公園は増えたのにナゼ? 子どもの外遊びに対する規制が厳しくなったワケ

【ママからのご相談】

男の子の双子がいます。もうすぐ4歳になりますが、2人とも外遊びが好きで、よく公園で遊びます。特に、ボール遊びが大好きですが、近所の公園ではボール遊びが禁止です。 わざわざ電車に乗り、広い河川敷まで行って遊ばせます。最近、公園に立っている看板を見ると、いろいろ禁止することが多いような気がします。どうしてなのでしょうか?

●A. 大人の厳しい監視の目……公園の管理責任が強く問われる時代に。

ご相談ありがとうございます。ママライターのKOUです。

ご相談者さんのおっしゃる通り、ここ近年は、球技など禁止事項が多い公園が増えていると聞きます。実際、規制のおかげで、「子どもたちを自由に遊ばせる場所がなくなった」とぼやく親御さんたちも少なくありません。

一方で、皮肉にも公園の数は年々増えています。国土交通省の『都市公園データベース』によると、公園の数は、昭和35年末の約4500箇所から、平成24年末までには約10万2千箇所と格段に増加。つまり、遊べる場所はたくさんあるのに、規制のため“遊べない”という現状があるのです。

●近隣住民からのクレーム

『公園の禁止事項』について取り上げた雑誌の記事によると、禁止事項が増えた原因を、近隣住民からのクレームではないか、と指摘しています。例えば東京都の西東京市では、公園の噴水で遊ぶ子どもの声が“騒音”と裁判で認定されて噴水が停止されたと言います。ご近所のトラブルが裁判沙汰になるケースが増えていることが背景にはあるようです。

では、公園でどのような文句の禁止事項があるのでしょうか? ネットなどで調べてみました。

●禁止事項を破ると「110番通報」

・自転車の乗り入れ禁止

・大声禁止

・ボールやバットの使用禁止

・サッカー禁止

・ダンスの練習など禁止

取り上げるときりがありませんが、驚いたのは、禁止事項を破ると「(見かけたら)110番します」といった脅し文句のような看板があることです。そこまで、書かざるを得ない事情をさらに探ってみました。

●どこにでも大人の目がある時代

福音館書店が出版している育児雑誌『母の友』の特集記事の中で、『日本冒険遊び場づくり協会』副代表の天野秀昭さんが、公園の数が増えているのに、子どもが自由に遊べなくなっている実情について次のように語っています。

『この奇妙な状況を生み出すことになった原因は大人の心の中にある。そして、それを生み出したのは“少子化”と“都市化”だと考えます。子どもが減り、大人が多くなる「少子化」……(昔は)子どもはたとえしかられても、大人の目が届かないところで、勝手に遊んでいたのです。ところが今は、どこにでも大人の目がある。大人は「A(あぶない)・K(きたない)・U(うるさい)」を見れば、注意したくなる。子どもがこっそり好き勝手に遊ぶことができなくなったのです』

『「都市化」とは……頭の中のこと人の価値観についての話です。学校やテレビなどのマスメディアを通して「都会の考え方」「都市の感性」が日本中にじわじわと広がってきました。たとえば「子どもの声は騒音だ」という感覚。人間関係が希薄で、お互いの顔が見えないので、見知らぬ子どもの声は「騒音」にしか感じられない』

天野さんのご指摘のように、“都市化”した価値観を持つ大人たちの監視の目が多くなったことが、公園の看板に禁止事項が増え続けるゆえんなのかもしれません。

公園の管理責任が問われる時代になり、それを運営する自治体などが「何かあったら大変」だと、いろいろな規制をかけているのでしょう。

公園に集まって、静かに3DSなどの携帯型ゲームをしている子どもたちをよく見かけます。確かに、周りに迷惑を掛けてはいないですが、「静かに遊べ」という大人が彼らをそうさせているのかもしれませんね。

【参考文献】

・『母の友 3月号(2015年)』福音館書店・出版

●ライター/KOU(ママライター)

大学卒業後、新聞社に入社。地方支局や芸能部などで、10年間にわたり記者生活を送った。あっとういう間に30半ば目前に。「このままでは結婚できない」と思い立ち、婚活に専念(?)しようと、退職。数か月後には結婚相手を見つけた。36歳で1人目を出産。育児中には通信講座で保育士の資格を取得、少しは役に立っているのか、息子もすくすく育っている。現在は、のらりくらりと在宅でライター業を営む。

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