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いつもイライラ…幸せを感じられない原因は「見返したい」復讐心にあるかも

  • 2019.12.20
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「何の不自由もないのに、気持ちが満たされずイライラする」

仕事も順調で、やさしい夫と結婚し、子どもにも恵まれ、はたから見たら何の不満もないはずの方からカウンセリングのご相談を受けることがあります。

現状に不満はないけれど幸せも感じられない。何のために自分は頑張っているのかわからない。常に焦燥感がありイライラ。周りにいるすべての人を嫌いだと感じる自分は、おかしくなったのではないか…。

そう感じてしまうのは、どうしてでしょうか? 実は、その原因はあなたの「見返したい思いから心に芽生えた復讐心(ふくしゅうしん)」にあるのかもしれません。

■理由のわからない怒りやイライラ、その原因は?
「目標を達成したはずなのに、満たされない」
「何の不自由もないはずなのに幸せを感じられない」
「燃え尽き症候群のように無気力で、やる気が起きない」

そういった方によくよくお話を聞いてみると、これまで頑張ってきた原動力が「誰か(何か)を見返したい」という復讐に近い気持ちがあるケースが多いように感じます。

例えば、夫から対等にみられていないと妻が感じている場合。妻は、家事や育児を完璧にこなし、仕事も夫に負けず劣らず頑張り、子どもは優秀な大学に受かり、大企業に就職した…。

その時、その時は一瞬スカッとするけれど、根本の問題となる「夫に認められたい」という気持ちは満たされていないため、しばらくするとまたネガティブな「見返したい」感情はぶり返します。

対等の夫婦になりたい、同じ土俵に立ちたいという気持ちが強いのに、夫は頑張っている自分をいたわってくれない、認めてくれない…。そういった負の感情を抱えたままでは、見返したい気持ちはおさまらないでしょう。

原因は家族だけとは限りません。例えば、友だちであったり、会社の同僚や上司であったり、「認めてもらいたいのに、認めてもらえない」存在に対する不満から、理由もわからずイライラしているのかもしれません。

■誰に認められたい? 見返したい相手を洗い出す



人は誰でも、認められたい、見返したいという気持ちは持つものです。たいていの場合は、目標達成といった成功体験でその気持ちは昇華されるものですが、「認められたい人に認められない」「認めてほしいことを認められない」という消化不良感が残ると、欲求がうまく昇華できません。

そのため、何の不自由も不満もないはずなのに、理由もわからずイライラする気持ちだけが残ってしまうのです。自己評価(自分は能力があり、できる人間だと思う気持ち)が高く、自己肯定感(そのままの自分でいいと認める気持ち)が低い人ほど、「見返したい」気持ちが強い傾向にあり、その欲求にとらわれやすいといわれています。

しかし、理由もわからないイライラや怒り、嫌悪感の原因が「認められたい、見返したい」という気持ちから起こっているというのは、なかなか自分では気づきにくいものです。

その場合は、次の手順を試してみてください。
1. どういう時に満たされないと感じるかを書き出していく。
2. そのシチュエーションの中から共通項を探す。
3. 共通項に一番多く登場するのが、あなたが「認めてほしい、見返したい」相手であったり、事柄になります。
もし、夫が一番多く登場するなら夫、親なら親に、あなたは「認められたい、見返したい」と思っているのでしょう。また、「他人がきれいとほめられている時」に満たされない気持ちになるとしたら「(周りより)きれいな人と思われたい」という思いがあるということです。





■「見返したい」復讐心をデトックスする方法



「認めてほしい、見返したい」という気持ちは、どうすれば昇華できるのでしょうか?

例えば、仕事で成功を収めた、イケメンでお金持ちの男性と結婚できたなど、努力で手に入れた「外から見えること」だけでは根本的な解決になりません。一瞬は気持ちがスカッとするかもしれませんが、ネガティブな気持ちはまたふつふつとわいてきます。

根本的に解決するには、まず認めてほしいのは誰なのか、どういうふうに認められたいのか、何になりたかったのかを問いかけ、自分自身と対峙(たいじ)する必要があるでしょう。

例えば、自分は誰からどう言われたかったのか? それはどうしてなのか? どうしてその人に認められたいのか? というように次々と「なぜ? どうして?」と問いかけ、自分と対話していきます。

自分自身に話しかけていると想像しながら、書き出したり、人に話したりするといいでしょう。すると、必ず「認められたい、見返したい」と感じたきっかけにたどり着きます。

そのきっかけの時期に気持ちを戻して、「どうしてそう感じたんだろう」「それは、どうしてだろう」「何がきっかけだったのだろう」と、さらに深く深く自分自身に問いかけ、対話を続けてみます。

例えば、あなたは家事育児に手を抜くことなく、仕事もバリバリこなしているのに、いつも「満たされない」と感じているとしましょう。

実は、そのきっかけは出産した時にさかのぼり「子どもがいるんだから、今まで通りには働けないよね」「子どものために仕事はやめるでしょ?」という夫や両親の不用意な言葉だったかもしれません。

その言葉にイラッとしたから「何が何でも認めさせたい」「仕事も子育ても手抜きはしない」と頑張ってきたのでしょう。

きっかけがわかったら、その当時の自分に対して「もう大丈夫。今は〇〇であってもなくても、十分幸せになっているよ」と話しかけ、自分で自分を認めてあげましょう。

それを繰り返すうちに、自分が本当に欲しかったことがはっきりしてきますし、見返したい思いは徐々に薄れていきます。最終的に自分自身が納得できたら完全昇華となるでしょう。

見返したいという思いで努力したり頑張るのは悪いことではありません。けれど、その自分の気持ちの裏にあるものと対峙する必要があります。

「認められたい、見返したい」といった復讐心のきっかけとなる恨みやねたみ、後悔といった気持ちはいい形で昇華させると自分にとってプラスに働きます。ただし、それは最後まで「昇華」させてこそ。

もし、「何の不自由もないのに満たされない。イライラして周りに当たってしまう自分」に悩んでいるなら、ご紹介した手順で「認められたい、見返したい」気持ちをデトックスしましょう。



(佐藤栄子)

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