1. トップ
  2. グルメ
  3. 1日6人までの特別スイーツコースとは?まるで森の中のレストラン〈LastNote〉へ。

1日6人までの特別スイーツコースとは?まるで森の中のレストラン〈LastNote〉へ。

  • 2020.2.21
  • 2643 views

近頃にわかに増えているのが、デザートコースを楽しませる店。 今回は河崎賢司シェフが手がける〈LastNote〉で、お客の注文にとことん応える、1日6人までのランチコース(4,500円)の一例をスイーツライターのchicoさんに体感していただきました。

一人一人の食のシーンに自在に寄り添うレストラン。

undefined
河崎賢司(かわさき・けんじ)/〈SABATINI di Firenze〉で料理の研鑽を積み、〈ANTICA OSTERIA DEL PONTE〉でパティシエに。〈PasticceriaI SOO〉〈ARMANI/RISTORANTE〉〈ジャニスウォン〉などを経て自店開店。

室内なのに草木の茂る小道を進み、たどり着くのは椋の木の壁やハンギングプラントの柔らかな緑に包まれた空間。「『注文の多い料理店』(宮沢賢治)の森のレストランをイメージしました」と河崎賢司シェフ。童話で多いのはお店からの注文だけど、こちらの夜のコースはお客の注文にとことん応える。予約時に価格(5,000円〜)と皿数を指定、お任せでもいいが、「全皿にフルーツを使って」とか「鴨料理のほかは全部デザートで」とか、好きなようにオーダーメイド可。

「お客さんのプライベートレストランでありたい」と、少食の人、記念日に特別な食事をしたい人、仕事帰りに軽めに食べたい人など一人一人に寄り添う。1日6人までなのもそのため。ランチはデザート皿のお任せコースのみながら心意気は同じ。塩で甘さを引き立て糖分を抑えたり、食事も挟んだり。おかげでデザートが続いても食べ疲れるどころかするする進む。どの皿も世界のあちこちで仕事してきた、パティシエでも料理人でもある河崎シェフらしさが潜む。

「リンゴと牡蠣って合うんですよ」と出された品は料理からの発想。リンゴと牡蠣のシブーストの磯の香りが織り成す新たなおいしさに歓喜する。美しさに息を呑んだのは「雪に埋もれたダイヤモンド」の、クリームやオリーブオイルパウダーで描く雪景色。スプーンを入れると顔を出すごぼうアイスは、あえてアクを抜かず土の香りを残し、柑橘が凛と香る「雪」から覗く「土」の温もりが広がるよう。こうした料理に空間、全てが導く温かな余韻=ラストノートはいつまでも、いつまでも続いた。

1.リンゴと牡蠣のタルト

ラムレーズンとソテーしたリンゴの甘酸っぱさに、牡蠣のシブーストがふわっと柔らかな旨味と磯の余韻を添えていく。お菓子と料理の感性が融合した河崎シェフらしい一品。

2.ニンジンとピスタチオ

竹炭とパルメザンチーズの真っ黒なチュイルをパリッと割ると、ピスタチオの液体窒素アイスと温かな有機ニンジンのスープが混ざり合う。自然な甘みと香ばしいコクが一つに。

3.雪に埋もれたダイヤモンド

バラゼリーの「ダイヤモンド」が埋もれる、塩とバニラの泡状クリームやオレンジ香るオリーブオイルパウダーの「雪」。その中にはごぼうアイスが!皿も雪をイメージした特注。

4.豚のコンフィ オマールエビソース

料理が一皿入る。58°C以下で火入れした旨味としっとり感のある熟成豚の肩ロースをカリッと焼く。野菜とオマールエビソース、安納芋に炒り番茶が香る「焼き芋ピュレ」と。

5.チョコレートの木

ビターとブロンドのチョコレートムースの「幹」に、ルビーやホワイトなどのチョコプレートが。真空調理で抽出した仏産イチゴのエキスとチョコとスダチのアイスで爽やかに。

*メニューは日により異なります(5皿+ノンアルコールペアリング)

〈LastNote〉

東京都渋谷区西原2-32-61F
03-6407-0714(16:00〜18:00)ランチ(土日のみ)12:00〜、13:00〜、ディナー18:00〜、19:00〜、20:00〜水休(不定休あり)
10席/禁煙

Navigator

chico(ちこ)/スイーツトレンドに精通し、記事の執筆や企画を行うほか、ギフトセレクトショップやECサイトのスイーツ監修も。共著に『東京最高のパティスリー』。

(Hanako1181号掲載/photo:MEGUMI text:chico)

元記事で読む
の記事をもっとみる