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英語が苦手でも大丈夫! 「ホームビジット」の達人に教わる、親子で外国人をおもてなしするコツ

  • 2019.12.14
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ラグビーワールドカップではたくさんの外国人が訪日し盛り上がりましたが、次はいよいよ2020年東京オリンピック。これからますます外国人の来日が増えてくると予想されます。外国人をお家に呼ぶコツを知っておけば、親子で外国人と交流する機会があっても安心。

世界中から日本にやってくる旅行者を家に招き、おうちごはんを一緒に食べながら2~3時間交流をする、ホームビジットの取り組みを普及してきた特定非営利活動法人NAGOMI VISITの代表理事、楠めぐみさんにコツをお聞きしました。


■「ホームビジット」はメリットたくさん、子どもと一緒に国際交流


──NAGOMI VISITでは子どもがいる家庭が、外国人を受け入れるホストに多いと聞きました。


楠めぐみさん(以下 楠さん):全国で登録している約1200世帯のホストのうち、6~7割が未就学児や小中学生のいるご家庭です。「子どもにはグローバルな視点を養ってほしい」「世界にはいろいろな人がいるということを知ってほしい」という理由が多いです。
お子さんがいると、独身のときのように海外旅行にたくさん行けないから、自宅に来てもらえるのは一石二鳥とおっしゃる方もいます。

──親子で外国人を招くと、どのようなメリットがあるのでしょうか?

楠さん:親が外国人との交流を楽しんでいる姿を子どもに見せると、外国人にあまり接したことのないお子さんでも、抵抗感がなくなり、交流に積極的になる傾向があります。

──子どもが国際交流に興味を持つかどうかは親の影響が強いんですね。

楠さん:英語が苦手だと、つい「私は料理しているから」といって子どもに「交流してきなさい」と押しつけてしまう親御さんもいますが、そうすると子どもも、外国人の方もどうしていいかわからずシーンとなってしまいます。せっかくの外国人との交流の機会を活かせず、子どもも国際交流に興味を失ってしまいます。

── そういう方にはどのようなアドバイスをするのですか?

楠さん:まずは大人が自ら積極的に行動してみることをすすめています。大人が楽しんで、「楽しいよ」ということに子どもを巻き込んでいけば、子どもも自然と楽しめます。


■英語が苦手でも大丈夫! 大事なのは親からの働きかけ


── でもやはり英語が苦手だと躊躇する方も多いのでは?

楠さん:「英語が苦手」とみなさんおっしゃるのですが、初対面同志で2~3時間一緒に食事をして過ごすだけなので、複雑な話はそれほどしません。中学卒業程度の英語力があれば十分だと思います。「こういうことが好き」「普段は何を食べていますか」といった、自分自身の紹介やお互いの普段の生活について会話ができれば、まずは交流を楽しめます。
「日本の茶道とは何かを説明しなければ」などと思いこんで、「やっぱりできない」と考え、国際交流を楽しむ機会を逃すのはもったいないと思います。

── 「きちんと英語を話さなければ」と身構えすぎる必要はないんですね。

楠さん:今はインターネットで言い回しや単語など簡単に調べられます。日本食のレシピも英語で載っているので、作る料理の英文レシピや使いそうな単語など、事前にちょっと準備しておくだけで、会話もスムーズになります。
もし、お料理が好きな人を家に招くのであれば、食事の前に一緒にスーパーを見てみるなど、相手の好みに合わせてあまり言葉がいらないことを計画するのもおすすめです。

── ちょっとした準備で英語力をフォローできるんですね?

楠さん:お子さんについてもそうですね。事前に親から上手に働きかけをすることで、外国人とあまり接する機会のないお子さんでも当日の国際交流を楽しめます。
「こういう国から来るからどこにあるか地図で調べてみようか」とか「こういうことを聞いてみる?」などといって事前に子どもに働きかけをしたご家庭は、ホームビジットを体験して「また子どもがやりたいって言っていました」という感想を多くいただきます。

また、言葉を使わない楽しい交流方法もたくさんあるので、そういう遊びも用意しておくといいかもしれません。例えば、折り紙や百人一首での坊主めくりも、簡単で日本らしい遊びなので喜ばれます。

■何を作ればいい? 手軽なおもてなし料理のアイディア


── ところで、料理は一体何を作ればいいのでしょうか?

楠さん:海外から来る方は、普段の生活を見たいので、普段食べているものなら何でも。ルーで作るカレーも日本独特なのでいいと思います。ただ「ラザニア」などあえてすごく洋風なものを作るよりは、少し日本っぽいものが喜ばれますね。
ただし、懐石料理をがんばって作る必要はありません。美味しい懐石料理やお寿司はお店でお金を払えば食べられるので、海外の方はそういうものを日本の家庭での食事に期待しているわけではないからです。

── すき焼きとか鍋はどうですか?

楠さん:鍋を囲む系は、食のスタイル自体が日本の家庭という感じがして喜ばれます。お好み焼きやタコ焼きも、受け入れる側も準備が楽だし、「一緒に作る」という体験ができるので人気です。一緒に作業することで、仲良くなるし、盛り上がれます。



── 些細なことですが、じか箸でもOKですか?

楠さん:それは日本人でも人によりますよね。説明すればいいと思います。「うちはこうやっているのよ」と言ったら外国の方も受け取り方はさまざま。「そういうものかな」という人もいるだろし、外国人だからこう、というものでもないと思います。

■質問は「仲良くしたい」という意図を伝えてから


── そのほかに、家に招くときに大事なことはありますか?

楠さん:日本人同士も同様ですが食事をするのであれば、事前に食べられないものは聞いておくと安心ですね。アレルギー、宗教上、好き嫌い、ベジタリアンなどの信条等さまざまな理由で食べられないものがあるかもしれません。

── 納豆や和菓子など苦手かもしれないものはどうですか?

楠さん:出されたものを食べたらあんまり、ということはあり得ます。出すもの全てが喜ばれるわけではないので、「日本の和菓子ってこういうものなのね。自分の好みではないな」と思われるかもしれません。ただ、それも含めておもてなしだと思います。

── 不安なことは全部聞けばいいですか?

楠さん:文化的背景が違う者同士なので、日本人同士だったらあえて聞かないことも確認します。その際に、「お互いに居心地よく過ごしたいから教えてね」「あなたと仲良くなりたいから教えてね」と質問の意図をしっかり伝えることが大切だと思います。

── 聞いてはいけない質問もありますか? 年齢や宗教は?

楠さん:日本人同士でも同様ですが、「あなたいくつなの? 」「宗教は何? 」と矢継ぎ早に質問するのは失礼ですよね。だけど、「友だちになりたいのであなたのことを知りたいんです」と伝わっていれば、「私は〇歳なんだけど、あなたは何年生まれ?」とか「これ食べられないって言っていたけれど、宗教上の理由?」など聞いてもいいと思います。
逆にあまりにも忖度して質問しないでいると「この人コミュニケーションをとりたくないんだな」と思われてしまいます。質問の際には「私のことも知ってほしい」と自分の情報を伝え、自己開示することも大切です。


── 最後に、トラブルを回避するために気をつけた方がいいことを教えてください。

楠さん:NAGOMI VISITではほとんどトラブルがないのですが、最初の頃は、「待ち合わせの時間に外国の方がすごく遅れてくる」というのがありました。慣れない土地での移動で、電車の乗り換えを間違えたりしてしまうようです。ですので、会う前にしっかり行き方などの連絡を取り合っておくことをおすすめしています。

あとは、NAGOMI VISITでは、会う前には住所を伝えず、最寄りの駅で待ち合わせるというルールを設定しています。初めての方を家に招く場合のリスク管理としています。

──ありがとうございました。海外旅行に行く機会がなくても、日本でも工夫次第で外国人との交流を親子で楽しめる時代。せっかくだから、親も楽しんで、子どもも国際感覚を身に着けたいですね。


●楠めぐみ(特定非営利活動法人NAGOMI VISIT代表理事)
大学の観光学部卒業後、訪日外国人旅行者向けウェブサイトにてインバウンドプロモーションの企画・提案に携わる。2011年に「世界中の旅人と食卓を囲むホームビジット」事業をNAGOMI VISITでスタート。ホームビジットは、その積み重ねによって日本全体を多文化共生社会へと動かす「てこ」になると確信し活動を続ける3歳の娘のママ。動画で国際交流を学べる『はじめよう! 親子で国際交流』も2019年に開始。
参考:
『はじめよう! 親子で国際交流』
特定非営利活動法人NAGOMI VISIT



執筆・ まちとこ出版社 石塚由香子

(まちとこ出版社)

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