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孫に遺産を相続するにはどうすべき?権利を与える方法4つをFPが徹底解説!

  • 2020.2.10
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「子供よりも孫の方が信用できる」「相続の回数を減らしてコストを抑えたい」などの理由で、遺産を子供ではなく孫に引き継がせたいと考える人も多いようです。何もしなければ孫は相続人にはならないケースが多いので、孫に遺産を相続させるには事前に対策が必要です。

本記事では、孫に遺産を相続させる4つの方法を説明します。

孫は遺産を相続できる?相続できるなら割合はどうなる?

孫は遺産を相続できる?相続できるなら割合はどうなる?
出典:国税庁
贈与税の計算方法

贈与税の金額は、上の速算表に当てはめ、次の計算式で出します。

  • 贈与税額=基礎控除後の課税価格×税率-控除額

たとえば、2,000万円の土地の贈与を受けた場合、基礎控除後の課税価格は

  • 2,000万円-110万円=1,890万円

となります。

特例税率で計算すると、

  • 1,890万円×45%-265万円=585万5,000円

一般税率で計算すると

  • 1,890万円×50%-250万円=695万円

となり、特例税率の方が税金が安くなります。

高税率と言われる贈与税ですが、祖父母から孫への贈与については比較的税金は抑えられています

孫に非課税で贈与する方法

孫への贈与を非課税にできる場合があります。具体的には、次のような方法です。

①毎年110万円以内で贈与する

年間110万円の基礎控除枠を利用して、毎年少しずつ贈与する方法です。ただし、毎年一定額を連続して贈与すると、最初からまとまった金額を贈与するつもりだったとみなされ、合計額に課税されてしまうことがあります

②非課税特例を利用

子供や孫に現金を一括贈与する場合、利用目的によっては一部が非課税になる特例を利用できます

たとえば、教育資金として贈与する場合には1,500万円まで、結婚・子育て資金として贈与する場合には1,000万円までが非課税です。住宅購入資金として贈与した場合には条件によって異なりますが、最大で3,000万円までが非課税になります。

なお、それぞれの特例で年齢などの条件があるので、孫への贈与なら必ず非課税になるわけではありません。

孫への贈与に相続時精算課税を使った方がいい?

相続時精算課税とは、60歳以上の人から20歳以上の子供や孫への贈与を2,500万円まで非課税とし、相続時に贈与財産額を相続財産額に加算して相続税課税で精算するものです。なお、贈与が2500万円を超えたら一律20%の贈与税がかかります。

相続時精算課税を一度選択すると、通常の暦年課税(毎年110万円まで非課税になる方法)に戻すことができません。孫への贈与に相続時精算課税を使うときには、次のような点に注意が必要です。

相続税は1.2倍になる

下で説明しますが、孫の相続税は通常より2割加算されるので、相続時精算課税を選択しても孫の税金は高くなります。

暦年課税なら生前贈与加算しなくていい

相続人に対する死亡前3年以内の生前贈与は相続税の課税対象に含められますが、相続人でない孫への生前贈与は対象外です。孫には暦年課税で贈与を行った方が得策のことがあるので、十分に検討が必要です。

死因贈与する方法(その2)は孫の了承が必要

死因贈与でも確実に財産を譲ることができますが、孫の同意が必要です。

孫に義務を負わせることも可能

死因贈与では、財産を贈与をする代わりに、何らかの義務的な内容を約束させることも可能です。たとえば、孫との間で「生前に自分の面倒を見てくれたら死後に財産をあげる」といった約束をしてもかまいません(負担付死因贈与)。

孫は放棄できない

自分の死後、孫に財産を譲るには遺贈という方法もあります。遺贈は自分で遺言を書くだけで、孫の了承はいりません。ただし、孫は遺贈を放棄することもできます。

一方、死因贈与は孫と契約を結ばなければならないので、孫の同意が必要になり、孫が拒否した場合には実現しません。死因贈与を受けた孫は放棄できないので、孫の同意を得て契約を結ぶことができれば、確実に財産を譲れます。

相続税がかかる

死因贈与を行った場合には、贈与税ではなく相続税の課税対象です。相続税がかかるかどうかは、被相続人の財産が基礎控除額を超えるかどうかで決まります。

相続税の金額は、原則として取得した財産額に比例します。しかし、次の1~3以外の人は、相続税額が2割加算されるというルールが設けられています。

  1. 被相続人の1親等の血族
  2. 子の代襲相続人
  3. 配偶者

孫は子供の代襲相続人である場合を除き、相続税が1.2倍になります。同じ財産でも子供に譲るのと孫に譲るのとでは税金の額が変わってくることを認識しておきましょう。

孫に遺贈する方法(その3)では遺留分に配慮

遺言を書くときに気を付けなければならないのが遺留分です。孫に遺贈する場合、他の相続人の遺留分に注意しておきましょう。

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相続人の遺留分を確保して孫に遺贈する必要がある

遺留分とは、兄弟姉妹以外の相続人について、民法上確保されている最低限の相続割合です。直系尊属のみが相続人のケースでは財産全体の3分の1が、それ以外のケースでは財産全体の2分の1が、遺留分を持つ人(遺留分権利者)のために確保されます。

  • 【例2】遺留分権利者として、配偶者と子供2人がいるケース

上記の【例2】では、財産全体の2分の1が遺留分権利者に確保されるので、配偶者の遺留分は4分の1、子A及び子Bの遺留分は各8分の1となります。

孫に遺贈をする場合には、配偶者、子A、子Bの遺留分を確保しておかなければなりません。もし孫に全財産を遺贈する旨の遺言を書いた場合には、配偶者は財産の4分の1に相当する金銭を、子A及び子Bは財産の8分の1に相当する金銭を支払うように孫に要求できます(遺留分侵害額請求)。

なお、どうしても孫にすべての財産を遺贈したい場合、遺留分権利者に話をして納得してもらい、家庭裁判所で遺留分放棄の手続きをとってもらう方法もあります。

相続税にも注意

孫に遺贈をすると、孫は相続税を払わなければなりません。上にも書いたとおり、孫の相続税は通常の1.2倍になります。孫が税金を多く支払うことに抵抗を持つかもしれませんので、事前に話し合いをしておいた方がよいでしょう。

孫を養子にする方法(その4)でも孫の相続税の負担は重くなる

生前に孫と養子縁組すれば、遺言を書かなくても孫に財産を引き継がせることができます。ただし、孫の相続税の負担が重くなることは変わりません。

孫を養子にしても相続税は1.2倍に!

養子は1親等の血族なので、通常は上に書いたとおり、相続税の2割加算の対象外です。しかし、孫などの直系卑属が養子になっている場合には、例外的に2割加算する扱いになっています。

孫を養子にする場合でも、遺贈の場合と同様、孫の相続税が高くなることは変わりません。

二重身分のケースでは?

養子である孫が子供の代襲相続人でもある場合には、相続税は加算されません。

孫に遺産相続する方法に関するまとめ

自分の死後に孫に遺産を譲る方法(死因贈与、遺贈、養子縁組)では、孫に1.2倍の相続税がかかってしまうという難点があります。生前贈与を行えば非課税枠を使って税金を抑えられるケースもあるので、死後にこだわらないなら生前贈与も含めて検討すると良いでしょう。

贈与税や相続税などの税金は、家族構成や財産状況によっても変わってきますので、税理士に相談して対策をとるのがおすすめです。

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