらなるボリュームが際立つ。

とびきりの個性と妖艶さ。そしてそこに少しだけ危険なアクセントを加えて。パンク精神がみなぎり、自身の体と声で表現したデボラ・ハリーは、最高にセクシーだ。このコレクションは、渡辺からデボラ・ハリーへの賛辞に値するラブレターと読み取れる。

Photos: Gorunway.com Text: Maki Saijo

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