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大学無償化法の手続きはいつから?対象となる条件&申請方法をFPが徹底解説

  • 2019.12.15
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高等教育無償化の一環として、来年より施行される大学無償化法。金銭面で大学進学をあきらめていた人も、このニュースを聞いて、進学への希望が見えてきたのではないでしょうか?ぜひ支援を申し込みたい、という方もいらっしゃるでしょうね。

でも、今年高校3年生で来年大学へ進学する場合、手続きはもう手遅れなのではないでしょうか。また、どうやって申請したらいいのかよくわかりませんよね?

そこで、この記事では応募時期についてや、支援の対象となる条件、また申請方法について解説していきます。

ただし、まだ制度が始まったばかりですので、まだはっきりとはわからない部分もあります。その部分に関しては「まだ未定」などと明示してまいります。ぜひ最後までご覧ください。

申し込みはいつからいつまで?応募時期について

まずはじめに、この法律で支援を受けるためには、そもそもどういうタイミングで申し込めばいいのでしょうか?高校3年生が適用を受けようと思ったら、いつまでに応募をしなければいけないのか、気になるところですね。

ということで、以下で応募をする期間について見て行くことにいたします。

高校3年生の場合

ということで、まずは気になる高校3年生の申し込みのタイミングについて述べていきます。

大変残念な話ですが、2019年に高校3年生の方の2020年大学入学時に関する申込については、すでに終了しています。

「なんだ、もう間に合わないのか」とがっかりするかもしれませんが、まだあきらめてはいけません。大学入学後にも申し込みのチャンスがありますので、そこで応募しましょう。

なお、今高校2年生以下の方、またはその保護者の方のために、今年のスケジュールを参考までに下記に示しておきます。

  • 7月頃申請
  • 9月20日対象となる大学等が公表
  • 12月頃結果通知
  • 4月支援開始

ただし、これは今年の場合ですので、来年以降変わるかもしれません。応募時期については、高校等に確認して最新情報を入手しておきましょう。

高卒認定試験合格者等の場合

高校に通わずに、高卒認定試験に合格した方も、この制度の対象になります。

ただし、こちらについても今年度の応募は終了していますが、進学後の申し込みは可能です。なので、支援を受けたい場合には、進学先の学校の奨学金担当窓口に問い合わせてみましょう。

浪人生の場合

大学受験に失敗して浪人生をしている場合、これ以上親に迷惑をかけたくないのでこの制度を使ってみたいですよね。ただ、浪人をした場合でも応募できるのかどうか不安です。

高校とも縁が切れているので(特に地方から都会に出て下宿しながら浪人している場合)、くわしい情報も入ってきませんしね。

実は、2浪までなら支援を受けることができます。「浪人は2浪まで」というのが国の方針のようです。ただ、浪人中に余計なことに気をつかうことはおすすめできません。

また、一生懸命調べて申し込んでも肝心の大学に落ちてしまったら本末転倒です。ここは、進学後に手続きをするのが無難でしょう。

大学生の場合

ということで、今大学に通っている在学生の方でも支援を受けることが可能です。ただし、申込スケジュールについては、まだ始まったばかりということもあり、あまり公式に明確な情報は出ていません。

「各学校にお問い合わせください」というのが答えのようです。なので、興味のある人は、学校側に連絡を取ってみましょう。

対象となる条件とは?

大学無償化法にもとづいて行われる様々な金銭的援助は、2019年の消費税増税の分があてがわれることになっています。なので、無尽蔵ではありません。申し込んできた人は誰でも恩恵が受けられる、ということにはならないわけです。

したがって、そこには一定の制限がかけられています。以下では、そのあたりのことついて説明していきます。

年収と資産に関する制限について

まずは、所得制限と資産制限が設けられていて、お金のある家庭の子供はこの制度を受けられないようになっています。

所得に関する制限については、年収にかかる住民税が基準になっています。その中で、基準が3つに分けられていて、

  • 住民税100円未満:全額支援
  • 住民税100円~25,600円未満:2/3支援
  • 住民税25,600円~52,300円未満:1/3支援

となっています。詳しくは、日本学生支援機構「奨学資金シミュレーター」を参照願います。

また、資産に関する制限については、下記の通りとなっています。

  • 収入のある人が家庭に2人いる場合:2,000万円以下
  • 収入のある人が家庭に1人いる場合:1,250万円以下
成績や意欲に関する条件について

また、支援を受ける本人の成績や学習に対する意欲で、制限が設けられています。まあ成績はともかく、意欲なんてどうやって判定するのかと思ってしまいますよね?どうやら、下記のようになっているようです。

  • 高校3年生:評定平均3.5以上で、進路指導等で学習意欲が見られる者、または3.5未満の場合はレポートや面談で学習意欲が見られる者
  • 大学1年生:高校の評定平均3.5以上かつ学習計画書で学習意欲を判断、または入学試験の成績が入学者の1/2以上、高卒認定試験の合格者で学習計画書で学習意欲を判断
  • 大学2~4年生:成績のGPAが1/2以上かつ標準単位数以上の単位取得、学習計画書で学習意欲を判断

これをみると、今後まだまだ変更の可能性がありそうですね。高校3年生なんて、成績は結局関係なくて、教師の匙加減一つで判断されそうです。

まあ、高校の成績は、あまりあてになりません。3年にもなると、受験勉強に重きを置いて、それ以外は手を抜いたりしますしね。ただ、中身はどうあれ、このように基準を設定しておくのは意味がありそうです。

私が大学に入学した時、同級生で奨学金をもらっている人がいたのですが、「奨学金がもらえる」と自慢げに吹聴して、毎日授業にも出ず、ゲームセンターに入り浸っていました。あのような人を出してはいけません。

国籍や在留資格に関する制限について

また、日本人の収める税金で援助を行うわけですから、外国からこのお金をもらうために大学に入学するような人は困るわけです。ということで、国籍などについても条件がつけられています。

  • 日本国籍を持っている人
  • 永住者等

このようになっています。

支援が打ち切りになる場合とは?

ただし、一旦支援がもらえることになっても、のちの状況で打ち切りになってしまうことがあります。

まず、高校時代は学習意欲があり援助が決定されたが、大学進学後意欲がみられなくなった場合があります。または、退学や停学、取得単位が不足している場合。あるいは大学で取得した成績の評価が低い場合もあります。

要するに、真面目に勉強していない学生は援助しない、ということですね。

先に述べた、奨学金をもらっていた同級生ですが、留年してしまいました。その後お金に困っているようでしたので、「奨学金はどうした?」と聞くと「止められた」とのことでした。自業自得かもしれません。

どうやって申請するの?申請方法について

これまで述べてきた様々な制限について理解をした上で、「それらはクリアしている。どうしても申請して援助を受けたい」と考えている方もいらっしゃるでしょう。そうした方のために、具体的な申請のやり方について説明していきます。

ただし、今後色々と変更がありえます。なので、現状では高校や大学などの学校に問い合わせをするのが一番確実といえます。

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高校3年生の申請の流れ

これにつきましては、先ほどスケジュールのところで今年の例をおおまかに紹介しておきました。申請の流れとしては下記のようになります。

ただ、何度も述べている通り、最新情報は学校などに問い合わせることをおすすめします。

大学在学生の申請方法

続いて、在学生の場合です。まだまだ変わるかもしれませんので、参考にご覧ください。

授業料等の減免と奨学金という支援がある

先ほどから支援と申し上げてきましたが、具体的にはどのような援助があるのでしょうか?

それは、「授業料等の免除」「奨学金」という2つの柱によって構成されています。

まず、授業料への援助は、そもそも大学に入学するための学費というハードルを下げることにあります。また、奨学金は、大学入学後の生活を助けるためのものです。この2つを助けてもらえるのであれば、学生生活がかなり楽になりますね。

国公立と私立で支援内容に差がある?

そうはいっても、国公立と私立とでは学費にかなりの差があります。なので、支援金額も私立の方が多くなっています。これは、私立の方が得、というわけではありません。

事実、入学金は国公立はこの援助でほぼ無料になりますが、私立では全額カバーはできません。出費に見合った援助、ということになります。

まとめ:大学無償化法の手続きについて

大学無償化法の手続きについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?

大学無償化法による支援の申し込み時期や申請方法については、自分で判断してあきらめる前に学校等に問い合わせてみることが大事です。

ただし、援助を受けるには条件があることも忘れないようにしましょう。あなたや、あなたのお子さんが希望通り進学できることを願っております。

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