1. トップ
  2. ライフスタイル
  3. ”実は融通のきく頑固”【千葉雄大】のリアルな本音とは?

”実は融通のきく頑固”【千葉雄大】のリアルな本音とは?

  • 2020.2.19

好青年からアクの強いキャラクターまで、幅広い役柄を演じている千葉雄大さん。“可愛い男子”の印象でしたが、今回は、「インタビューは苦手」と言いながらも、真剣に自分らしい言葉を選んで語っていただきました。どんなことにもリアル&真摯に向き合う姿を取材しました。

作品のことを考えて、出演者も見てくださる方も楽しんでくれたらと、誰よりも思いました

――映画『スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼』では、全作に引き続いてのご出演で、今回は主演。主役として心がけたことがあれば教えてください。

「今日1日取材を受けていて、『主役として何か心づもりは……』と聞かれているんです。あるんですけど、ただ結果的には、もうちょっと僕に社交性があって、男気みたいなものに溢れて演技できたら良かったのかなと思いつつ、そういうアプローチの仕方がわからなくて。主役として何ができたかと言われたら全然わからないくらいでした。だけど誰よりも作品のことを考えて、みんなが楽しく撮影を終えてくれたらいいな、そして見てくださる人も楽しいと思ってくれたらいいな、ってそういうことを誰よりも考えていた自信はあります」

――加賀谷は幼い頃のトラウマがある役ですが、加賀谷のように乗り越えなければならない過去があるとしたら、千葉さんならどうしますか?

「事柄にもよりますけど、自分は乗り越えようとするタイプだと思います。来年でこの仕事を始めて10年になるんですが、何かを伝えるのは難しいんだなということはずっと感じています。インタビューでも……今もそんなにうまくは話せていませんが、もっとひどかったんです。でも今は慣れたということもあるし、伝えたいことが増えてきて、以前に比べれば話せるようになったので、やってみないとわからないことってたくさんあるんだなって思います。だからとりあえずはやってみるかな」

千葉雄大さん

自分がやりたいことと、他の人が自分にやってほしいことのバランスを考えて、自分に固執しないことが大事

――お仕事を始めて10年、俳優というお仕事や表現するということは、今の千葉さんにとってどんな意味合いがありますか?

「今の時代は表現を伝える場所が、いっぱいあったほうがいいなと思っています。それこそ最近は、俳優でも歌う人がいたり、声優さんがテレビに出たりしますよね。垣根みたいなものをどんどん壊して、いろんな方向性があるのだとしたら、自分もやってみたいなって思います」

――最近はいろいろな役を演じられていますが、俳優としてステップアップするために心がけていることは?

「自分に固執しないことが、幅を広げるという意味では大事なのかなと思っています。そこのバランスですかね。自分がやりたいことと、誰かが自分にやってほしいことがあったとしたら、自分がやりたいことだけをやっていると、多分自分が思っている自分にしかなれないと思うんです。そこで他の人が自分にやってほしいことをやることによって、自分には思いもよらなかった自分になれるかもしれない。そういう幅の広げ方が大事かなって。だから視野を広く持つというか、そういう受け皿は大きくしておきたいなと思います」

自分に固執しないみたいなことが、幅を広げるという意味では大事。

他の人と探した「自分が思う自分じゃない自分」を持っていることがおもしろい

――TRILLは「自分らしさ」を大事にするというテーマがあるのですが、千葉さんが思う自分らしさとはどんなものでしょうか。

「そもそも僕は“自分らしさ”というものがわからないです。自分が思っている自分ももちろん“自分らしさ”だけど、周りの人から見た自分が本当の自分じゃないのかというと、それもよくわからない。極端なことを言えば、自分が思っている自分だけでいいなら、誰にも関わらずに生きていけばいいと思うんです。でも僕はいろんな人と関わっていきたいし、他の人と探した『自分が思う自分じゃない“自分”』を持っていることがおもしろいと思うので、そう考えると“自分らしさ”って僕にはあまり関係ないのかなって気がします。だから……僕って頑固なんでしょうね。融通の利く頑固です(笑)」

――TRILLのユーザーの中には、年齢や服装などについて、世間的な基準を気にするとの声があります。千葉さんは、「男なら○○するべき」のような、一般的なイメージを気にされることはありますか?

「あります、あります。ただそうしたほうがいいんだろうなって時はそうするけど、基本的にはやらないですね。僕は何が自分らしいのかわからないし、『男らしい』ということからはかけ離れていると思っているので。ただ見る人によっては、『意外と男らしいですよ』と言ってくださる人もいるんです。だから今の時代はそんなものどうでもいいというか。自分がやりたいようにやったらいいと思います」

千葉雄大さん

最初の頃とペラペラ喋っている今、そこに熱量の差はないとお伝えしたい(笑)

――千葉さんは可愛いイメージが強かったと思うのですが、バラエティー番組ではおもしろいキャラというか。イメージからの脱却などは意識されたんですか?

「狙ってはいないです。もともと違う性格で変わったということではなくて、最初は単純に人前で話せなかったんです。田舎のクソガキが人前に急に放り出されて、何もできないような状態だったわけですよ。そこからいろんな人に出会って、仕事や状況にも慣れ、たくさんの方に顔を覚えてもらって。ホームとまではいかないけど、今はわりと肩の力を抜いていられる部分が出てきたから、言えることも増えていって……みたいな感じです」

――最初の頃は、慣れない現場で硬くなっていた状況を私たちは見ていたわけですね。

「そうです。だから嘘をついていたとか、ぶりっこしていたわけではなくて、当時は本当に可愛かったんだと思いますよ(笑)」

――デビューしたばかりの千葉さんにインタビューしたとき、「好きなものは?」と聞いたら「ジブリ」とおっしゃったのが可愛かったことを覚えています。

「ジブリは今でも好きですよ(笑)。変わっちゃったと言われたらそれまでなんですけど、単純に慣れたというか。こういう環境に慣れてしまったところはあるかもしれないです。そして伝えなきゃいけないこともどんどん増えているから言葉数は多くなるし。『ジブリ』の三文字から今こうしてペラペラ喋れるようになったけど、そこに熱量の差はないということだけはお伝えしたいです(笑)」

千葉雄大さん

比べても「自分はそうなれない」と自分の人生に戻った。飛び級しないでコツコツやろう

――俳優を始めてから10年の間に転機はありました?

「実はまだないんです。だから恵まれているんだと思います」

――いわゆるスランプもない?

「スランプ……2015年くらいはそういうのがあった気がしますね。今ふり返って思うのは、ちょっと暇だったんです。だから漠然とした不安みたいなものがあったんだと思います。役柄的にも『あれ、今みんなはこういうのをやっているのに……』って、人と比べる時期だったのかもしれないです」

――その状態から自然に抜けて今に至るという感じですか。

「今思うのは『ジブリ』の三文字で許されていた時代から変わる時期だったのかなと。そこが転換期だったのかもしれないです。だからその時の自分はめんどくさかったかも。『可愛いポーズしてください』と言われて、『ちょっと……わかんないな』って感じだった気がします(笑)。例えば『うさぎ持ってください』と言われて持って『可愛い!』と言われるじゃないですか。そう言われたら『本当に思ってます?』と心の中で思ってた(笑)」

――可愛いと思ってましたよ(笑)。

「それに気づけなかった時期だったのかもしれないです。新しい何かになりたかったのかもしれないけど、その時に何かが吹っ切れたんでしょうね。『毒みたいなものも吐くんですね』と言われ始めたのは、その頃かもしれないです」

――人と比べても意味がないと思った?

「なんか疲れちゃったんですよね。比べても結局自分はそうなれないし。スタンスが違うし、脚の長さも違うしって思ってました。こう言うとキザっぽくなりますが、『自分でいいや』みたいな。自分の人生に戻ってきた感じです。もしかしたら飛び級しようとしていたのかもしれない。でもコツコツいこうって思ったのかも」

ちば・ゆうだい/1989年3月9日生まれ、宮城県出身。雑誌の専属モデルとして活動後、『天装戦隊ゴセイジャー』の主演に抜擢。以降映画『決算!忠臣蔵』、ドラマ『おっさんずラブ-in the sky』など多数のドラマや映画に出演。4月期のドラマ『いいね!光源氏くん』に主演。6月公開の映画『子供はわかってあげない』にも出演している。
映画『スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼』 Story:刑事・加賀谷(千葉雄大)は、長い黒髪の女性ばかりを狙った連続殺人事件の犯人として殺人鬼の浦野(成田凌)を逮捕。事件は幕を閉じたと思われたが、同じ殺人現場から次々と若い女性の遺体が発見される。捜査が混迷する中、浦野の犯行と疑う加賀谷は刑務所にいる浦野に面会を申し込む。浦野はかつて自分にネット犯罪の全てを教えた謎の人物Mの存在を浦野に伝え、自分ならMに近づくことができるという。仕方なく浦野と手を組んだ加賀谷は、恋人の美乃里(白石麻衣)が謎の男に狙われていることに気づく。
プレゼントインフォメーション
※当キャンペーンは終了いたしました。ご応募ありがとうございました。

Movie, Photography & Design:dely
Writing:Yuko Sakuma
Edit:Natsuko Hashimoto(TRILL編集部)

の記事をもっとみる