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【女子のばんそうこう】殴り合いで気づく「女なんでスイマセン」癖。

  • 2019.12.27
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私は見た目もコワモテでタッパもあり、世間の言う「女らしい」雰囲気では全然ない。さらにボクササイズなどやってる上、夫から言わせると「喧嘩では捨て身でかかってくるからまじ怖いし強い」らしい。つまり「この人は主婦か殺し屋か?」の二択クイズがあったら、間違いなく殺し屋の方に多く旗が上がるような人間である。

なのに。
先日、キックボクシングのグループレッスンに出た時のこと。
2人1組になって3分間互いに打ち合うターンになり、男女混合だったので私は男性と組むことになった。組んだ相手は顔なじみ、気のおけない仲間だ。
合図と同時に戦いが始まる。グローブもスネあてもつけているので、お互いのスキを狙ってパンチでもキックでもお見舞いしていい。ただ、相手は女性相手ということで手加減してくる。それをいいことに私は夫婦喧嘩でつちかった殺意と腕力(どういうこと)を発揮する…つもりだったのだが。
やりながら強烈に自分に違和感を感じた。「わあっ(苦笑)くう…くやしいっ(照れ笑い)」…え?なんで半笑いなの私??技術的に下手くそ、という前提はあるけどそれだけではなく、どうやら無意識に「打ち合いが苦手なヘナチョコ」「男子と打ち合うなんて力の差がありすぎるーーっ(汗)」という状態を演出してるじゃねえか。

それに気づいた時、心底自分が気持ち悪いと思った。「いつものオメエはどこ行ったんだ!倒しやがれ!獣の殺意で相手に飛びかかれ!」心の中のリングサイドで丹下段平が叫んでいる。ところが私の戦意はまったく喚起されず、男性相手に「当たったところで痛くもかゆくもないパンチ」を繰り出して空振りするばかりだった。

愕然とした。自分の中にほとんど反射神経的に「女の子ぶる」「男性にはかないませーん♪というふるまいをする」ところがあったなんて。もちろん対戦相手の男性には「女なんだから女らしくふるまってほしい」なんて気持ちは一切ない。むしろガチで戦えれば喜んでくれる人である。キャラ的にも年齢的にも女の子らしいふるまいなんて求められてもない。なのに何故。

この話にとくにオチはない。
「男だ女だ関係なく、自分は自分らしくやっていこうぜ」と言ってる私にもまだまだこういうところがある、というのはすごく新鮮で興味深かったし、他のシチュエーションでもまだあるんだろうな…と思った。男性への斟酌なのか、はたまた女のわりに脅威だと思われると本気で向かってこられてしまい己の身が危険だから本能的に忌避したのか…それはよく分からないけど。

先日「女性は社会の中で自分の能力を低く見積もりがち」という記事を読んだ。何かを成し遂げて周囲からの評価を受けても、それはたまたまであって自分は評価に値するような者ではない…と過小評価してしまうことを「インポスター症候群」というらしい。女性が陥りがちな傾向だそうだ。
件の私の無意識のぶりっこは卑俗すぎてそれに該当するとは思えないのだけど、「いやいや私それほどでもないので…」と身を縮こまらせがちなのは確かに女性の方が圧倒的だ。男性に最適化された世の中で育まれた防御の術だと思うので気持ちはとても分かるけど、何ともったいないことだろうね…。

無意識のうちに自分を「女だし…」という枠に入れてやしないか。誰にも望まれてないのにその中に逃げ込もうとしてないか。その枠を盾にして、自分や誰かを抑えつける根拠にしていないか。本当はもっと、この腕と足を一歩先へと伸ばしていいんじゃないだろうか。

私たちはそれを己に問いかけて暮らしていった方がいいのかもしれない。2020年は、もっと。

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