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キスしてこない彼氏にわたしからキスしてもいいのでしょうか?【ひとみしょうのお悩み解決】

  • 2020.1.21
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“【お便り募集】文筆家ひとみしょう お悩み解決” に送っていただいたお悩みの中からひとつピックアップしてひとみしょうさんがお答えしていきます。

「たなひーさん25歳」のお悩み

2年程付き合っている彼氏がいますが、いまだにキスすらしたことがありません。彼氏は10歳上でそんなに経験豊富ではなさそうです。とにかく大事にしたいという思いで手を出さないでいるそうですが、それは表向きの理由で、本当は慣れていないからなのか…こういう場合、私からキスをしたりしても良いものでしょうか?

もし我慢してくれているのならその気持ちを踏みにじることになってしまうのでは、と考えています。男の人のプライドとかもありそうだし、どこまでこっちから動いて良いものか困っています。どうしたら良いでしょうか?

〜ひとみしょうさんのお悩み解決コラム〜

たなひーさんからキスしちゃうといいと思います、というのがぼくの意見ですが、2年くらい付き合ってキスすらしてこない男性には、一般的には2パターンあるので、まずはその解説からしましょう。

キスすらしてこない男性の「じつは・・・」

一般論として語るので、もし、たなひーさんの彼氏に関係なければ読み飛ばしてください。

2年も付き合ってキスすらしてこない男性の中には、じつはゲイ寄りのバイセクシャルの人がいます。

いわゆる性的マイノリティと呼ばれている人について、差別してはいけないと世間で言われているものの、実際には、性的マイノリティの人と交流を持っている人は少なく、差別してはいけないと言われてもどうしていいのかわからず、結局、差別してはいけないという言い方だけが、学校の教室に貼ってある標語みたいになっているとぼくはつねづね感じています。

なぜそう感じるのかといえば、ネットのコラムに性的マイノリティについて書くと、編集部によっては書かないでくださいと言われるからです(この『Grapps』のことではないですよ)。

「差別してはいけない」という言葉をどう捉えるといいのかわからない人が、「わからないからとりあえず書かないという規制をすることで読者からのクレームを避けよう」と思っているのかもしれません。

性的マイノリティの人たちとふつうに交流してきたぼくに言わせると、触れないことじたいが差別なのです。

バイセクシャルの男性やゲイの男性の中には、一見して、男っぽく見えるすごくイケメンの人もいます。そういう人は男からも女からもモテます。また、そういう人は、美しいものが好きであることも多いため、性的な行為抜きに美しい女性と交際したいと思っている人もいます。

そして、そのような男性は、交際中に、できるだけ彼女とエッチする流れになることを避けたいと、ハラハラしています。

もっと根本的なことから話したほうがいいかもしれません

と書いても、うまく理解できない人もいると思うので、もっと根本的なことからお話しましょう。

たとえばゲイの人とは、男としか交流を持たない人というわけではありません。もちろんそういう人もいますが、実際には女性とも仲良くするゲイの人もいます。女性と接したり話をしたりするのは好きだけど、女性との性的行為だけできない(したくない、ではなくて、できないのです)、という人もいるのです。

ようするに、女性と交際している性的マイノリティの人の中には、「本当の自分」が彼女にバレないように細心の注意を払っている人もいるということです。いつ本当の自分がバレるのか、恐れながら暮らしている人がいるということです。

たなひーさんの彼氏に当てはまる話かどうか、まったくわかりませんが、2年付き合ってキスすらしてこない男性の中には、一般論として、このような男性がいるということです。

不器用な男性のプライドとは?

2年付き合ってもキスすらしてこない男性のもう1つのパターンは、不器用だということです。

不器用な男性というのは、すべからく女性に憧れを抱いています。

その昔「アイドルはトイレに行かない」という言われ方がされていた時期がありました。

憧れのあのアイドルはトイレになんか絶対に行かない! 行ったとしても「小」はするけど「大」は絶対にしない! これが、女性に過度な憧れを抱く男のホンネなのです。

妹や姉がいる男子の多くは、女性に対してこのような過度な憧れを抱かないはずです。子どもの頃から女性の「実態」がわかっているので。

でも、姉妹がいないとか、ずっと男子校だった男子は、おそらく育った環境ゆえ、女性にすごく憧れを抱きます。その必然の結果として、女性に対してものすごく不器用になります。

そのような男性がもつ「男のプライド」とは?

単純に、憧れである女性(たなひーさん)を、ガラスケースに入れて飾っておくかのごとく、憧れとして眺め続けたい、という気持ちです。

世間一般で言われている「男のプライド」はなくて、憧れている「自分の」気持ちに傷ひとつつけないで! という男の気持ちを、女性が「男のプライド」と読み替えているのです。

おわりに

彼が性的マイノリティであったとしても、不器用な男であったとしても、35歳の男が25歳の女性と2年間付き合ってキスすらしてこないということの背景には、なにかがあるはずです。

なにかがある、そのなにかとは何か? という問いの答えとして、わりと多いとぼくが感じている答えを2つご紹介しました。

ほかにも答えはいくつもあるでしょう。元カノに「失礼だから」今カノとキスすらできないとか、愛犬の死後5年は誰ともキスしないことに決めているとか。

冗談や「ネタ」で言っているのではありません。

性的マイノリティにしろ、不器用さにしろ、元カノにしろ、愛犬にしろ、人の気持ちには他人が理解しがたいデリケートなものが潜んでいるということを言っています。

でも思うんですが、本当の交際とは、お互いのデリケートな部分を愛であうということなんですよね。

キスをめぐって、オブラートに包まれているかのような心で、どうすれば愛であえるのか?

たなひーさんから彼にキスすることです。

試しに相手の核心に迫るような言動をとることを、ビジネス用語でテストクロージングと呼ぶそうですが、テストクロージングすることで、まずは彼の「じつは」を引き出すのがいいと思います。「なにか」を持っている人は、そのなにかを「じつは」と口にできるタイミングを待っているからです。

相手に「じつは」と口を割らせるタイミングを提供できる人が、じつは優しい人なのだとぼくは思います。(ひとみしょう/作家・コラムニスト)

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