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2020年の教育改革で何が変わるの?家庭で出来る対応策は?

  • 2020.1.23
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2020年度より文部科学省が示す学習指導要領が改訂され、大幅な変更が予定されています。改定内容はいくつかありますが、小学校で特に大きいのは「プログラミング学習のスタート」「英語教育必修化」があると思います。

プログラミングは中学校では導入されていましたが小学校では初めてですし、英語については「中学校から」と思っていた授業についていけるかと不安に感じるかもしれません。4月からの導入に備え、家庭で出来ることはあるのでしょうか。

小学校におけるプログラミングと英語改革

小学校での教育改革について、まずは概要を知っておきましょう。

まずプログラミングです。「プログラミング教育」が小学校から必修化されます。しかし「国語」「算数」のように「プログラミング」という新たな科目が増えるわけではありません。これまであった科目の中に、プログラミングの要素が組み込まれるということです。科目ではないので教科書もありませんし、試験などで評価もされません。どの学年・どの教科でどのくらいの時間プログラミングを扱うかは、各学校の判断となります。

授業例として以下の内容が想定されています。

・総合学習

プログラミングを体験しながら自分の暮らしとプログラミングとの関係を考え良さを知る

・算数

図やグラフの作成でプログラミングを活用し、数学的思考の共通性や良さを知る

・理科

プログラミング体験を通じて、様々な電気製品にはプログラミングが活用されており条件に応じて稼働していることを学ぶ

その他音楽・図画工作などにも組み込まれる予定で、文部科学省からも「小学校のプログラミング教育の在り方」が発表されておりそれを参考に組み込まれていくと考えられます。その大半は5~6年生の算数・理科で登場します。

必ずしもパソコンやタブレットを使用するわけではなく、「アンプラグド」と呼ばれる専用ツールの使用や、紙と鉛筆を使ったり体を動かしたりして「プログラミング的思考」を学ぶということもあります。また、「プログラミング言語をコンピューターに打ち込む」といった内容を想像する人も多いかもしれませんが、プログラマー育成のための教育ではないため言語を学ぶわけではなく「プログラミング思考を育むこと」が目的となっています。

英語では、小学校5年生からだった英語教育が3年生からスタートします。3・4年生は「外国語活動」という英語学習が年間35時間設定されます。アルファベットやリズム・発音に慣れることを目的とし、歌やゲームが中心となります。5年生からは「教科」としての英語がスタートし、年間70時間の授業が設定され成績もつきます。「読む」「書く」に加えて「聞く」「話す」力を伸ばします。小学校の2年間で600~700単語を学びます。現在中学で扱う単語が1200程なので、その半分以上を小学校で学ぶようになります。

後に中学校に進学すると、英語の授業は全て英語で行われるようになりますので、その為の準備とも言えるでしょう。ちなみに高校で覚える英単語は現在の1800語から2500語まで増え、小学校から数えると5000語ほどになります。これはTOEICで700点以上のレベルと言われています。大学入試でも英語力がないと受験自体出来なくなる学校が既に増えており、今後更に増加する見込みです。「英語が使える」ことは特別なことではなく当たり前な人材を育てるという狙いがあり、そのための小学校からの改革と言えるでしょう。

ビジュアルプログラミングで慣れておこう

「必修化に備えて教室に通おう」と考えるかもしれません。プログラミングや英会話教室は増加傾向にあり人気もあります。しかし必ずしも教室に通わなければいけないということではありません。家庭で出来る対策はあるのでしょうか。

プログラミングについては、前述した様にプログラミング言語を学ぶわけではありません。場合によっては体験としてコードに触れることはあるかもしれませんが、覚える必要はありません。ただ「ビジュアルプログラミング」には触れる可能性が多くあります。それに関してもテストに出たり評価基準となることはもちろんありませんが、家庭で触れて体感することは可能ですし、練習しておくことで役立つ場合もあるでしょう。

「ビジュアルプログラミング」とは、テキストを使わずにプログラムを組むことです。難しいコードなどは一切出ず、絵や文字などを好きなように配置することで対象物に指示を出すことが出来ます。パソコンがなくてもスマホやタブレットで取り組めるものも多く、プログラミングの入門編として子ども達に広く使用されています。

プログラミングについては学校によって内容が異なる為どのプログラミングソフトが使用されるかはわかりません。しかし無料で使えるプログラミングソフトであればどのソフトであっても練習になります。気軽に使え人気が高いものをご紹介します。

・Scratch

世界で一番有名な子ども向けプログラミングソフトと言ってもよいでしょう。Eテレでも専用の番組が放映されているほどメジャーなソフトです。推奨年齢は8~16歳ですが未就学児から1年生にはScratch Jrというソフトがあり、より直感的に扱うこと出来ます。

・Viscuit(ビスケット)

自分で描いた絵をタブレット上で動かすことが出来ます。命令ブロックを組み立てるものよりも、より感覚的に楽しめます。未就学でも楽しむことが出来るので、早くからプログラミングに親しんで欲しい場合にオススメです。

・プログラミングゼミ

小学校低学年向けに開発されたプログラミングアプリです。簡単な命令ブロックを組み合わせることでキャラクターのゴールを目指します。途中ドラゴンや岩が道を塞ぐところを避けていく必要があるなど、冒険性も備わっています。

無料のビジュアルプログラミングはたくさんあるので、色々試してみて気になるものを見つけましょう。関連本が出ているものも多く、本屋で見つけたものに挑戦するのもいいですね。

また、プログラミング教室の体験教室に参加してもいいでしょう。通信教育でもプログラミングがセットになっているものがあります。例えばZ会であれば、本科を受講すれば無料でプログラミングを行うことが出来ます。

筆者の子どもは時々Scratchで遊んでいます。以前プログラミング体験に行った時はViscuitを使用しましたが、感覚的にプログラミングを楽しむことが出来夢中になっていました。家庭で気軽に体験しておくことで、授業でも抵抗なく対応出来るでしょう。

家庭でも英語に触れることが出来る

英語についても、家庭で出来る準備を知っておきましょう。

・英語アプリを活用する

パソコンやスマホ・タブレットを使用した英語学習であれば好きな時間に学ぶことが出来ます。楽しみながら英語力を伸ばすことの出来るアプリはたくさんあります。「ゲーム感覚で単語が覚えられる」「キャラとの会話でストーリーを進める」「クイズ形式で理解する」など、取り入れやすいものを見つけて試してみましょう。

・CDやDVDを活用する

英語の歌を聴いたり映画やアニメのDVDを観たりすることで、耳で英語に親しむことが出来ます。好きなアニメなどは視覚的にもストーリーが分かるので、英語がすんなり頭に入ってきます。レンタルで借りるだけではなく、最近では動画で配信している場合もあります。お気に入りのものを見つけて継続して観る様にしましょう。

・音読・読み聞かせ

英語の絵本を一緒に読むのもオススメです。「英語は読めない」という方でも、絵本であれば簡単な英語で書かれていますし分からない単語を一緒に調べることも効果的な時間ですね。「どうしても読めない」という場合は、CDが付属している本もありますので、一緒に聞きながら読んでみましょう。音と文字が一致することでより理解が深まります。

・シャドーイングを取り入れる

シャドーイングとは「英語を聞きながら聞こえてきた音を少し遅れて音声をそのまま真似する」という、同時通訳者も取り入れている学習法です。DVDやCDなどを使って挑戦してみましょう。真似っ子遊びの感覚で行うと、子どもも楽しんで取り組めるかもしれませんね。

・オンライン英会話を受講する

英会話教室に通うのには時間がなく金額も気になる、という方にはオンラインレッスンもオススメです。英会話教室に比べてかなりリーズナブルで受講出来、1レッスン数百円というものも多くあります。子どもを対象にしたコースも多くあるので「話せなかったらどうしよう」という心配は不要です。気の合う先生が見つかれば、大人よりも柔軟に会話を楽しむことが出来るはずです。

筆者の息子は4月に新3年生となる為、英語の必修化が始まる学年となります。少し不安もありますが、本人に聞くと既に行っている外国語活動で慣れている為スムーズに移行できるのではと感じています。またパソコン室があるらしく、そこへ移動しパソコンやタブレットに触れる授業を既に行うこともあるそうです。

大幅な改革となるので親としては不安もありますが、移行へ向けての準備も始まっていると感じました。家庭でも学校の状況を常に把握することで出来る対策が色々あると分かりました。授業で新しいことが増えて子どもは大変ですが、少しでもストレスなく勉強に専念出来る様にサポートしていきたいですね。

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