1. トップ
  2. 恋愛
  3. 彼色に染まる女性・染まらない女性【ひとみしょうの男ってじつは】

彼色に染まる女性・染まらない女性【ひとみしょうの男ってじつは】

  • 2020.1.27
  • 5980 views

彼女に対して「オレ色に染まれ」と言う男は、淋しい男です。外見はそう見えないかもしれないけれど、じつは淋しさを山のように抱えている男です。

「彼色に染まりたい」と思う女子も、淋しい人です。

というのが結論ですが、結論だけ言われてもうまく理解できない人もいると思うので、以下に具体的に見ていきましょう。

「オレ色に染まれ」と言う男って「わたしのことを引っ張ってくれる素敵な彼」?

「オレ色に染まれ」と彼に言われて「こいつアホちゃう?」と思う女子は、自分というものを明確にもっているお利口さんです。

反対に、「オレ色に染まれってか? うん、わたしはあなたの色に染まりたい!」と思う女子は、淋しい人です。

「オレ色に染まれ」と言う男って、ある種の女子から見たら、「オレについてこい(そしたら幸せになるから)」みたいに見えるかもしれないですね。頼りがいのある教祖様みたいに。

でも、彼は「彼女以外の人についてきてもらえないから」彼女に「オレ色に染まれ」と命令しているのです。

たとえば、会社では信用がなく、家族には「ワガママな子」と思われ、これまた信用がなく、本当に友だちと呼べる人もおらず……というのが、じつは「オレ色に染まることを命令する男」が抱えている問題点なのです。

「彼色に染まる」弊害について

彼氏の色に染まりたいと思っている女子って、「彼のことが大好きだから」彼色に染まりたいと言ったりしますよね。

大好きだから染まりたいという気持ちの陰に、じつは「彼氏がいないと淋しくて心と身体がバラバラになってしまいそう」という気持ちがあります。あるはずです。

彼色に染まりたい人は、極端にいうと、もうなんだって彼氏とお揃いにしますよね? ふだん着るジャージさえも彼氏とお揃いにするとか。

それでは恥ずかしいと思った場合、彼のジャージを借りて、「メンズサイズを着こなすわたしってステキ!」などと思ったりしますよね?

で、やがて、そういう彼女のことを彼が「重たい」と思うようになり、破局を迎えるのです。

男女問わず、人は「ちょうどいい依存度合い」をなぜか知っているので、寄りかかられすぎると、拒否反応が出ちゃうんですよね。

「自分を変えたい」「人生をやり直したい」という気持ち

たいていの人は、今の自分に満足していないので、じつは心のどこかで、自分を変えたいとか、人生をやり直したいと思っています。

今のわたしのままで十分――ほんとうはこう思えることがもっとも幸せだし、まれにそういう人もいますが、たいていの人は自分を変えたいと思っています。

そういう人にとって、恋人のカラーに染まるのは、もっとも手っ取り早く自分を変えれるように感じられるのです。

だから「彼色に染まりたい」と思うのです。

「オレ色に染まれ」と命令する彼もおなじことです。自分のカラーに染まってくれる彼女という名の「部下」を従えることで、彼は「誰もついてこない王様」をさっさと卒業したいと考えているのです。

彼色に染まる女性・染まらない女性

彼色に染まる女性とは、自分で自分の淋しさをどうすることもできない女性です。

彼色に染まらない女性は、自分の淋しさを自己処理できる女性です。

一般に、若い頃は(社会に出て4~5年くらい経つまでは)、自分の淋しさを自分でどうすることもできないことのほうが多いので、彼氏ができたら大喜びし、日々少しずつ彼色に染まる自分に大喜びします。

そういう彼女を見て、彼も大喜びします。ときに「重たいな」と思っても、彼は自分色に染まるゆく彼女を見て「いいこと」だと感じます。

がしかし、30歳くらいで大逆転が起きます。

彼女はなぜか、彼色に染まることに歓びを感じていた自分を冷静に見るようになるのです。

で、その冷静な目で彼氏を選び直し、「ふつうに」結婚します。

対して男は……「オレ色」に染まってくれた稀有な存在である元カノに追いすがります。が、彼女は振り返ってくれません。

おわりに

女子は、彼色に染まろうと、染まるまいと、やがて「ふつうに」生きていける立派なオトナ女子になるのです。

男は……ダメですねえ……場合によっては死ぬまで「オレ色に染まってくれる人」を募集し続けるのです。

偉そうにしている社長とか政治家とかを見て、そう思わないですか?(ひとみしょう/作家・コラムニスト)

元記事で読む
の記事をもっとみる