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言葉の順番がキモ!? 子どもが親の言うことを聞くコミュニケーション術

  • 2015.4.9
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【ママからのご相談】

3歳の娘のことなのですが、全然いうことを聞いてくれません。「なんでそんなことするの!?」「ママ嫌い!」の応酬の繰り返しで疲れ果ててしまいます。私の叱り方がいけないのでしょうか?

●A. 「なんで!?」の位置を変えてみましょう。

こんにちは。心理食育インストラクターのSAYURIです。ご相談ありがとうございます。

子育て中は体も気持ちも疲れ切ってしまうことってありますよね。疲れたときについ自分を責めてしまうママも多いようです。でもほんの少し言葉のかけ方を変えるだけで、お子さんとのコミュニケーションがうまくとれることもあります。今回は脳科学からちょっとしたコミュニケーションのコツをお伝えしたいと思います。

●脳は最後の言葉を強く受け止める!?

まずは子育てから少し離れてみましょう。

「あの人、優しいけどバカよね」「あの人、バカだけど優しいよね」

さて、どちらの言葉にいい印象を受けますか? “優しい”と“バカ”の位置が違うだけで、ずいぶんと違った印象を受けたのではないでしょうか? これは脳の機能として最後の言葉を強く受け止めると言うものがあるためです。

これを子育てに当てはめてみると、「なんでこんなことしたの!?」と叱られた子どもは、「こんなことした」の言葉にママの怒りを感じ自分を拒絶されたような気持ちになって、どうして自分がその行動をとったかを考えるよりも、自分を拒絶するママに腹を立てて、「ママ嫌い!」となってしまうのです。

自分の思い通りの行動をしてくれない子どもに対してイライラしているママは、「なんでこんなことしたの!?」に続いて、「もぉヤダ!」というような言葉が続くことが多くなってしまいます。すると子どもは、「自分はママに嫌がられている」即ち、否定されている、認められていないと感じてさらに反抗的になります。

しかし、「こんなことしたのはなんで!?」と言葉の順番を変えるだけで、「なんで?」が頭に入り、例えば片付けなさいと言われても片付けなかった理由を子どもの脳がちゃんと考え始めるのです。そして、「まだ遊びたいから」というような返事が返ってきます。お子さんの口からちゃんとした理由が聞くことができれば、「まだ遊びたいんだ。でもね今から○○だからお片付けしようね」とコミュニケーションが取れていくようになります。

●子どもにもちゃんと承認欲求があります

「子どもだから言っても分からない」とか、「子どもだから……」と言われるのをよく耳にしますが、小さな子どもでも大人と同じような欲求があります。そのひとつが承認欲求といわれるものですが、これは、「自分を認めて欲しい」というもの。

●存在の承認欲求

これが良く見られるシーンはママ友と一緒に子どもと食事に行ったとき。ママ達がおしゃべりに夢中になっていると突然、テーブルをバンバン叩いたり、奇声を発したりすることがありますよね。これは「私はここにいるよ!」という子どもなりの主張。存在を認めてかまって欲しいのです。

●気持ちの承認欲求

これはおもちゃのお片付けをしない場合などに、「出掛けるから片付けなさい!」と頭ごなしに言われると、「出掛けるから」ではなく、「片付けなさい」だけが頭に残り、まだ遊びたいと言う自分の気持ちを否定されているように感じてしまい、おもちゃを投げつけたりといった行動につながってしまいます。

ここで、「まだ遊びたいよね」と一旦、子どもの気持ちを認めてから、「でもお片付けして、お出掛けしよう!」と言うだけで、「自分の気持ちが認めてもらえた! しかもお出掛け、楽しそう」と受け止め方が違ってきます。

●育児は育自

“育児は育自”。これはいつも私が食育の講演で言っている言葉ですが、子どもを育てながら親も一緒に育つつもりで、何かトラブルがあっても自分を責めるのではなく、「ひとつ勉強できた」と思って子育てをしながら、ご自身も母として成長するつもりになってみてはいかがでしょうか。

【参考リンク】

・欲求の階層説 | 心理学用語集 サイコタム

●ライター/SAYURI(心理食育インストラクター)

長年の医療機器メーカー勤務の経験から健康管理士、食育インストラクター、心理カウンセラーの資格を取得し、健康管理士事務所『優縁』を設立。現在、食で愛を育む食愛ナビゲーターとして、食育の講演や執筆活動を中心に、NPO法人『予防医療推進協会』理事長として、成人向けの生活習慣改善のさまざまな提案を発信中。

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