1. トップ
  2. ルピタ・ニョンゴの怪演でも、ホラー映画は論外⁉【アカデミー賞ノミネートを逃したセレブ】

ルピタ・ニョンゴの怪演でも、ホラー映画は論外⁉【アカデミー賞ノミネートを逃したセレブ】

  • 2020.1.31
  • 837 views
アメリカの社会問題への風刺や巧みな伏線が、あちこちに散りばめられている『アス』。(c) Universal Pictures
Doppelgänger Red (Lupita Nyong’o) and Adelaide Wilson (Lupita Nyong’o) in Usアメリカの社会問題への風刺や巧みな伏線が、あちこちに散りばめられている『アス』。(c) Universal Pictures

『ゲット・アウト』(17)でアカデミー賞脚本賞を受賞し、一躍ときの人となったジョーダン・ピールが監督・脚本・製作を務めたサプライズ・スリラー『アス』(19)は、全米公開直後から大ヒットを飛ばした。今作でアデレード・ウィルソンとドッペルゲンガーのレッドの二役を演じたルピタは、クリティクス・チョイス・アワードやSAG賞で主演女優賞の候補入りを果たす。それでも、「Oscar so white again (またしても白すぎるオスカー)」の批判を浴びている今回のアカデミー賞では、ノミネートに至らなかった。

シャハディ・ライト・ジョセフ(右)は『ライオン・キング』(19)でヤング・ナラの声優を務めている。(c) Universal Pictures
Adelaide Wilson (Lupita Nyong’o), Jason Wilson (Evan Alex), Zora Wilson (Shahadi Wright Joseph) in Usシャハディ・ライト・ジョセフ(右)は『ライオン・キング』(19)でヤング・ナラの声優を務めている。(c) Universal Pictures

『アス』は、サプライズ・スリラーといってもホラー映画。特に前半に自分とそっくりだけど、恐ろしい喋り方や動きをする人間が登場してきて、どう展開するのかがまったく読めず、めちゃくちゃ怖い(ただし、一番怖いのはルピタではなく、娘役のシャハディ・ライト・ジョセフだけど)。ところが、アカデミー賞は時代ものや実話に基づいたリアリティのある話が大好きで、ホラー映画は常々軽視される傾向にある。

レッドカーペットでは常に遊び心を忘れないルピタ。『アス』のプレミアでは、なんと真っ赤なカラーコンタクトを入れて登場!Photo_ Jeff Spicer/Getty Images
Lupita Nyong'o attends UK exclusive screening of "Us" at Picturehouse Central on March 14, 2019 in London, England.レッドカーペットでは常に遊び心を忘れないルピタ。『アス』のプレミアでは、なんと真っ赤なカラーコンタクトを入れて登場!Photo: Jeff Spicer/Getty Images

かつてナオミ・ワッツが、叫びの女王として評価を得た『マルホランド・ドライブ』(01)でもノミネートされなかったように、なぜか恐怖を表現する演技が同賞で認められることは少ない。エンターテイメント性の強い作品を選出することは、「大衆に迎合する」というアカデミー賞会員のプライドなのか? いずれにしろ未見の方は、本作で恐怖に震えあがってほしい。

Text: Rieko Shibazaki

元記事で読む
の記事をもっとみる