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京都の町家長屋「あじき路地」で出会う、世界にひとつだけの手製本ノート

  • 2019.12.24
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ものづくりにいそしむ若手作家たちが暮らしながらお店を営んでいる「あじき路地」。その一角に「手製本ノート 紙こもの すずめや」があります。ていねいに手作りされるノートはひとつひとつ表情が異なり、一期一会。とっておきの一冊を探しにお店を訪ねてみませんか。

京都の町家長屋「あじき路地」で出会う、世界にひとつだけの手製本ノート
京都の町家長屋「あじき路地」で出会う、世界にひとつだけの手製本ノート
静かな時が流れる路地奥へ
京都の町家長屋「あじき路地」で出会う、世界にひとつだけの手製本ノート
明治末期に建てられ、100年ほどの時を刻みつづける

京阪・清水五条駅から五条通を東へ、和菓子店「五建ういろ」の角を曲がって北へ歩くこと約5分。「大黒湯」のお隣りの細い路地が「あじき路地」です。
若手作家さんたちが焼菓子やアイスクリーム、帽子、革製品といったものづくりをしながら職住一体の暮らしを営んでいる町家長屋の「北3号」が「手製本ノート 紙こもの すずめや」です。

京都の町家長屋「あじき路地」で出会う、世界にひとつだけの手製本ノート
靴を脱いで上がるので、気分もゆったり

扉を開けると、格子から差し込むやわらかな光とほのかに灯るライトの中、さりげなく並べられたノートの数々。まるで映画のワンシーンに迷い込んだかのような、静かで味わい深い世界が現れます。

京都の町家長屋「あじき路地」で出会う、世界にひとつだけの手製本ノート
店主の村松佳奈さん

読書家で本と縁の深かった店主・村松佳奈さん。芸大在学中から物語を豆本などに綴じていましたが、「ここから始まるもの」を、と物語のない無地を綴じてノートを作るようになったのだそう。お店の名前は「ちいさくて、いつもそばにいて、さえずっている」すずめのような身近さと気軽さで使い手の日常に寄り添えたら……という思いから。本の上でそっと羽を休めるすずめのスタンプがあしらわれたノートも並びます。

京都の町家長屋「あじき路地」で出会う、世界にひとつだけの手製本ノート
ことりっぷ
京都の町家長屋「あじき路地」で出会う、世界にひとつだけの手製本ノート
新シリーズ「にじみ」は文庫本サイズの大(2500円/税別)、小(2000円/税別)

たとえば「にじみ」シリーズは、耐久性の高いアクリル絵の具で着彩したり、「まだら」シリーズは、クーピーペンシルを削ってアイロンを当てて染めたり、とノートの顔となる表紙のタイプもさまざまで、ついひとつひとつ見入ってしまいます。

紙は、日本の工場で漉いている洋紙。そのなかでもエコなものをと森林循環紙を使用。選りすぐりの紙を、折って、綴じて……とていねいに製本していきます。
指先がふれるところに手しごとを残したいという想いから、製本の工程「化粧裁ち」は、カッターを使ってひとつずつ裁断。手でふれるとなめらかで、さらさらとめくりやすいのです。

京都の町家長屋「あじき路地」で出会う、世界にひとつだけの手製本ノート
「すずめやノート」(各1800円/税別)

「ふってきそうね」、「もりのゆめ」「お菓子と珈琲」など一冊ずつについている名前も素敵。「心に描いたイメージをもとに形づくるのではなく、言葉のスイッチはあえて切って、今、感じるものをデザインに落とし込みます。名前が生まれてくるのは、それからです」と村松さんは話してくれました。

文字をしたためるのはもちろん、お気に入りの絵や写真を貼ってみるなど、使い道はさまざま。どんなふうに使おうかなと想像するひとときも楽しいものです。
こつこつと作り続けたノート、お店にあるのはざっと1000冊くらい。本屋さんでお気に入りの装丁を探すような気分で、好みの一冊を探してみては。
営業時間は「おひるどきからひぐれまで」。お店の営業日時は公式HPで確認してくださいね。

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